多田将のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
こんなに平易な文章でど素人に分からせるのはある種の能力、しかも見た目はお世辞にも?という人材が然るべき馬を与えられて活躍できるならまだ日本も捨てたもんではないという気がするくらい。
ニュートリノ研究の意義がよく分かりました、これがどう世に役に立つのかなどプラグマティックに考えてはいけません、どこかの党首と同じ発想ですから。真面目に愉しむためには金がいるんです、それを惜しんではいけないということ。
でもやっぱりこの世界も最終的には数学の世界は理論・実験いずれに携わろうとも必要なのね、知らないフリをしてましたが改めて駄目押しを喰らいました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ核融合
高温にして電子が取れてプラズマに。
1億℃くらいに高温にして運動速度を上げると原子核がくっつく。
核分裂
ガソリンの燃焼の100万倍、TNT爆弾の1000万倍のエネルギー。
中性子を減速材でゆっくりぶつけ不安定にし、分裂させる。
制御棒
中性子を吸収。
消費される中性子=生成する中性子:臨界状態
中性子が増加:超臨界状態。極めて短時間に行うのが核爆弾
ウラン235と原子炉で作られるプルトニウム235のみが制御しやすい実用燃料。
ガンバレル型原爆
砲身状の構造でウラン235のコアどうしを離して詰め、片端の起爆剤でぶつける。反応効率低い、安全性に劣る。広島に投下。
インプロージョ -
Posted by ブクログ
『すごい宇宙講義』が素晴らしく面白かった多田将の新作。幾つかの講演をまとめたもので、極小の素粒子から極大の宇宙に至るまで、科学の最前線に関する話題を相変わらず分かりやすく説明している。ますます冴えわたる比喩が、冴えすぎて脱線気味になるところもご愛敬。修学旅行のスキーとかパーティーでの嫌われ者とか笑ってしまった。
ただし、講演をまとめたもので新書版189ページという薄さなので、『すごい宇宙講義』のダイジェスト版という印象は強い。前半だけなら、前作を読んでいれば、あえて本書を読む必要はないとも思った。しかし後半、特に「第3章 宇宙と物質のQ&A」には、前作で触れられていなかったトピックも出てくるし -
Posted by ブクログ
素粒子物理論を専門とする著者が行った宇宙論についての一般向け講義を書籍に落としたもの。「ブラックホール」、「ビッグバン」、「暗黒物質」、「宇宙創成」の4回の講義から成る。
確かにわかりやすい。ローレンス・クラウス『宇宙が始まる前には何があったのか?』を読んだ後だとかなりすっきりわかった気がする。難易度からすると、読む順が逆かもしれないが。
本書含めて、いくつか最新宇宙論の本を読むと、科学者のひも理論に対する姿勢に大きな温度差があることが感じられた。直接的にそうとは書いていないが、著者の目にはひも理論はまだまだ仮説としても話せる段階にないと判断しているようだ。
ひとまず、この本一冊で今の宇 -
Posted by ブクログ
凄い分かりやすく書いていると思うが、それでも難しい。恐らく、原理や理屈が理解できぬまま、宇宙とはこういうものだ、と飲み込むしかないからだ。それでも十分楽しめるのだが、自分には理解できない領域がある事が少し悔しい。理解できたかは別として、宇宙工学や量子力学を学ぶ人生というのも、憧れる。ちょっとだけ、その願望を叶えてくれる本。
いざ、言葉と論理の迷路へ。
原子は、電子と原子核(陽子と中性子)でできている。従い、人間の体をバラバラにすると、電子と陽子と中性子になる。電子に対して陽電子と言うものがある。電子はマイナスの電気を帯びているが、陽電子はプラスの電気を帯びている。これが電子の反物質。陽子の -
Posted by ブクログ
超兵器というが、別段気を衒ったやばいものではなく、弾道ミサイルとか原潜とか。
もっとも、その巨大さというか、数というか、ある意味気を衒ったといえなくもないソヴィエトの兵器群。
国の崩壊とか予算とかで実現しなかったものもあり、著者の多田先生は、もったいない、残念だというが、完成していれば当然、日本も含めた西側への脅威が増すものではあるのだが、全くそういうことを気にしない兵器マニアの魂が溢れている。
安全、という言葉のないロシアの、疑心暗鬼というか、我々からしたら、相当歪んだ、だけど、否定のできないドクトリンの凄まじさも感じるもので。
イラストが、兵器のイラストが可愛くていいのだった。