五箇公一のレビュー一覧
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世界中に存在する生き物にはたくさんの種類があり、遺伝子、種、生態系の3つの段階で多様性が維持されている。例えば同じ生き物でも犬、猫、サルなどの種類や、同じ犬の中でも住んでいる地域、食べるもの、姿形、そして遺伝子は全て異なる。これが生物多様性。
しかし今、人間による生息地の破壊や悪化、乱獲、外国からの外来生物の持ち込みによって、この生物多様性が破壊されつつある。
普段どんな種類も【虫】としてひっとくたにしている私にとっては「クワガタの話が終わったと思ったら今度はハチか……」「次はダニか……」と思わなくもなかったけれど、著者の個人的な体験や意見が書かれていたり、ダニについて愛情いっぱいに語って -
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面白いが、誰に向けた本なのかよくわからなかった。
基礎的なことも簡単な言葉で丁寧に説明されているためはじめは子ども向けかと思ったが、たとえが古すぎるし時事ニュースは当然知っている前提で違和感があった。耳障りのいい言い方が多く価値観が固定される懸念もある。
生物学を全く知らない大人向けとしても偏った情報が多くこの本だけで完結すべきではない。口述筆記がもとになっているということで、まるで居酒屋で雑談しているように感じた。
だが、最終章を読んでそれも「環境問題への間口を広げるため」という信念があってのことだと納得した。
くしくもコロナ禍を予言した形になっているのも興味深い。 -
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シンパシーとは寄り添うこと、エンパシィは思いやり、他者の気持ちを推し量って配慮し行動すると言う意味、忖度、昨今先回り服従と言う悪いスティグマがついてしまった。
小説を読んで、主人公に共感しました、本当の読書とは言い難い。自分とは異なる立場の人の心情も理解できて初めて読書体験は豊かになる。
ジャックアタリ氏の利他の精神、エンパシィによる他者理解の精神、利他主義は合理的利己主義に他なりません。自らが感染の脅威にさらされないためには、他人の感染を確実に防ぐ必要がある。私はしばしば利己的でありながら利他的にもなれる、
合理的な利他主義、希望を持って最善を尽くして生きる。楽観主義ではなくポジティブに考え -
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ネタバレ以前五箇さんが講演されているウェビナーを聞き、五箇さんやその人となりを知って非常にバラエティに富んだ方だな強烈を印象を抱いていたおり、その後本書をたまたま見かけたので手にとってみました。ウェビナーで主張されていた内容と結構重複している部分もありましたが、話の展開は明瞭で分かりやすく、かつきちんとデータの裏付けをもって論拠を示されているのはよかったです。
新型コロナウイルスについても言及されていて、今回のウイルスは地球に増えすぎた人を減らすために発生したという主張には強く同意したいと思います。人のような地球の資源を無尽蔵に収奪している生き物がここまで増えるという現象は本来自然界にあってはならな -
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「生物多様性」という多くの人にとって馴染みのないテーマを、もっと身近に感じてもらいたい、そして地球環境問題を考える上で、とても大切なことであると知ってもらいたい、という思いで上梓された1冊。筆者は国立環境研究所の生物学者。わかりやすく興味を持ってもらえるようにと、クワガタムシやマルハナバチ、ミジンコ、ダニ、カエルなどを例に、自分自身の研究を通じてのエピソード的まとめ方で著している。そもそも生物多様性とは、といった極めて基本的な内容から、国際貿易上の利害関係による検疫の廃止問題といった、グローバリゼーションの抱える生物多様性にとっての深刻なテーマにも触れることもできる。