筆者の野口さんはマンガの編集者を経てタネ屋さんになった変わり種の人。
実家がタネ屋さんだったのだが、その編集者というのも手塚治虫さんの漫画を手がけ、もっとも手塚治虫さんに信頼されていた方らしい。
その方の書かれた本だが、実に生命の源となるタネについて詳しく、やさしく、そして問題を定義されていて、こ
...続きを読むれからの地球の未来をも心配されているのが伝わってくる。
いま私たちがDIYなどで手に入れているタネはほぼ全てが雄性不稔のF1品種が売られている。
F1というものがどんなものかを知れば知るほどこれからの植物やいま食べている私たち人間がとんでもない方向に進みつつあるのではないかと心配になってくる。
いま売られているタネは均一な性質を持ったものが育ち、野菜などは大きさも生育も全く同じ性質のものが生まれるように選別され作られたタネが売られていると言う事を、この本を読んではじめて知った。
だから、そんなタネから出来た植物にはタネがまともに採れず、もし育っても買ったタネから出来た植物とは全く違うものが出来るらしい。
簡単な理解だが、タネが出来ない植物を作るためにオカマのタネを作って企業は育て、売っているらしい。
昔のように育てたものから種を採って、それをまた育てるというタネはほとんど流通しなくなっている。野口さんのタネ屋さんは、従来の固定種の種を扱っている(タネが取れる物)。
そういった従来のタネは、大手のタネ屋さんが売っているものと違い、出来上がる野菜などは抜群に美味しいが、それぞれ個性があるためサイズや生育期がバラバラになるため、農家などでは手がかかりすぎて敬遠されている。
確かに私が子どもの頃の野菜はサイズも形も違い、必ず秤が大将の側にあり計っては値段を決められたのを思い出した。
いまのスーパーなどでは全て同じ大きさで同じ形、同じ重さにクローン(クローンではないが)のように同じ野菜が出来るタネが流通しているのだ。
いま、ミツバチがいなくなったり、子どもが生まれなくなっている原因が人間がいま食べているオカマの品種(種子を残せない個体)のせいではないかと?危惧されている。
確実ではないが、それはあり得ないことではないかもしれない。取り込む食品のミトコンドリアが変異していて、種子を残さないものばかりを食べ続けておおよそ20年ぐらいが世界の市場で経っている。
必ずしもそれが原因とは言えないが、危惧も全く的外れではないかもしれない。
今後、同じ性質の植物が病気になったりして、全てが死滅すると言うこともSF的な事ではないかもしれない。
話がそれたが、そういったF1品種でない固定種の種を扱っている野口種苗研究所の種はぜひ自家菜園などやられる方や、地域の農産品をしっかりと作られる農家で作り続けてもらえたらと思った。
そして、私たちは食べ物に対して危機感を持たないと大変な事になる人思う。モンサントなど恐ろしい種が(遺伝子組み換えの種など)これに加わったら、さらなる危機が未来に待っているのではないかと危惧します。