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Posted by ブクログ 2011年12月18日
世界中に存在する生き物にはたくさんの種類があり、遺伝子、種、生態系の3つの段階で多様性が維持されている。例えば同じ生き物でも犬、猫、サルなどの種類や、同じ犬の中でも住んでいる地域、食べるもの、姿形、そして遺伝子は全て異なる。これが生物多様性。
しかし今、人間による生息地の破壊や悪化、乱獲、外国から...続きを読むの外来生物の持ち込みによって、この生物多様性が破壊されつつある。
普段どんな種類も【虫】としてひっとくたにしている私にとっては「クワガタの話が終わったと思ったら今度はハチか……」「次はダニか……」と思わなくもなかったけれど、著者の個人的な体験や意見が書かれていたり、ダニについて愛情いっぱいに語っておきながら「カエルが大嫌いなので正直カエルなんていなくなったって……」と本心を暴露したりw ちっとも飽きない本だった。
しかもクワガタ、マルハナバチ、ダニなどそれぞれ抱えている問題も違い、生物多様性が破壊されることでたくさん問題が起きてしまうことがわかる。
生き物が絶滅するだけでなく、ウイルス-自然宿主の共生関係が崩壊してAIDSやSARSなど本来他の野生生物だけの中に生きていたウイルスに人間が感染してしまうなど、人間も他人事ではいられない。
現代では自国のものを持ち出し他国のものを持ちこむグローバル化が押し進められているけれど、こういった問題を考慮して、各国の独自性を確保したうえで行うべきものなのだと思う。
Posted by ブクログ 2015年03月11日
「生物多様性」という多くの人にとって馴染みのないテーマを、もっと身近に感じてもらいたい、そして地球環境問題を考える上で、とても大切なことであると知ってもらいたい、という思いで上梓された1冊。筆者は国立環境研究所の生物学者。わかりやすく興味を持ってもらえるようにと、クワガタムシやマルハナバチ、ミジンコ...続きを読む、ダニ、カエルなどを例に、自分自身の研究を通じてのエピソード的まとめ方で著している。そもそも生物多様性とは、といった極めて基本的な内容から、国際貿易上の利害関係による検疫の廃止問題といった、グローバリゼーションの抱える生物多様性にとっての深刻なテーマにも触れることもできる。