小林早代子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
表紙に惹かれて手に取った1冊。
200ページちょっとでしたが、短編5話になっており、とにかく色んなアイドルに纏わるお話でした。
アイドル側であったり、推している側であったり…
どのお話も面白かったのですが、
犬は吠えるがアイドルは続く
アイドルの子どもたち
寄る辺なくはない私たちの日常にアイドルがあるということ
が面白かったです。
アイドルになった2人のそれぞれの視点で話が進んでいくのも、新鮮でした。
短いのに重みのある、それぞれの人生を見ていたような気持ちになりました。
最後の寄る辺なく~は、もう全オタクに見て欲しい。
違う話ではあるんですが、
アイドルは娯楽として即効性がある -
Posted by ブクログ
現代社会は「推し」という言葉で溢れています。あれもこれも「推し」と一つの言葉にくくられて、いつからか、「推し」や「推し活」が商品のように消費されている現代にある意味ピッタリと言える作品だと思います。こんなことを綴っている自分もちゃっかり「推し」というものがいるので、この本はしっかり心に刺さりました。特に、最後の短編での「推しにお金をかけているオタクと推しに入れ込みすぎていないオタク、どちらが推しに対して誠実なのか」という疑問は、うわ、と思いましたし、自分の推し活という一つの消費への向き合い方を考え直すきっかけになりました。推しがいる人、推し活をしている人にこそ読んでほしい一冊です。
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Posted by ブクログ
6話からなる連作短編集。
同世代の女4人が集まると、自然と会話中心となるのだが、もう最初っからその勢いに圧倒される。シニカルで辛辣で遠慮のない物言いは、スピード感も抜群で圧倒的に面白い。仲間内だけで許される類の会話が小説に持ち込まれて世界に晒されている感が楽しかった。
一方で、この手の会話は、シリアスな話題になると、茶化したりはぐらかしたりして深刻化を避ける傾向がある。深刻な話は主に独白や一対一の会話で進められる。この辺のバランスがうまいところだと思う。
4人揃うとスーパーガールのような彼女たちも、個々にはそれぞれ等身大の悩みを抱えている。誰の悩みに共感するかは読者によって異なるのだろうが、悩 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小説で出てきた4人はたぶん一生最強だろうな〜と、タイトル通りの感想になった。
この小説で出てくる人物が、進学校出身者で、かつ大学入学し、その後就職(あるいは独立)という人生であることから、いわゆる「普通」の人とは少し異なる経歴を持ってると言える。一番大きいのは進学校出身であるということだと思う。それなりの知識と能力、自信を備えているからこそ、本書内での人生を選び取ることができただろうし、世間の当たり前を打ち破り、自分たちなりの人生を考えることができたのだろうと思う。
そういう意味では、この小説の内容に全くの非現実性を感じる人がいるのも無理はないだろうと思うし、面白くないと思う人もいるだろう -
Posted by ブクログ
単純にいいな、羨ましいと思った。
仲のいい女友達と一緒に暮らして、子育てして、仕事して、恋もして…サイコーじゃん。
今までの常識に捉われた、男女での結婚子育て…そんなものより何十倍も合理的で魅力的だ。
よく出来過ぎたおとぎ話なのは分かっている。
4人とも優秀で、生まれて来た子も優秀。
女の子じゃなくて男の子が生まれていたら?
4人の母親と折り合いが悪く、一般的な出生ではない自分に劣等感を抱く場合もあるかも?
でも、例えおとぎ話だったとしても、こんな選択が出来る近未来への期待感が持てた。
中盤は性に関する話が赤裸々過ぎて、ちょっとお腹いっぱい感もあったけど 笑 次女目線で書かれた最終章は