中村高康のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
興味深いテーマではあったが、良くも悪くも結局は「東大生」という枠組み(もちろん彼らも皆それぞれ多様な人生を歩んでいるのだが)の中でのディスカッションなのだ、と感じた。しかし、このような学びの機会によって、先ずは自分たちの育ちの環境について思いを馳せることができたのは、学生たちにとってとても有益だったと思うし、書籍化によって、わたしたちも学べるようにしてくれてありがたいと思った。
平等と公正と正義の違いについての話は興味
深かった。
また、「幸福にとって一番大事な資本は、人間同士の絆、いわゆる社会的資本だというのが定説です。学歴や収入より、むしろ困ったときに助けてくれる人、人生を一緒に歩いてくれ -
Posted by ブクログ
構造は非常にわかりやすく、①能力を厳密に測定することは難しい、②身分が属性によって規定されない、オープンな社会では何らか能力により身分の配分をせねばならず、社会的要請として暫定的な能力の尺度を決めねばならない、③上記により、測定される能力には常に反省すべき点が必ず含まれる(メリトクラシーの再帰性)、④情報化社会の中で相対比較を壮大にできるようになったことで、自分の身分を決める能力の尺度の不正確性や相対の可視化により、能力不安に陥る、⑤これらが、より平等で能力を重視する社会では増幅していく。この構造はその通りだが、人権を根本原理とする、現代的な平等社会においては、正確だから決められない、では機能
-
Posted by ブクログ
ネタバレ<目次>
まえがき
第1章 現代は「新しい能力」が求められる時代か?
第2章 能力を測る~未完のプロジェクト
第3章 能力は社会が定義する~能力の社会学・再考
第4章 能力は問われ続ける~メリトクラシーの再帰性
第5章 能力をめぐる社会の変容
第6章 結論:現代の能力論と向き合うために
<内容>
著者は、「新しい学力観」には与していない。というか、「新しい学力観」は「新しくない」ことを証明している。また、「コミュニケーション能力」や「協調性」が公平に測れるはずがないともいう。それは基準を決めるのが、社会だからだという。
ここまではついてこれた。しかし、第4章は全く分か