あらすじ
手塚治虫『火の鳥』初代編集者となり、我が国で唯一、固定種タネを扱う専門店三代目主人が、日本農業を席巻するF1(一代雑種)技術が抱えるリスクを指摘、自家採種をし、伝統野菜を守り育てる大切さを訴える。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ミトコンドリアについての話
個人的に、ミトコンドリアは、細胞の中で生きる別の生物のような概念で捉えている。このミトコンドリアの作り出すエネルギーを我々は源に活動することができる。
人間は、母親の卵子にあるミトコンドリアが父親の精子にあるミトコンドリアよりも圧倒的に多いので、受精卵のミトコンドリアは、ほぼ母親のミトコンドリアとなる。
よって、人間のエンジンは母から子へ受け継がれていく。
このミトコンドリアが植物にも備わっているのが少し衝撃だった。そうか、植物の活動エネルギーもミトコンドリアが作っている。動植物すべてにミトコンドリアは居る!
ミトコンドリアは細胞一個あたり平均2千個いるらしい、脳、肝臓、筋肉には、多くいるようで約3千個いるんだと・・・。
受精時、卵子のミトコンドリアは、10万個、精子のミトコンドリアは、100個。
しかも、受精後に精子のミトコンドリアは分解されてしまうのだそう。
話が脱線しちゃったけど、タネの話を、ミトコンドリアにまで発展できるという意味で、非常に気づきの多い本でした。
Posted by ブクログ
F1だから悪いとは言っていない。固定種も守っていこう。
ぼくは野口種苗でどんどん種を買い、育て、種を取り、もう野口種苗で種を買わないようにしようと思う。(嫌味ではなくそれが野口さんの希望なのだ)
Posted by ブクログ
読みやすさ★★★
学べる★★★★★
紹介したい★★★★★
一気読み★★★
読み返したい★★★★★
誰もが知っているメンデルの法則はここまで面白く広げることができるのか。学校の授業がいかに内容のないものだったかがわかる。
私たちが毎日食べている野菜のタネがこんなことになっていようとは。知らないではすまされない。
採種をやめた農家はF1のタネを毎年買う。規格が整い成長が早いF1は生産性が高く合理的で、種苗業界を瞬く間に席巻した。今やスーパーに並ぶ野菜はほぼF1である。個性のない、自身のタネに生殖力を持たない、野生動物がかじらない、F1。著者はその結果として、蜜蜂の大量失踪や人間の不妊にまで言及しているが、一理あるのではないか。食べ物が私たちの体を作っているのだから。
生命の力強さ、栽培の魅力、生命倫理、人間のご都合主義、種苗業界の歴史と今。なんとも読み応えのある一冊。
目先の利益に走る人間のツケを払わされるのは子供たちだ。人間はいつまで愚かなのか。
Posted by ブクログ
いつかは家庭菜園をやりたいと思っていたけど、やるならば固定種にしようと思う。タネが世界を制すとは聞いたことはあったけれど、深く考えたことはなかった。本当に人間は自然界を操作しすぎているな。。そのしっぺ返しはいつ来るんだろう⁇と思いました。読んでよかった本。
Posted by ブクログ
最初、手塚治虫との出会いから話から始まるので、「いったい種と何の関係が?」ちょっと面食らうが、手塚治虫の代表作の一つである「火の鳥」に話が至り、そこで著者の意図がはっきりと示される。
「火の鳥」は既に他界して久しい母が、長く病気をしていたせいか普段漫画など読まなかったのに、少しずつ読んでいた。自分も高校生か大学生の頃につられて読み、今でもよく覚えている。一貫して「生命」の尊さと連続性をテーマにした力強く、壮大なストーリー。著者が本書を書いた原点であり、また従って途中で何度も引用されているところが本書は構成としてユニークに思われる。
しかし、日頃から食いしん坊を自認し、自分でよく料理も作り、食材へのこだわりはそこそこ持っているつもりでいたが、読後、いかに自分の認識が上っ面だったか、ちょっと愕然とする思いがした。
本書では、世界中で今、作物の種苗について何が起きているかを、丁寧に手際よく解説している。しかし、内容は安易にすいすいとは読み通せないほど深刻だ。著者は「タネ」を生業とするプロとしての立場として、本当はもっと怒りをぶつけたいのではないか、ぶつけてもいいのでは?とも思ったりもするのだが、決してヒステリックにも攻撃的にもならず、しかし、ただ悲しんだり嘆くだけでもなく、静かに事実を虚飾なく伝えようとする姿勢を貫いている。
2011年の発刊であり、その後本書に書かれている状況がどう変わっているか、しっかりとチェックしてみないといけないと思うが、おそらく全体としてはさらにまずい方向に進んでいるのは間違いないだろう。ただ、その一方できっと小さいながらも、個別によい方向に進む動きも確実に起きている、そんな気がする。
少なくとも自分の健康と食べ物に多少でも関心があるならば一読すべき書だと思う。
Posted by ブクログ
人間を生み出すものが人間自身で滅ぼす。
遺伝子組換えが当たり前になってきたり
モンサントの存在だったり
蜜蜂の減少の謎だったり
原因は種から見直す。
F1種と固定種の違いがよくわかりました。なるべく専門の種苗店に行って固定種を選んで自然栽培していますが自家採種に辿り着くまで簡単でないことを実体験ちゅ。
綺麗で揃った野菜を作る周りの人の栽培に疑問を持っていたが種がまず原因なのだなぁということがこれでまずひとつわかりました。
固定種を自然栽培で作った野菜は味が全く違うことを感じていたけど、この本にもちゃんと野口さんが証明されているので自分はこれからも続けていきたいです。
ただやはり、F1種が主流な時代だけに固定種を揃えるのは難しい。まともな種が無いってどういうことなのか? もっと知ってもらう必要がある、ということ、
不揃いでもいいじゃないか、まともな野菜を食物を作りたい、本当の味のある野菜を知ってもらいたい、作ってほしいと強く思いました。
野口種苗店の存在は大きい。
私がよく利用している江戸時代から続く
赤松種苗店も固定種を取り扱っている。
こういう種苗店を大事にしたい。
Posted by ブクログ
食に関する本を読んできた中で、一番ぞっとした。「雄性不稔とミツバチの因果関係」がもし証明されたとして、人間にも影響が出てくるまで何年ほどか。「もしハチが地球上からいなくなると、人間は四年以上生きられない」「土壌細菌に移ったターミネーター遺伝子は、ありとあらゆる種子植物にとりつき、自殺花粉を世界中に撒き散らしてしまうだろう」私達の、生命の根幹である食とタネについて、もっと考えなければならないと切に感じた。
Posted by ブクログ
衝撃です。
生命をつないでいくことができず、世界が滅びゆく可能性すら感じさせるタネを取り巻く状況に、危機感を感じずにはいられません。
私は家庭菜園をしていますが、固定種を蒔いて、採種をし続けて行こうと誓いました。
Posted by ブクログ
すっごくおもしろい本だった!
ホームセンターで売られている野菜のタネのほとんどが、そのまま育てても種が出来ないものだとは知らなかった!
大量出荷されている野菜のほとんども、雄しべが退化して種が取れないので、今農家は自家採取せずに毎年タネ屋からタネを買うのが当たり前なんだとか。
日本で流通している野菜なら遺伝子組み換え作物もないから安全、と思っていたら、知らないうちにすごく不自然なものを口にしていたんだなぁと知って驚いた。自家採取できる固定種で家庭菜園して、ホントにおいしい野菜っていうのを食べてみたくなりました。
Posted by ブクログ
麦と豆のタネを買おうとネットで検索し、たまたま行き着いたのが野口氏のタネ屋さんだった。この本を読むまで、全く何も知らず、何も考えず、普通にホームセンターでタネを買っていた。日本のタネの多くがF1種であること、それが生産性、経済性優先で、必ずしも美味しい野菜ができるわけではないことにおどろいた。地球の将来に悪影響をおよぼす可能性のある植物の改変が急速に、そして一般市民にあまり知られることなく大手バイオ企業によって進められている事実はさながらSFの世界。この本は全ての地球人が読むべき。
Posted by ブクログ
男性の精子減少の原因は「タネ」にあり?
タネには「固定種」と、「F1種」がある。
固定種とは、地域で何世代にも渡って育てられ、自家採種を繰り返すことによってその土地の環境に適応するよう遺伝的に安定していった品種。昭和30~40年代ごろまで伝統的に使われていた。味がよいが、サイズや生育速度にばらつきがある。
F1種(first filial generation)とは一代雑種、または交配種とも呼ばれ、異なる性質のタネを人工的に掛け合わせて作った雑種の一代目。味は固定種より落ちるが、生育が早く、収穫後の日持ちがする。サイズの揃いがよい。
戦後から高度成長期にかけて食糧事情を改善するため、より多く、より早く、均一な作物(ばらばらのサイズだと量り売りせざるを得ず手間がかかる。均一な大きさだと一本単位で販売できる)に対するニーズが高まったため固定種からF1種へのシフトが起こった。現在世の中に流通している野菜や花の種のほとんどがF1種である。
さて、ここから本題だが、そのF1種の作り方に問題があると著者はいう。
F1種は「雑種強勢」を利用しているので、自家受粉しないようにする必要がある。昔は雄しべを一つ一つ摘み取っていたのだが、手間がかかり過ぎるため、現在では花粉を持たない「雄性不稔」のものを見つけ、それをかけあわせに使っているのだ。この雄性不稔が曲者で、人間で言ったら精子がないことに相当するのだ。
これは科学的に立証された話ではないので仮説の域は出ないのだが(本人も仮説だといっている)、潜在的リスクを意識する上で傾聴に値する話だと思う。
つまり、こういうことだ。
1940年代には精子1ccあたり1億5千万の精子がいたという。それが今、平均値は4千万以下で約4分の1に減少した。さらに、成人男性の2割が不妊症といわれるレベルの2千万以下だという。
1940年代以降、固定種に代わってF1種が市場に流通するようになった。いまでは人間が摂取する食物がほとんどF1種のものになった。F1種は雄性不稔性をもつ。雄性不稔性の食物を大量摂取することで人間の精子減少に影響を与えているのではないか。
これに対する遺伝子組み換え産業や分子生物学者のいう反論はこうだ。
「人間が食べたものはすべて体の中で胃から小腸へ行って、低分子のアミノ酸に分解され、それが血管を通じ全身の細胞に再分配されて高分子のたんぱく質に組み立てられる。だから、遺伝子組み換えされた植物を食べても、消化吸収されて血液を通って全細胞に向かう。遺伝子もみんな高分子のたんぱく質だから、低分子のアミノ酸に分解されてしまえば消滅してしまう。低分子のアミノ酸は細胞の中のDNAやRNAで高分子のたんぱく質に組み立てられる。だから遺伝子組み換えされた野菜を食べても、人間の細胞や遺伝子が異常になるようなことはない。」
これはDNA研究の第一人者、フランシス・クリックのセントラルドグマで分子生物学の基本原則である。高分子の遺伝子やたんぱく質を食べても、それがそのまま人間の体や動物に作用するわけがないという考え方である。
ところが、その節はBSE(狂牛病)の発生によって崩れた。BSEはプリオンと呼ばれるたんぱく質で構成された物質が原因という見方が主流になっている。アミノ酸にまで分解されるのであれば、狂牛病の牛肉を食べてもまったく害はないはずだが、現実に人間が感染してしまった。もちろん、BSEがどのような経緯で人間に感染したのか諸説さまざまあるが、遺伝子の動き、人間が吸収する食べ物がもたらす影響はなお分からないことだらけなのである。
だからといって、安全な固定種だけにせよ、といっているわけでもない。固定種だけでは膨大な人口を抱える人類の食料需給を満たすことはできないからだ。著者はせめて自家菜園くらいは固定種をつかったらどうかと提案している。F1種の内在しているリスクを知った上で、これからの「タネ」のあり方を考える必要があるのだろうと思う。
Posted by ブクログ
F1品種をミツバチ絶滅や精子減少に繋げたのがユニークな視点で良かった
その理由としてBSEのようにタンパク質が接種者に影響を及ぼすケースもあるという説明も筋が通ってる異様に思えた
固定種のポジショントークのようにも思えるが面白かった
Posted by ブクログ
つい最近、有機農法というものの実態の一つには、字面から直感するものだけではなく、法律のスキマをつくようなものがあると知った。農薬的な働きをする薬剤を使用しているが、その薬剤は農薬として認定されていないので無農薬農法、みたいな。
『菌類が世界を救う』によれば、植物は菌類と相互依存の関係にあり、なかには先行投資ともいえる菌類の奉仕によって成長する植物もあるという。生命の本能的利己主義とは相容れない観測結果について、その意味するところを完全には把握できていないという。
遺伝子組換え操作は、植物と菌類の共生に似たようなやり方で行うと、本書からは読めた。F1と遺伝子組み換えの差異はどこにあるのだろう。
世界には問題が多すぎて、考えるのも嫌になる。だとしても、知ることは面白い。
本書に対する星4の評価は、本書の内容を正しく咀嚼できない読み手の知識不足に起因する。誤解、読み間違いもきっとある。
Posted by ブクログ
種をとる自然栽培をはじめて、読んでみる。
効率主義の弊害はやまほどある。
私達が一体何をしてきたのか。
f1で畑を二年ほどやってきて、最近自然農業を始めたのだが、全然違う。発芽もまばらだし、種がとにかく貴重なのだ。でも、本来はそうなんだよね。種は命だもの。
私もこの地球の生き物として、生きていくこと。
命を繋いでいくこと。食べること。
手を動かしながら、大地に足を踏みしめて、続けていこうと思う。
Posted by ブクログ
F1の野菜を食べ続けると、どうなるのか。因果関係はわからないけれども、新型コロナなど、今までになかった環境や生態系の脅威など、人間が自然に科学・工学的な視点を持ち込んだからなのか…と思わずにはいられない。手塚治虫さんから続く思想と考え方が、内容により深みと重みを与えてくれていると思う。
Posted by ブクログ
企業の戦略として一台限りのF1を作ったり、品種改良をしていくのは仕方ないと思うが、長期的に見た食の安全、人の健康、子孫の繁栄はやはり真剣に議論して、やって良いこと、ダメなことは基準決めていくべきだと感じた。でも、ルールで縛るって結局イタチごっこなのよね。
全てをビジネス的な視点で解決するのはよくないですね。こういう物事の進め方は難しいなーとつくづく思う。何を変えればいいのだろう?
少なくとも自然のアラートはちゃんと調べるべきかなと。鉢が大量にいなくなるやつ。
効率化を追求しない生き方、ビジネスの考え方ができればいいのに。
やっぱ人間教育かな〜
Posted by ブクログ
この本でF1種や固定種の違いがわかりました。F1種などは現在の食糧事情を考えるとなくてはならないものかもしれないが、次世代を残せない種というものを食べることは、何か生命力を失ったものを食べていることのようで怖い。家庭菜園で安心・安全な野菜を食べたいと思うなら固定種を利用し、自家採種するのが良いのかなと思いました。
Posted by ブクログ
筆者の野口さんはマンガの編集者を経てタネ屋さんになった変わり種の人。
実家がタネ屋さんだったのだが、その編集者というのも手塚治虫さんの漫画を手がけ、もっとも手塚治虫さんに信頼されていた方らしい。
その方の書かれた本だが、実に生命の源となるタネについて詳しく、やさしく、そして問題を定義されていて、これからの地球の未来をも心配されているのが伝わってくる。
いま私たちがDIYなどで手に入れているタネはほぼ全てが雄性不稔のF1品種が売られている。
F1というものがどんなものかを知れば知るほどこれからの植物やいま食べている私たち人間がとんでもない方向に進みつつあるのではないかと心配になってくる。
いま売られているタネは均一な性質を持ったものが育ち、野菜などは大きさも生育も全く同じ性質のものが生まれるように選別され作られたタネが売られていると言う事を、この本を読んではじめて知った。
だから、そんなタネから出来た植物にはタネがまともに採れず、もし育っても買ったタネから出来た植物とは全く違うものが出来るらしい。
簡単な理解だが、タネが出来ない植物を作るためにオカマのタネを作って企業は育て、売っているらしい。
昔のように育てたものから種を採って、それをまた育てるというタネはほとんど流通しなくなっている。野口さんのタネ屋さんは、従来の固定種の種を扱っている(タネが取れる物)。
そういった従来のタネは、大手のタネ屋さんが売っているものと違い、出来上がる野菜などは抜群に美味しいが、それぞれ個性があるためサイズや生育期がバラバラになるため、農家などでは手がかかりすぎて敬遠されている。
確かに私が子どもの頃の野菜はサイズも形も違い、必ず秤が大将の側にあり計っては値段を決められたのを思い出した。
いまのスーパーなどでは全て同じ大きさで同じ形、同じ重さにクローン(クローンではないが)のように同じ野菜が出来るタネが流通しているのだ。
いま、ミツバチがいなくなったり、子どもが生まれなくなっている原因が人間がいま食べているオカマの品種(種子を残せない個体)のせいではないかと?危惧されている。
確実ではないが、それはあり得ないことではないかもしれない。取り込む食品のミトコンドリアが変異していて、種子を残さないものばかりを食べ続けておおよそ20年ぐらいが世界の市場で経っている。
必ずしもそれが原因とは言えないが、危惧も全く的外れではないかもしれない。
今後、同じ性質の植物が病気になったりして、全てが死滅すると言うこともSF的な事ではないかもしれない。
話がそれたが、そういったF1品種でない固定種の種を扱っている野口種苗研究所の種はぜひ自家菜園などやられる方や、地域の農産品をしっかりと作られる農家で作り続けてもらえたらと思った。
そして、私たちは食べ物に対して危機感を持たないと大変な事になる人思う。モンサントなど恐ろしい種が(遺伝子組み換えの種など)これに加わったら、さらなる危機が未来に待っているのではないかと危惧します。
Posted by ブクログ
固定種の種を扱っている種屋さんによる、F1種への警鐘、的本で、タイトルもそうなのですが、この著者の野口さんは種屋に生まれながら、虫プロに進んで手塚治虫に師事、というか、社員でありながら手塚番編集者、という立場を過ごし、「火の鳥」の担当をします。そこら辺の前提をもとにした、生命賛歌の話であって、「危ない」的に読むんじゃあ、もったいない、と思います。F1を全否定すると現状ではほとんど食べるものがなくなってしまい、遡れば野菜も外来が多かったりするけれど、でも知っているか知らないかでは大違いで、ある種の生殺与奪権といってもいいようなものを、食べる人も作る人も持っていない、という大変な気持ち悪さを持って、さあ「火の鳥」再読しよう。
Posted by ブクログ
雄性不稔のこと、F1品種の問題点。
学ぶ事がいろいろありました。
種屋といえどもさまざまなことを勉強していて、
あーなるほど。となんども納得させられました。
ただ固定種を礼賛するだけでなく、
F1の重要性もといておりそこは賛同できる。
結局は消費者が何を選ぶか、その1点かなーと。
あとはこっちがどれだけ情報提供できるか。
根本的に知らない人が多すぎるんじゃないかと思うわけです。
Posted by ブクログ
形や大きさが流通に便利になったけど、まずい野菜や果物を食べている。
今年できた種を蒔いても、来年同じ野菜ができない種。
同じ野菜をつくるには、タネ屋から種を買わなければいけない。
Posted by ブクログ
敢えて
社会評論にしたい!
ただ
「おいしいもの」を食べていることが
「是」とされる現代だからこそ
全ての人に届けたい
その根本に存在する「危ないタネ」の事を
こうして 発信しておられることの意義を感じる
「形のそろった野菜」
「突然変異の個体」
「雄性不稔」
「子孫を残せない」
「ミトコンドリア異常」
これらが
全て
一粒の「タネ」から
始まっている
Posted by ブクログ
久米宏のラジオなんですけどで知る。◆◆野菜が、消費者向けより自家用の方が美味しいと言われていた根拠が分った。在来種の昔は採種用、自家用、販売用だったのだ。今はどうなのか。◆◆また早生が美味しくなかったのも、昔の種は今一だったからとか。◆◆F1について、外食産業は味は後から何とかするから、同じ形のものをというリクエストだったのか。◆◆野沢菜=天王寺蕪も知らなかった。◆◆在来種は残さねばならないね。◆◆ミツバチが居なくなる病気が、種無しのせいと言うのはどうなんだろうか。◆ただ、タンパク質を食べて、遺伝子云々の
Posted by ブクログ
タイトルの通り、タネは現在危ない状態にある。
不自然な交配をして作られるF1種、遺伝子組換をされた種。
昔から受け継がれている在来種(固定種)の存在が、そういったものに脅かされているといっても過言ではない。
利便性や利益だけのために、「食」すらないがしろにしていいのだろうか。
ある種苗業者は、商品としてF1種を取り扱っているが、自分や家族の分は、固定種を栽培して食べているそうだ。
このことからしてもF1種は恐ろしいものだと考えるべきである。
F1種とは、一代交配種のことで一世代限りであり、雄性不稔を利用して作られたりしている。
雄性不稔というのは、「植物の葯や雄しべが退化し、花粉が機能的に不完全になること」であり、「動物に当てはめれば、男性原因の不妊症」だという。
そのようなものが人間に良い影響を与える訳がない。
人の不妊症の原因になっている可能性だってある。
また、F1種がどのように作られているかを知るにつけ愕然とした。
遺伝子組換種については、現在日本で出回っていないがその日が近いうちに来るかもしれない著者は警鐘を鳴らしている。
F1種というものがどういうものなのか、とてもよくわかった。
ただ、前半部分の著者の自慢のような、本題から少し逸れた話題が余計だった。
Posted by ブクログ
何億年、何千万年と続いてきた植物(特に野菜)の営みが今このような状況にあるとは知りませんでした。経済優先、人間のワガママの結果とはいえ恐ろしく感じます。ミツバチのイナイイナイ病を取り上げ、人類への警鐘を鳴らしています。毎日口にするものであり、もっと真剣に考えなければいけないでしょう。
Posted by ブクログ
著者は、若い頃は手塚治虫の下で編集者として活躍し、その後実家の種屋を継いで現在に至る経歴の方。
タイトルに惹かれて読んでみたが、勉強になって面白かった。
野菜の種というのは現在、F1と呼ばれる一代限りの種が主流で、市場で流通している作物はこの種で生育されたものがほとんどである。この種の利点は、取れた作物の大きさや形が均一で見栄えが良いことや、生育までの期間が短い、病気に強い等市場が求める大量生産と農家が求める耕地の収穫効率アップに貢献していることなどである。その反面、野菜の持つ味やにおい等「野菜らしさ」にはやや欠けていて、味に個性がないし、一代限りなので、この野菜から取れる種は、次世代には使えない。或いは実を結ばないなどの欠点もある。
著者は、小規模な種屋として、従来型の固定種を販売しているが、美味いけれど形も大きさも不揃いな固定種は、市場からは少なくなっているのが現状である。(それがタイトルにもなっている)今一度、この在来型固定種で作られた野菜を見直して欲しいというのは著者の願いでもある。(手塚漫画のポリシーを各所に引用)
内容はエッセイ風で著者の経験と主張がとても判り易い。
昔は果物の種を取って育てたりしたが、現代の市場の野菜が一代限りのタネ作られているということは知らなかった。都市に住んでいると、値段の高い野菜=美味い野菜というイメージがあるが、供給側に立つと均一で味がそこそこで見栄えが良い=値段が高い野菜であって、美味い野菜なのに見栄えの良くない野菜は、出荷されず地元で消費されているらしい。固定種は世代を経る毎にその土地に馴染んだ美味い野菜になる。そこで著者は、何代でもタネが取れる固定種こそが、自家菜園に向くと考えてこれを推奨している。
マンガ「美味しんぼ」の山岡さんが、美味い野菜を求めて、田舎の産地を巡るのはその辺の事情をよく知っているのかもね。