相良守峯のレビュー一覧

  • ファウスト 2

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    この手の、社会の発展や人類の進歩への貢献活動に人生の意義がある、という結論を持っている人は実際多いと思う。年をとって、ああそのとおりだ、と本当に思えるか知りたい。

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    2020年09月19日
  • ファウスト 1

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    あらゆる古典の中に古典として引用されるゲーテ。そのゲーテの『ファウスト』の第1部。

    ゲーテは、20歳から構想を思案し、24歳から書き始めて82歳でこれを完成させた。そして83歳に没した。


    ゲーテは城に住み、緑と静謐に囲まれ閑暇に満たされて、毎日ワインを大量に飲んで執筆していたようだ。


    ところどころで散りばめられている人生の本質が立ち現れてくるような鋭い言葉。
    ゲーテはこの第1部を酷評し、第2部にこそ満足しているという評価のようである。

    第1部のクライマックスは言葉にしにくい、シェイクスピアとはまた一味違った悲劇の深みを感じる。

    第2部が楽しみだ。

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    2019年01月28日
  • ファウスト 1

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    ずっと前に授業で読んだ、クリストファー マーロウ版のDr Faustusより、ゲーテ版ファウストのほうが登場人物たちが生き生きしてて面白かった。特にメフィストフェレスと旅に出てから。なんでもできる、どこへだってゆける、究極の自由。

    下品な悪ふざけも多いけれど、聖書、哲学、伝承、シェイクスピアの引用がたくさんあって、ヨーロッパ文化の豊かさを感じました。当時の(設定は16世紀?なのにゲーテの生きた18、19世紀の慣習が出てきたりして間違ってる、とも書いてあったけど)倫理観も見えたり。

    古本だったので前の持ち主のメモが残ってて、それを読むのも楽しかった。解説じみたことから、ここの表現が綺麗、とか

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    2017年07月15日
  • ファウスト 2

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    ネタバレ

    グレートヘンの悲劇から立ち直ったファウストは、
    美を追究することで、生の意義を把握しようとする。

    しかし、ヘーレナを追うことも悲劇に終わった。

    美の追究ではなく、
    その次に見出した、生の意義に、しびれる。

    ついに、悪魔と交わしたあの言葉を発して、
    ファウストは倒れる。
    「留まれ、お前はいかにも美しい」と。

    賭けにかったと思った悪魔が、
    ファウストの魂を奪おうとすると、
    天使の光がファウストをつつみこむのである。

    最後、ファウストが望んだものには、迫力があった。
    最後だけは一気に読んで、
    感動の美しさに圧倒された。

    たしかに年齢に見合った読み方が出来る一冊であり、
    一読の価値がある。

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    2012年01月07日
  • ファウスト 1

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    ネタバレ

    ゲーテが24歳で書き始め、82歳で書き終えた作品。
    迫力がありますし、
    主人公のファウストと少女グレートヘンとの恋愛は
    美しくせまってきます。

    学問の無力に絶望したファウストは、
    悪魔と契約を結ぶ。

    享楽の世界に堕ちるのか、
    それとも、精神は正しさを失わないのか、
    賭けである。

    神は悪魔の賭けを許した。
    さて、ファウストは。

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    2012年01月07日
  • ファウスト 1

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    風邪で寝込んでいる間に読んでみました。
    さすが世界の名作で、面白いです!

    スピルバーグ監督で誰でも味わえるように
    映画化してほしい作品。

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    2010年09月28日
  • ファウスト 1

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    ファウストのおっさんが意外とスケベ。
    グレートヘンがかわいそうで仕方ないです。メフィストフェレスは萌えキャラだといって憚りません。

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    2010年07月12日
  • ファウスト 1

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    面白い!ツルゲーネフのファウストを読んで以来気になっていたファウスト。読んでみました。面白かった!天界の会話とファウストの思想が面白い。文章が硬くてもぐいぐい読めてしまいます。

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    2010年07月03日
  • ファウスト 1

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    私が「悪魔に魂を売り飛ばした人間」というモチーフを好きになった原因の本。
    とにかく悪魔メフィストフェレスが魅力的。あとどんなに頑張ってもご主人様に満足いただけない不憫な子。彼は今までの物語に出てくる悪魔と違って、複雑な感情を持った存在である。
    彼は彼なりの思想を持ってファウストと向き合い、格闘している。その姿はひどく人間じみている。最後には負けちゃうんだけどね。
    この作品の中で彼は神の「必要悪」でしかないので、あのオチしかなかったのだろう。不憫だ。

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    2009年10月22日
  • ファウスト 2

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    ファウストの第二部。第一部に比べて世界観が広がり、さまざまな場所でさまざまな人種とかかずりあいながらメフィストフェレスのファウストに対する挑戦が繰り広げられる。キリスト教の世界観だけではなく、ギリシャ神話やギリシャの哲人たちも登場し大スペクタクルな作品になっている。全般を通して小説一般よりもずっと神話的な構成になっていて、不思議と本質的な描写につながっていると感じる。トインビーが歴史の研究の中で、ファウストを題材として歴史の「陰→陽」の構図を読み解いているところをみると、さらに深く読み込もうと決意してしまう。しかし文面は簡易でわかりやすいし、話もわかりやすいのでいろんな意味を含めて歴史的にすば

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    2009年10月04日
  • ファウスト 2

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    メフィストフェレスが結構人間的に書かれているのがおもしろい。
    欲の塊が悪魔だとしたら、人間もそうっちゃそうですもんね。

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    2009年10月04日
  • ファウスト 2

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    最愛の人との別れ、人と悪魔の新たな旅の始まり。
    第二部は目まぐるしく移り変わる景色を美しく多彩な表現を用いて我々読者に示す、その事にただただ震えます。一部でもそうだったのですが、ゲーテの文章表現の美しさは素晴らしい。
    二部では色んな人間との出会いがあり、一部の愛を知る事が重視されたのとは異なり一期一会の大切さとおもしろさを描いたのではないだろうかと思いました。一部に比べ実に多くの登場人物がそこにはいます、もちろん人だけではなく、ホムンクルスや怪物、神々の類まで。
    途中からは自分の最愛の人を求めだす形になっていくがそれが最後に実を結ぶかどうかは読んでのお楽しみ。個人的にラストのオチの付け方はちょ

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    2009年10月04日
  • ファウスト 2

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    ストーリーは楽しく読めたが自分にキリスト教や古代神話・伝説の知識が乏しいので註釈を交えつつ読んでもなかなか理解し難いところはかなり多かった。
    本を1冊読むのにも知識や教養が必要なのがよく分かる。

    「時よ留まれ、この瞬間は美しい」のセリフを目に出来たのは感無量。うまく言えないけどストーリーをちゃんと追いながら有名なセリフを己の中でちゃんと回収出来たのは感動した。

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    2025年06月30日
  • ファウスト 2

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    内容を十分に楽しむには、キリスト教やギリシャ神話などに関する予備知識が、それなりに必要となる。
    そのため、せいぜい註しか読まなかった自分が、この本について多くを語ることはできないし、するべきでもない。

    しかし、気に入ったフレーズが一つあったので、初回記念に書き残す。
    「自由も生活も、日毎にこれを闘い取ってこそ、これを享受するに値する人間といえるのだ。」

    彼のいう、有為な年月や美しい瞬間は、私が理想とするものとは異なるかもしれない。
    それでも私は、自分が求めるだけの自由や生活を闘い取らなければならないし、それは、他者との闘いというよりも、むしろ自己との闘いとなるだろう。私は基本的に、他者と争

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    2023年11月10日
  • ファウスト 1

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    ウェルテル。若い男。故郷を離れて暮らしている。ウェルテルは滞在先で、若い女シャルロッテと恋に落ちるが、シャルロッテにはすでに婚約者がいる。ウェルテルの苦悩は絶望へと変わり、自殺に至る▼世の中のいざこざの原因になるのは、奸策(わるだくみ)や悪意よりも、むしろ誤解や怠惰(5/4)。大抵の人間は大部分の時間を生きんがために働いて費やす。そして、わずかばかり残された自由は、それが恐ろしくて、それから逃れるために手段を尽くす(5/17)。文学が作り出す虚構のイメージどおりに序列をつけるなら、ぼくらは最底辺に位置づけられる(10/20)。理性をもつ前か、理性をなくした後でなければ、人間は幸せになれないのだ

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    2025年11月20日
  • ファウスト 2

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    新しいタイプのプロレタリア文学です。無理難題をふっかけて、納得するまで金を払わないわがままなクライアント。それに翻弄されて右往左往する個人事業主。やっと報酬がもらえると思ったら、上から目線で売り上げを搾取していくお上。メフィストフェレスカワイソスと思ったのは、私だけではないはず。

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    2016年08月11日
  • ファウスト 1

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    新しいタイプのプロレタリア文学です。無理難題をふっかけて、納得するまで金を払わないわがままなクライアント。それに翻弄されて右往左往する個人事業主。やっと報酬がもらえると思ったら、上から目線で売り上げを搾取していくお上。メフィストフェレスカワイソスと思ったのは、私だけではないはず。

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    2016年08月11日
  • ファウスト 2

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    ファウスト第二部は、第一部は全然分かりやすかったなーと思うくらい抽象度が上がっている。ファウストとメフィストフェレスの登場シーンはがくんと減って、さまざまな精霊が語る言葉のイメージに人間の悲劇を読み取っていくんだろうけど、雰囲気で読み流す。
    様々な欲望は常に悲劇の道を辿る。真の喜びは人々の喜びのために尽くすこと。
    そして女性性は赦しの象徴なのだろうか。

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    2012年09月04日
  • ファウスト 1

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    世界文学の名作の誉れ高いゲーテのファウスト。戯曲仕立てだから一気に読むのだ。第一部は若返ったファウストの火遊びが起こす悲劇でわかりやすい。

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    2012年09月04日
  • ファウスト 2

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    ネタバレ

    これを読み終わってからずっと後に気づいたことだけども、この小説からの引用とかパロディはなんと多いことか・・・!
    そういう意味で、西洋の古典を読むなら基礎知識としてはずせない小説かもしれません。
    この小説自体を楽しめなくても(名言も多くてメフィストのキャラクターもおもしろいので私自身は楽しめましたが)、「これを知っておけばいろいろおもしろいのが増えるぞ!」と思って我慢して読むのをオススメします。

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    2012年06月30日