〈どうしてあなたは絶滅を?〉
地球上から絶滅してしまった動物たち。彼らがなぜ絶滅してしまったのか、その理由を解説しています。
監修は『ざんねんないきもの事典』の監修でもある今泉忠明さんが務めています。
冒頭に、絶滅とはなにか?どういう仕組みで起こるのか?ということを説明しています。
絶滅はその種の生き物がいなくなってしまうというネガティブな一面がありつつも、絶滅することで他の生き物が進化し、生き残る機会になるポジティブな一面もあるそうです。例えば、恐竜が絶滅して、哺乳類が栄えていったように。
地球上の生き物は様々な理由で絶滅しているそうです。
理由の第1位:理不尽な環境の変化
理由の第2位:ライバルの出現
理由の第3位:人間のせい
人間ほど他の生き物を絶滅させた生き物はいないそうです。ただその割合は1位と2位と比べると、ずっと少ないんだとか。
本書では様々な生き物の絶滅を取り上げています。
環境の変化についていけなくなった、他の生き物に食べられたり住む場所を奪われたなど様々です。
絶滅した理由として、人間が狩ったり人間が持ち込んだ動物に食べられたりと、人間が理由になった動物が多く取り上げられています。ただ、これはあとがきに書いていますが、人間が記録に残しているからこそ、絶滅の原因が人間だと分かっているのだそうです。記録どころか化石も残っていない動物は数え切れないほどに絶滅しているんだとか。
絶滅には「自然」が関わったものと「人間」が関わったものがあるそうです。
「自然」が関わったものは、前に上げた恐竜と哺乳類の例のようにその後に他の種の生き物が栄えます。
一方で「人間」が関わった絶滅はそれとは異なり、その後に栄える種がいないそうです。
絶滅させた割合が少ないとしても、人間が環境に与えている影響の深刻さを知りました。
それぞれの動物の説明は、絶滅年代、分類、食べ物、大きさと、その生き物の情報も詳しく載っています。
巻末には「絶滅全史」といって、46億年に及ぶ時代の説明があり、それを見ながら動物たちが生きた時代を知ることもできます。
生き物好きな人におすすめの一冊です。
個人的に印象に残った動物
・ギガントピテクス:○○に負けて絶滅
・ユミハシハワイミツスイ:○○が特殊すぎて絶滅
・イクチオステガ:やみくもに○○して絶滅
・ケナガマンモス:雪が降って絶滅(寒さに強そうな毛が生えているのに雪で?と思った方はぜひ本書で確認してください)
【受賞記録】
「第3回 小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」TOP100
「第2回 小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」TOP100