多田将のレビュー一覧
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日本の技術の粋を集めた世界最強の加速器J-PARCと、検出器スーパーカミオカンデ。あらゆる実験装置の中でも、もっとも巨大なこれらは、この世界でもっとも小さなもの、素粒子の研究のために造られた。先代のカミオカンデが、超新星のニュートリノの検出に成功して、ノーベル賞を受賞したことは記憶に新しいが、目下行われているニュートリノ振動(ミューニュートリノ、電子ニュートリノ、タウニュートリノが互いに姿を変えること)の検出も、成功の暁には再びノーベル賞ものだろう。湯川秀樹にはじまり、世界の最先端をひた走る日本の素粒子物理学。その最先端の技術と成果は、それ故に、一般に知られるところ少ないが、素粒子とは何か、そ
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最新の宇宙論への、見取り図をつかむことができる。
たいへん分かりやすく、ありがたい。
おかげで、この本の内容の先にある「量子場理論」についても、Chat GPTで学習してしまった。
これから他の本を読んだりする際の、基礎知識を踏まえることができた気がする。
もちろん、正確にではなく、イメージだけだが、素人なのだから、それで充分である。
以下、そのイメージを備忘録。
温度≒粒子のエネルギー(速度)の平均値≒エネルギーの密度
この極限状態が、ビッグバン。
そこは、超高温・超密度・超エネルギー。
物理学での記述が不可能であるかもしれない。
物質(=素粒子)と、エネルギーは、同じもの。 -
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量子と素粒子、ニュートリノって何が違うの?というレベルの私でも非情に良く理解できるような、写真やイラスト付き、分かりやすい解説。多田教授は見た目、ビジュアル系バンドマンのような金髪&長髪なのだが、その人が語る素粒子物理学が面白い。異様な世界観に見えるが、偏見で凝り固まり、世の中が分かっていないのは自分の方だと思い知らされる。
カミオカンデでは、何が行われているのか。ニュートリノの解説をしながら、ガンダムやエバンゲリオンなんかも例えに引き、話は進む。中でも印象的だったのは、著者が、仕事なんて好き嫌いでやっていたら社会が成り立たないから、好きな事を追い求める事は別に肯定しないと言い切る事。だけれ -
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お友達から「とてもわかりやすい本ですよ」と聞いて読んでみました。素粒子物理学の話でしたが,確かに〈たとえ〉がうまくて,しかも話し言葉で書かれているので,これまで読んできた本よりもとっつきやすかったと思います。この文章は,高校生を対象として4回にわたり講演した内容がもとになっているので,それくらいの知識があればなんとか分かるでしょう。
ニュートリノやクオークという粒子(波)の話,カミオカンデやJ-PARCという超大型実験施設の話など,飽きずに教えてくれます。
著者が最後に語った「これらの実験って何の役に立つの?」という問いに関する答えがステキです。
科学の世界っていうのは,まずいきな -
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多田将
ニュートリノ 入門書
ニュートリノ振動理論 を中心として、ニュートリノの性質を わかりやすく説明している。ニュートリノの物理学的な偉業や性質は理解できた
現代社会や産業への功績がなく、未来社会に何をもたらすのか未知数であるなかで、ノーベル賞を受賞していることに、無用の用としてのニュートリノの凄さを感じる
この本では例示されていないが、ニュートリノの使われ方は ガン治療、新エネルギー開発、新たな情報通信網、宇宙移動手段のほか、核兵器を無効化する新兵器の開発とか ではないか?
反物質、対消滅は SF的で面白い〜物質と反物質が対消滅する場合、エネルギー保存法則により 両者のエネルギー -
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素粒子物理学の専門家により、素粒子について、特に素粒子の実験についてわかりやすく説明した本。素人向けの講演で使用した資料が基になっており、わかりやすい。絵も独特で面白い。役立った。
「今、僕がこのようにiphoneを持つことができるのは、僕の手の表面の原子を覆う電子と、このiphoneの表面を覆う電子が、電子同士で反発しあっているからです。もしこの反発しあう力がなければ、僕の手もiphoneも本来はすかすかなので、僕はiphoneを持つことができないのです。世の中の物質がこの形を保っているのは、実は、電子がもつ力、電磁力のおかげなのです」p20
「皆さんが中高生の頃に物理学の授業で力学を学ん