小林早代子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『たぶん私たち一生最強』に次いで、小林早代子さんの作品を読むのは二作目でした。
『たぶん~』では、高校の同級生だった26歳の独身女性4人が一生一緒に暮らしていく選択をするお話でした。
「東京在住二十六歳大卒の四人には選択肢がありすぎて、心もとないほど自由だった。」
とあるように、結婚という枠に縛られることなく、イケイケドンドンで自由に生きていく様子が書かれていました。
ところが、本作『みんな、好きが上手』では、主人公のジン太くんは、なんだかスッキリしません。
タイトルのとおり、「好きが上手」ではありません。気持ちはカノジョのことが好きなのに行動ではストレートに表現できず、タイミングが悪く、煮え切らないまま環境が変わり、時が経過してしまって。。。
他の登場人物にも、SNS上では饒舌なのに面と向かうと上手く話せない女子がいたりします。伝えたい気持ちがあるのに、行動がなんだかチグハグなのです。
前作と正反対の人物が出てくる訳ですが、いずれもイマドキの人、イマドキの人間関係が描かれていると言えます。
そのせいか、読んでいて違和感はなく、ジン太くんや友人たちの行動が気になって、読むのをやめられなくなりました。
(友人たちや、ジン太くんの姉など、こじれていない人たちは、自分を出してスイスイと生きているのですが。。)
(前作も本作も)あまり表面化してこないイマドキを知ることができる作品だと思いました。
大人の方にも、イマドキの若い方にもオススメです♡
驚きや、共感を見つけられるでしょう。
わたしはスキな作品でした♡
次作を待っています♡
〔作品紹介・あらすじ〕
彼女に「好き」と言うことは、「いいね!」を1000回もらうより難しい。東京生まれサブスク育ち、人生を懸けるほど好きなものが見つからない大学一年生、ジン太。愛情豊かな両親、優等生な姉、過剰だけど憎めない幼馴染に囲まれて何不自由なく育ち、大学には気の合う仲間もいる。だけど、なぜか恋愛だけがうまくいかない。この原因はいったい何? 痛々しくて瑞々しい、令和の失恋小説決定版! -
Posted by ブクログ
推し活民の端くれとして、巷間溢れるアイドルブームを論んじた記事や推し活の功罪を考察した文章などを読む機会が多い。
推し活は我に返ったら終わりだと思っているが、心の何処かでは常に我に返っている部分があって、己を冷静に俯瞰している。
上記のような記事を読む度に、その冷静な部分が反応し心の中で幅を利かせ始めて、推しのための財布の紐を締めにかかる。
このままでいいのか、アイドルに使うお金を別のことに使うべきではないのか、などなどが頭の中でグルグル回りだすのだ。
だが、推しと過ごす尊い時間を守ろうとする心が冷静になることを拒否しだんだん巻き返して、結局は推し活継続と相成る。
そんなことを繰り返している自分に嫌気がさしてしまうこともあるが、推しに何もかもを注ぎ込む時間を有意義と感じる以上、もはやこれは信仰や麻薬に近く抜け出せない。
普段から推し活の功罪にうだうだしているから「寄る辺なくはない私たちの日常にアイドルがあるということ」が大変刺さった。
あまりの高解像度に「もうやめてくれ!」となる瞬間が何度もあったが、最後には救われた気持ちになり、不思議な読後感だ。
締めの1文で心が軽くなった。うだうだ考えるのはやめよう。端から見れば何も解決していないように思えるかもしれないが、好きなものを好きな気持ちを止める必要はないのだと、エールを送られた気でいる。 -
Posted by ブクログ
6話からなる連作短編集。
同世代の女4人が集まると、自然と会話中心となるのだが、もう最初っからその勢いに圧倒される。シニカルで辛辣で遠慮のない物言いは、スピード感も抜群で圧倒的に面白い。仲間内だけで許される類の会話が小説に持ち込まれて世界に晒されている感が楽しかった。
一方で、この手の会話は、シリアスな話題になると、茶化したりはぐらかしたりして深刻化を避ける傾向がある。深刻な話は主に独白や一対一の会話で進められる。この辺のバランスがうまいところだと思う。
4人揃うとスーパーガールのような彼女たちも、個々にはそれぞれ等身大の悩みを抱えている。誰の悩みに共感するかは読者によって異なるのだろうが、悩んでいる本人たちはみな真剣である。唯一、亜希の解決策だけは納得がいかなかったのだが、残りの3人も受け入れたのであれば、仕方がない。
結びの話『女と女と女と女』では彼女たちの娘「試験管生まれシェアハウス育ち」の恵麻が登場するのだが、彼女もまた、前世代の人間と同じように人生に悩みを抱え、戸惑っているのが妙に嬉しかった。
パンチライン
「セックスで生まれた前時代的な人間」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小説で出てきた4人はたぶん一生最強だろうな〜と、タイトル通りの感想になった。
この小説で出てくる人物が、進学校出身者で、かつ大学入学し、その後就職(あるいは独立)という人生であることから、いわゆる「普通」の人とは少し異なる経歴を持ってると言える。一番大きいのは進学校出身であるということだと思う。それなりの知識と能力、自信を備えているからこそ、本書内での人生を選び取ることができただろうし、世間の当たり前を打ち破り、自分たちなりの人生を考えることができたのだろうと思う。
そういう意味では、この小説の内容に全くの非現実性を感じる人がいるのも無理はないだろうと思うし、面白くないと思う人もいるだろうなと思う。
個人的には、ここで出てくる人の性格があまりにもパリピすぎて、面白かったけど。