中島隆博のレビュー一覧

  • 世界哲学史 別巻

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     『世界哲学史』シリーズ全8巻は、時間的には古代から現代まで、空間的には世界全体を視野に入れて哲学史を叙述するという壮大な企図の下に編まれたプロジェクトであったが、本巻では、十分論じき切ることのできなかった問題を取り上げるということで、新たに13の論考が収録されている。

     「デカルト『情念論』の射程」「インドの論理学」「イスラームの言語哲学」「イタリアの現代哲学」「ポスト世俗化の哲学」「正義論の哲学」など、タイトルを見ただけでもバラエティに富んでいるのが分かるが、その内容自体難しいことに加え、それぞれの論考が分量の制約もあり短めなので、なおさら一般読者には敷居が高い。自分の興味が湧く論考に付

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    2025年02月21日
  • 人類の終着点 戦争、AI、ヒューマニティの未来

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    結論 民主主義・資本主義は不平等を生み出し、本来目指した価値を発揮していない。日本は西側に属するが、西洋的な価値が真理ではない。今後、世界は多極化する。国同士の対話を続けて変革のスイッチを探すべき。より道徳的なあり方を目指すべき。世界は続いていく。

    補足 気候変動、LGBTQ、女性の活躍など、すべての国のすべての人が目指す問題ではない。

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    2024年11月10日
  • 全体主義の克服

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    正直、新実存主義の話が出てくるのだが、哲学専門的内容で、ほとんどわからない内容でした。
    第一章~第三章までは話についていけましたが、第四章(全体主義に対峙する新実在論)当たらから、2人の会話で交わされる言葉が全くわからないことが多かったです。
    これは哲学書を読まない人からすれば難解な新書になるでしょう。

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    2024年08月27日
  • 人類の終着点 戦争、AI、ヒューマニティの未来

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    頭が良すぎる人たちの議論が良くわからなかったというのが正直なところ。彼らにとってAIは十分に知的とは言えないのだろう。そういう意味ではAIが人間を超えるというのは今のところ心配ないようだ。

    とはいえ、スマートフォンをツールとして生み出した人間がスマートフォンの奴隷になっている現状からすると一部の頭の良い人が世界の富を独占するほうという構図はどんどん極端になっていくようだ。

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    2024年04月03日
  • 人類の終着点 戦争、AI、ヒューマニティの未来

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    戦争やAI、資本主義と民主主義など現在のさまざまな論点についての識者の発言をまとめた一冊。
    大国の覇権ではなく、各国・地域の利害に基づく多様なつながりが増えている現代、米中問題とか対ロシアという近視眼的な見方では追いつかないというのはよく分かる。
    個人的に面白く読んだのはAIの話。人間を超えるか、という問いの立て方になんとなく違和感を持っていたけれど、素人にはそれがうまく説明できず、漠然とした危惧にあおられたままだった。その違和感を詳細に言葉で説明してくれた感じ。
    たとえば人口「知能」というネーミングが導く恐怖感とか、AIの背後でデータを学習させるために単純作業をする労働者たちが抱える問題、デ

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    2024年02月28日
  • 中国哲学史 諸子百家から朱子学、現代の新儒家まで

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    中国哲学の歴史について。現代に近づくにつれて理解が難しかった。中国哲学の起源が孔子から始まるのか老子から始まるのかで論争があることを初めて知って、勉強になった。近世あたりでマテオ・リッチと中国の仏僧たちが殺生戒をめぐって論争になるのだが、そこのあたりが現代のヴィーガン周りの論争を彷彿とさせるところがあり、結構面白かった。

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    2023年08月04日
  • 全体主義の克服

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    デジタル化の進展と全体主義化という本書の問題意識はとても納得できる。

    現代の全体主義は、独裁者が上から民主主義を破壊するのではない。デジタルユーザーが、自ら進んで服従することで、独裁政権を生み出すのだ。恐ろしい!!

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    2023年03月27日
  • 世界哲学史8 ──現代 グローバル時代の知

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    【分析哲学の興亡】一ノ瀬正樹
    エルンスト・マッハの要素一元論@世紀末ウィーン
    思惟経済
    →ウィーン学団の「論理実証主義」
    →分析哲学
    カルナップの原始的、AJエアの倫理
    ヒュームの法則であるからべきへ→自然主義的誤謬
    べき=論理的規範
    クワイン「経験主義の2つのドグマ」→オースティンの言語行為論

    【ヨーロッパの自意識と不安】檜垣立哉
    ベンヤミン「暴力批判論」「複製技術時代における芸術作品」

    【ポストモダン、あるいはポスト構造主義の論理と倫理】千葉雅也
    現代思想=否定神学システム(東)
    思弁的実在論
    フランソワ・ラリュエル
    →非標準哲学=メタ・メタ哲学
    カトリーヌ・マラブー
    →外部なしの内在

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    2022年08月13日
  • 中国哲学史 諸子百家から朱子学、現代の新儒家まで

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    哲学者といえば欧米を思うけれど、孟子、老子、孔子…歴史の長い中国のこれが哲学だったと思い知る。
    例をもとに様々な展開が深すぎず丁度良い。

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    2022年05月01日
  • 全体主義の克服

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    レベルの高い対話が続いて仕事帰りの電車の中では全く頭に入ってこず、、、
    レヴィナスやハイデガーについての知識もないと今一つ面白さが伝わらないです。この時点でハードル高い。。
    ただ現在の全体主義としてSNSを上げている点に関してはなるほどな、というかそういう考え方もあるのかと。

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    2021年05月19日
  • 世界哲学史 別巻

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    昨年の前半は、「世界哲学史」が月1冊出るので、読まないと次がまたくるという強迫観念があった。というわけで、せっせと読んでいたのだが、第8巻がでたら、そのプレッシャーはなくなり、昨年末にでた別巻をようやく3月に読んだ。

    前半は、編者による対談での振り返りと編者による追加的な論考。そして、後半は、全8巻のなかで扱えなかったトピックをカバーするという構成。

    もともと20世紀以降の哲学は1冊しか割り当てられていないので、仕方のない面はあるのだが、現象学や実存主義に関する記載はかなり薄い感じがあったのだが、編者はそこは意識しているのだけど、そこはこの別館でもあまり扱われない、というのは、面白いな。(

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    2021年03月10日
  • 全体主義の克服

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    ハイデガーや西田幾多郎のディスられ方が辛辣
    ハイデガーは明らかにナチに加担したが、西田幾多郎の真意は違ったのではないか?

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    2021年01月30日
  • 世界哲学史 別巻

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    世界哲学史全8巻が好評だったそうなので、編者のお一人である伊藤先生の発案により、別巻発刊となったそうだ。ただ、伊藤先生がご病気ということになってしまい、本巻の座談会は残りの3名の編者による鼎談となっている。その他、16編の論考を収録。うち13編は「Ⅱ.世界哲学史のさらなる論点」でさまざまな論点が提示されている。個人的には頼住先生の「道元の哲学」や岡田先生の「イタリアの現代哲学」、乗松先生の「ロシアの現代哲学」、そして神島先生の「正義論の哲学」などが興味深かった。もちろん短い論考が多いので、隔靴掻痒というか食い足りないというか、そういう部分も多いのだが。それは参考文献を読んでねということなのだろ

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    2021年01月05日
  • 全体主義の克服

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    全体主義について主に対話されているのは第3章まで。全体主義のタイトルに引かれて購入したがやや肩透かし。

    第4章以降は全体主義を克服する為の哲学である「新実在論」について対話されているのだが、マルクス・ガブリエル氏の著作を初めて読む事もあり、正直余り理解出来なかった。

    どちらかと言うとやや感情に走る所があるガブリエル氏より、対話相手である中島氏の冷静な受け答えと専門とする東洋哲学に関心が湧いた。

    喜久屋書店阿倍野店にて購入。

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    2020年11月28日
  • 世界哲学史2 ──古代II 世界哲学の成立と展開

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    “世界哲学”というくらいなので、東洋や中東の思想にも触れている。マニ教についてあまり学んだことがなかったので、そこは読んでいて面白かった。

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    2020年08月13日
  • 世界哲学史7 ──近代II 自由と歴史的発展

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    全8巻の「世界哲学史」も第7巻に到達し、時代は、主として19世紀。

    第7巻から引き続いて、経済社会の中心は、まさに西欧+アメリカ中心で、それは哲学の分野でも同じなのかな?

    「近代」(=modern)という時代が、まさに「欧米」の時代なのだということをあらためて確認した感じ。

    19世紀の哲学ともなると、どこかで読んだことのあるような話が増えてくる。
    ・まずは、前巻でもでてきたカントを起点として、フィヒテ、ヘーゲルというドイツ観念論の展開。そして、それへの批判としてのヘーゲル左派からマルクスという流れ。
    ・理性中心の哲学に対する批判として、「生」を重視するショペンハウアーやニーチェ。
    ・進化

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    2020年07月13日
  • 世界哲学史5 ──中世III バロックの哲学

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    タイトルは、中世ということになっているのだけど、「バロックの哲学」というサブタイトルにあるように、西欧だと、いわゆるルネサンス〜バロック、フーコーなら「古典時代」とでもいいそうな時代の話になっている。日本だと江戸時代の儒学の話とかでてきて、いわゆる「中世」というより、「近世」という時代区分の話かな?

    西欧哲学では、ついに(?)デカルトがでてきて、スピノザ、ライプニッツと続いて行く。神学なのか、哲学なのかよくわからない「スコラ哲学」が、いわゆる近代的な「哲学」に転換する時期と常識的には思うのだけど、ここでは、デカルトも「スコラ哲学」的な発展の連続性のなかででてきて、この辺にこのシリーズのスタン

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    2020年06月11日
  • 世界哲学史4 ──中世II 個人の覚醒

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    全8巻の世界哲学史も第4巻と半分までやってきた。時代的には13世紀あたり。

    第4巻の編者の山内さんは、都市の発達にともない個人の覚醒が世界同時多発的に生じ、哲学でもそういう傾向が生まれた、とする。

    なるほど、面白い視点だな〜と思いつつも、章ごとの記述は、かならずしも「個人の覚醒」という感じでもないのかな〜、テーマごとの総括的な記述が中心で、今ひとつ、しっくりこなかったかな?

    さて、13世紀になると、いよいよ西欧が世界の中心として浮上してくる感じがあって、哲学思想も西欧が最先端として勢いがでてくるという印象。

    むしろ第2〜3巻くらいのほうが、文明ごとの哲学の差と交流みたいなのが描かれてい

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    2020年04月13日
  • 悪の哲学 ──中国哲学の想像力

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    中国の思想哲学では悪に関しての考察が薄いという批判があるがそんなことはないという話。
    朱子学や陽明学、遡って老子や孔子、荘子、孟子、荀子がいかに人間の善悪を扱ってきたか。善悪という観点から読み返すとそれぞれの哲学の展開の仕方の違いがまたわかって勉強になる。

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    2018年08月19日
  • 哲学

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    [ 内容 ]
    哲学のフロントは、哲学が哲学ではないものと向かい合うその境界にある。
    哲学ではないものとは、科学でもあるだろうし、宗教でもあるだろう。
    しかし、哲学がもっとも鋭く対立するものは、一見すると哲学にみえる準‐哲学である。
    準‐哲学としてのアジア思想の側から、哲学とそのアクチュアリティを問い直す。

    [ 目次 ]
    1 哲学はどのように生まれたのか(哲学の始まり;中国哲学の始まり)
    2 哲学と翻訳そして救済―哲学を学ぶ意味とは何か(翻訳の哲学;翻訳という概念 ほか)
    3 哲学と政治―哲学は社会の役に立つのか(近代東アジアの哲学経験―西田幾多郎と新儒家;西田幾多郎の晩年性 ほか)
    4 哲学

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    2010年06月07日