小林早代子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
表紙に惹かれて手に取った1冊。
200ページちょっとでしたが、短編5話になっており、とにかく色んなアイドルに纏わるお話でした。
アイドル側であったり、推している側であったり…
どのお話も面白かったのですが、
犬は吠えるがアイドルは続く
アイドルの子どもたち
寄る辺なくはない私たちの日常にアイドルがあるということ
が面白かったです。
アイドルになった2人のそれぞれの視点で話が進んでいくのも、新鮮でした。
短いのに重みのある、それぞれの人生を見ていたような気持ちになりました。
最後の寄る辺なく~は、もう全オタクに見て欲しい。
違う話ではあるんですが、
アイドルは娯楽として即効性がある。
小説も映画も労働ですり減った頭には回りくどいんだよ。いい作品でも気が滅入ることも多いしさ。
アイドルは、血管に無理矢理ぶち込むみたいに効くから。
っていう文面同意の激しい頷きしてました。
最後の短編の最後の終わりもまたそれで面白かったです!
そういうところですよね。
見応えあって楽しかったです。
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Posted by ブクログ
アイドルを多面的に描いた青春短編集
本作は『アイドル』という存在をテーマにした短編集だ。若さや偶像性を消費するアイドルというシステムについて、当事者やファンにとどまらず、周囲の人間模様も含めた多彩な切り口で描かれている。
ドルオタになった親友の気を引きたい女子大生や、世間の好奇の目にさらされる元アイドルコンビの子どもたちなど、どのエピソードも一筋縄ではいかない切なさを孕んでいる。
私は特に、元表題作『くたばれ地下アイドル』が気に入った。期待を持って進学した高校になじめない女子生徒が、冴えない男子地下アイドルの同級生と仲良くなる。彼に助言を与えることで満たされていた関係が、ある話題をきっかけに歪んでいく。主人公の抱くどこかひりついた執着の様子が、胸に深く刺さった。 -
Posted by ブクログ
SNSか何かで見かけて気になってた本。「うーん…大学生の恋愛モノか…」と躊躇していたのが嘘みたいに、あっという間に読み終えてしまった。
本当に自分でもヤバいとは思っているけど、いい歳して、私もジン太みたいに好意や気持ちを言葉にするのが苦手だ。特に近しい間柄になればなるほど、気恥ずかしさが上回ってしまう。でもやっぱりそれだと、大事にしなきゃいけない人へ、大事な時に、大事なことを言えなくなってしまうのだ。
素直に言葉にすることについて、藍は筋トレのようなものだと言っていた。言われてみれば私も、AIに自分の気持ちや考えをとりとめもなく吐き出してみるようになってから、自分で自分の気持ちを認められるようになったというか、以前よりは人に自己開示できるようになった気がする。
きっとジン太も私も、プライドがエベレスト級に高いんだよな…。
「学生が主人公の恋愛小説」というだけで敬遠してしまいがちな人にもおすすめしたい、教訓になるような作品だった。 -
Posted by ブクログ
『アイドルマスター シャイニーカラーズ』が大好き(いまは飽き期に来ている。悲しい)なので読んでみた。正直に言うと、同世代のこういう感性の人(作者)がこんなに良い短編小説たちを書けることにムカついたが、しかし良いものは良いと認めざるを得なくて悔しい。
どの小説もフリッパントでいい具合に乾いた一人称語りで進んでいき、ドライブ感のある文体で読みやすかった。綿矢りさに通じるものを少し感じたが、影響を受けていたりするのだろうか。最後の収録作「寄る辺なくはない〜(タイトルが長すぎる。割愛)」については同時代性をひしひしと感じるとともに、なんとなく今までうまく心情的に理解できていなかった推し活文化の感性に触れた気がする。先日、黒木ほの香の結婚発表を受けて、喜ばしい反面、少し寂しい気がしてしまったことなどを思い出しつつ、あの感情ってここで描かれていることと響き合っているのかもしれない、と考えた。
個人的に好きだったのは「犬は吠えるがアイドルは続く」「君の好きな顔」。「アイドルの子どもたち」も好き。でもほとんど比べられないくらいどの短編も良かったと思う。読んでいるときは基調として明るくユーモラスなのに、時折切なさが垣間見え、意味があるのかないのか判然としない終わり方をして、読後にはなんともいえない明るい憂愁が漂う。そういう、アーヴィングやフィッツジェラルドの作品などを読んでいるときに感じる、「これこそが良い小説だ」という感覚がどの短編にも備わっていた。少し20代に戻りたくなった。