野口勲のレビュー一覧
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企業の戦略として一台限りのF1を作ったり、品種改良をしていくのは仕方ないと思うが、長期的に見た食の安全、人の健康、子孫の繁栄はやはり真剣に議論して、やって良いこと、ダメなことは基準決めていくべきだと感じた。でも、ルールで縛るって結局イタチごっこなのよね。
全てをビジネス的な視点で解決するのはよくないですね。こういう物事の進め方は難しいなーとつくづく思う。何を変えればいいのだろう?
少なくとも自然のアラートはちゃんと調べるべきかなと。鉢が大量にいなくなるやつ。
効率化を追求しない生き方、ビジネスの考え方ができればいいのに。
やっぱ人間教育かな〜 -
Posted by ブクログ
筆者の野口さんはマンガの編集者を経てタネ屋さんになった変わり種の人。
実家がタネ屋さんだったのだが、その編集者というのも手塚治虫さんの漫画を手がけ、もっとも手塚治虫さんに信頼されていた方らしい。
その方の書かれた本だが、実に生命の源となるタネについて詳しく、やさしく、そして問題を定義されていて、これからの地球の未来をも心配されているのが伝わってくる。
いま私たちがDIYなどで手に入れているタネはほぼ全てが雄性不稔のF1品種が売られている。
F1というものがどんなものかを知れば知るほどこれからの植物やいま食べている私たち人間がとんでもない方向に進みつつあるのではないかと心配になってくる。
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Posted by ブクログ
固定種の種を扱っている種屋さんによる、F1種への警鐘、的本で、タイトルもそうなのですが、この著者の野口さんは種屋に生まれながら、虫プロに進んで手塚治虫に師事、というか、社員でありながら手塚番編集者、という立場を過ごし、「火の鳥」の担当をします。そこら辺の前提をもとにした、生命賛歌の話であって、「危ない」的に読むんじゃあ、もったいない、と思います。F1を全否定すると現状ではほとんど食べるものがなくなってしまい、遡れば野菜も外来が多かったりするけれど、でも知っているか知らないかでは大違いで、ある種の生殺与奪権といってもいいようなものを、食べる人も作る人も持っていない、という大変な気持ち悪さを持って
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルの通り、タネは現在危ない状態にある。
不自然な交配をして作られるF1種、遺伝子組換をされた種。
昔から受け継がれている在来種(固定種)の存在が、そういったものに脅かされているといっても過言ではない。
利便性や利益だけのために、「食」すらないがしろにしていいのだろうか。
ある種苗業者は、商品としてF1種を取り扱っているが、自分や家族の分は、固定種を栽培して食べているそうだ。
このことからしてもF1種は恐ろしいものだと考えるべきである。
F1種とは、一代交配種のことで一世代限りであり、雄性不稔を利用して作られたりしている。
雄性不稔というのは、「植物の葯や雄しべが退化し、花粉が機能的に不完 -
Posted by ブクログ
著者は、若い頃は手塚治虫の下で編集者として活躍し、その後実家の種屋を継いで現在に至る経歴の方。
タイトルに惹かれて読んでみたが、勉強になって面白かった。
野菜の種というのは現在、F1と呼ばれる一代限りの種が主流で、市場で流通している作物はこの種で生育されたものがほとんどである。この種の利点は、取れた作物の大きさや形が均一で見栄えが良いことや、生育までの期間が短い、病気に強い等市場が求める大量生産と農家が求める耕地の収穫効率アップに貢献していることなどである。その反面、野菜の持つ味やにおい等「野菜らしさ」にはやや欠けていて、味に個性がないし、一代限りなので、この野菜から取れる種は、次世代には使え