ちょっと面白い話と、さして印象に残らない話が混じってた。
長編にしたらもっと面白いだろうなと思う話もいくつかあった。
辻村深月さんが選考委員としてコメントしているのを見て購入を決めたけれど、辻村深月さんっぽかった‥生々しさと、トゲトゲとした感情?が苦しいくらい伝わってくる感じ。
R-18文学賞読者賞を取ったとのことで、初めてこの賞を知った。調べてみたら、女性の作家さんが書く、大人の女性に向けた本とのこと。
私にピッタリ!!!ここの本もたくさん読んでみようかなと思った。
作品について、それぞれ感想。
◯くたばれ地下アイドル
これは、あんまり好きじゃない‥ずっと気持ち悪いし、胸糞悪い。
◯犬は吠えるがアイドルは続く
タイトルを書きながら、タイトルと作品のつながりが全然わからなかったな‥と気づいた。笑
アイドルとして才能がある希さんの方が、一般人への憧れがあって、極力高校に通おうとしたり、大学に通ったり、恋愛をしていた一方で、本気でアイドルに向き合っていて、アイドル以外の何も得られなかった女性は結局希さんに負ける‥
だも、希さん側の苦悩も書かれていて、どっちも不幸なのかな‥と思った。
この切なさがすごく伝わってきてよかった。
◯君の好きな顔
女友達が本当に好きで、その子に近づくために、はたから見たらアホみたいな努力を頑張ってする、その女の子の苦しい感情が伝わってきて良かった。
これは、アイドルよりも、女性同士の関係に焦点が当てられていた印象
◯アイドルの子どもたち
元同じアイドルの子供達同士の恋愛なんて、ゴシップとしてはとんでもないネタで、なんだが遠いことのように感じちゃうけど、高校生が普通に出会って、なんとなくそういう関係になって、デート行って、エッチなことして、写真撮って‥って、高校生が普通の恋愛してるだけなんだよなあと思った。
性の部分に焦点が当てられすぎていた気はするけど、日常感を出すエッセンスだったんだと思う。
面白かった。
◯寄る辺なくはない私たちの日常生活にアイドルがいるということ
これは推しがいる人しかわからない感情だなと思う。
この女性は、推しを浅く好きだったはずなのに、アンチコメを見ただけで仕事を早退させられるほど病んで、自分が意外とアイドルにハマっていたと知るという話。
私は、ケーポップの女性アイドルが好きで、この女性と同じで、推しのためにお金を落とすこともしない。
でも、私はお金を落とさない分、推しに熱愛が出ても、病まないし(そもそも私が異性愛者だし)、推しはよく叩かれているけど何も思わない。
私は、実はオタクじゃないのかな?と思った。