野口勲のレビュー一覧
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ミトコンドリアについての話
個人的に、ミトコンドリアは、細胞の中で生きる別の生物のような概念で捉えている。このミトコンドリアの作り出すエネルギーを我々は源に活動することができる。
人間は、母親の卵子にあるミトコンドリアが父親の精子にあるミトコンドリアよりも圧倒的に多いので、受精卵のミトコンドリアは、ほぼ母親のミトコンドリアとなる。
よって、人間のエンジンは母から子へ受け継がれていく。
このミトコンドリアが植物にも備わっているのが少し衝撃だった。そうか、植物の活動エネルギーもミトコンドリアが作っている。動植物すべてにミトコンドリアは居る!
ミトコンドリアは細胞一個あたり平均2千個いるらしい、脳、 -
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読みやすさ★★★
学べる★★★★★
紹介したい★★★★★
一気読み★★★
読み返したい★★★★★
誰もが知っているメンデルの法則はここまで面白く広げることができるのか。学校の授業がいかに内容のないものだったかがわかる。
私たちが毎日食べている野菜のタネがこんなことになっていようとは。知らないではすまされない。
採種をやめた農家はF1のタネを毎年買う。規格が整い成長が早いF1は生産性が高く合理的で、種苗業界を瞬く間に席巻した。今やスーパーに並ぶ野菜はほぼF1である。個性のない、自身のタネに生殖力を持たない、野生動物がかじらない、F1。著者はその結果として、蜜蜂の大量失踪や人間の不妊にまで言及し -
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父が肺癌になってから、食品のことが気になり出して相当勉強した。
知れば知るほど、気軽に食べ物を買えなくなるし、知らなきゃ良かったって思うほどのこともザクザク出てくるのだけど、知ってしまえば、知らなかった頃には戻れない。
スーパーに行って食べ物を買っているつもりで、未来の病気を抱き合わせで買わされている現実の中で、何をどう選ぶか。メディアでは取り上げられにくいテーマだから、自分で調べて情報を集めるしかない。
意識するだけでも行動は変わる。
なんせ自分や家族の健康に直結することだから。
この本は、食品業界・農業界のこと、鼎談でわかりやすく書かれている、おすすめの一冊。 -
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最初、手塚治虫との出会いから話から始まるので、「いったい種と何の関係が?」ちょっと面食らうが、手塚治虫の代表作の一つである「火の鳥」に話が至り、そこで著者の意図がはっきりと示される。
「火の鳥」は既に他界して久しい母が、長く病気をしていたせいか普段漫画など読まなかったのに、少しずつ読んでいた。自分も高校生か大学生の頃につられて読み、今でもよく覚えている。一貫して「生命」の尊さと連続性をテーマにした力強く、壮大なストーリー。著者が本書を書いた原点であり、また従って途中で何度も引用されているところが本書は構成としてユニークに思われる。
しかし、日頃から食いしん坊を自認し、自分でよく料理も作り、 -
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人間を生み出すものが人間自身で滅ぼす。
遺伝子組換えが当たり前になってきたり
モンサントの存在だったり
蜜蜂の減少の謎だったり
原因は種から見直す。
F1種と固定種の違いがよくわかりました。なるべく専門の種苗店に行って固定種を選んで自然栽培していますが自家採種に辿り着くまで簡単でないことを実体験ちゅ。
綺麗で揃った野菜を作る周りの人の栽培に疑問を持っていたが種がまず原因なのだなぁということがこれでまずひとつわかりました。
固定種を自然栽培で作った野菜は味が全く違うことを感じていたけど、この本にもちゃんと野口さんが証明されているので自分はこれからも続けていきたいです。
ただやはり、F1種が -
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ネタバレ遺伝子組み換え食品を避けるには
・肉、卵、乳製品を買う際
>遺伝子組み換え飼料を使用していない業者から購入する。
・味噌、豆腐、しょうゆ、納豆、なたね油を買う際
>遺伝子組み換えでないと記載している物を買う。
・食品添加物に対して
>とにかく食品添加物をできるだけ避ける。なかでも、コーン、大豆由来のものは要注意。
>特に、果糖ぶどう糖液糖、植物油脂、コーンスターチ、でんぷん、異性化糖、乳化剤、たん白加水分解物、醸造酢、酒精、アミノ酸、ビタミンB2、着色料、保存料をなるべく避ける。
・外食をするとき
>ファストフード、大型チェーンのレストランを避ける。 -
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毎日自分の食するものがどのように生産されて加工されているのか、その真実を知ることができる。食は大切だ。食こそが人の幸福を左右すると、そう言ってしまって差し支えないと私は思う。信ずべからざるものに信を寄せ続けるのは怠惰の為せる業であり、信ずべきか否かをしっかり判定する労を現代人は取る必要に迫られている。それは何も食に限ったことではない。身の回りのあらゆるものが分業化されその過程が見えにくくなっている現代、便利になった反面で我々にはその努めが課されていると言えるだろう。つまりは知識が求められているのである。疑い出せばきりがないが、確信には至らずとも、一つ知ることは間違いなくその一歩を進める推進力と
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ネタバレ男性の精子減少の原因は「タネ」にあり?
タネには「固定種」と、「F1種」がある。
固定種とは、地域で何世代にも渡って育てられ、自家採種を繰り返すことによってその土地の環境に適応するよう遺伝的に安定していった品種。昭和30~40年代ごろまで伝統的に使われていた。味がよいが、サイズや生育速度にばらつきがある。
F1種(first filial generation)とは一代雑種、または交配種とも呼ばれ、異なる性質のタネを人工的に掛け合わせて作った雑種の一代目。味は固定種より落ちるが、生育が早く、収穫後の日持ちがする。サイズの揃いがよい。
戦後から高度成長期にかけて食糧事情を改善するため、よ -
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ネタバレつい最近、有機農法というものの実態の一つには、字面から直感するものだけではなく、法律のスキマをつくようなものがあると知った。農薬的な働きをする薬剤を使用しているが、その薬剤は農薬として認定されていないので無農薬農法、みたいな。
『菌類が世界を救う』によれば、植物は菌類と相互依存の関係にあり、なかには先行投資ともいえる菌類の奉仕によって成長する植物もあるという。生命の本能的利己主義とは相容れない観測結果について、その意味するところを完全には把握できていないという。
遺伝子組換え操作は、植物と菌類の共生に似たようなやり方で行うと、本書からは読めた。F1と遺伝子組み換えの差異はどこにあるのだろう。