相良守峯のレビュー一覧
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『数学大明神』に『ファウスト』のペンタグランマ(五芒星)の話が出て来たので、どこで出てくるのか確認したくて読んでみました。
この作品の本当の良さをわかろうとしたら1回読んだくらいでは駄目かもしれません。私は1回読んだ所、初めて夏目漱石を読んだ時みたいな気持ちになりました。これが教科書に載る程のものなの?みたいな…。(なので★3つです)
原文は脚韻を踏んでいるので、日本語で読むと訳の分らん所が原作では美しい韻律となって人々の心を打つのだと思います。…つまり、何が言いたいかと言うと、邦訳を読む場合、細かい部分の意味を取ろうとすると先に進めなくなってしまうと思います(少なからず脚韻のために -
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この詩に、とても癒されます。
「花咲く草野に横たわり、疲れきって落ち着きなく眠りを求めている。
妖精の群、優しく小さな姿で、空中に漂い動く。
花、春の雨のごとく、みな人の上に舞い落ち、野に満つる緑の幸
生きとし生ける者の上に輝けば、
姿小さけれど、こころおおいなる妖精たちは、
救うべき人へといそぐなり。
きよらかなるひとにせよ、よこしまなるひとにせよ。
幸なきものを彼らは憐れむなり。
お前たちは、この人の頭を回って空中に漂っているが、
ひとつ、いつもの妖精の流儀でやってくれ。
この人の胸の恐ろしい苦悶をやわらげ
やけつくような厳しい非難の矢を抜き取り
その体験した恐怖から心を救ってや -
Posted by ブクログ
何で?ってくらい最近僕が読む本によく引用されています。
流行ってるのでしょうか?今更?
蟹工船ブームと関係あるんですかね?
ファウスト博士なんてプロレタリアートの対極にいるような人なのに?
まあ、抄訳でしか読んだことがなかったので、改めて読んでみました。
思っていたより読みやすいし、面白い。
私が読んだのは高橋義孝訳なのですが、
太陽は、昔ながらの節で、
兄弟たちの星の群れと歌い競い合い、
その定まった旅の軌道を、雷鳴の歩みで
今日もまた動いて行く。
天使らは太陽の神秘を究むべくもないが、
それを見ただけで勢いづけられる。
不可解で崇高な宇宙の営みは、
天地創造の日と同じに壮麗だ。
とい -
Posted by ブクログ
〜ゲーテ(1749−1832)はこの大作を24歳で書き始め、82歳で書き終え、83歳で没した。詩人の天才を持ってしても完成に殆ど全生涯を要したのである。絶望した大学者ファウストの悲劇とその中から生まれる人類愛という救いを描く、ゲーテの全生涯をかけた大作〜予想していた内容と違っていた。もっとファウストの苦悩が中心かと思えば、一概にそうでも無かった。むしろ個人的には、この作品の主役はメフィストでは無いかと感じた。悪魔なのに、ある意味ファウストよりも人間くさく感じたのは気のせいでしょうか。訳の影響かも知れませんが。いや、この作品において、そもそも主役というくくりで表そうとする事自体が間違いなのかも知