大谷瑠璃子のレビュー一覧
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読んだ本 すべての罪は沼地に眠る ステイシー・ウィリンガム 20250722
嫁さんが読んだ本のお下がりです。嫁さんはホントに何の前情報もなく面白そうなのを選ぶ人で、時に続編をいきなり買ってきたりするんです。ということなんですが、自分で選ぶとどうしても偏るので、こういうのもいいなって思ってます。
で、この本、題名も作者も聞いたことないんで、先入観なく読み始めたんですが、よくできた推理サスペンスで、全て俯瞰できなければ書けないようなストーリー。読んで数ページで犯人が分かった気になった自分が恥ずかしい。しかも、その罠に気づいてからも、誰が犯人か迷いに迷う。後半150ページくらいでなんとなくわかった気がしたけど、結局最後まで確信が持てず。
作家の腕前にほんろうされまくりましたね。しかも、主人公がラストで語る、あの時、あのエピソードって、あんとき気づけよ的な述会に打ちのめされました。
お勧めです。 -
Posted by ブクログ
人には出来ることと出来ないことがある
出来ないことを努力して出来るようになることは素晴らしいことだ
そうやって人は成長していくのだ
あるいはそれが生きるということなのかもしれない
だがしかし
どうしても出来ないことというのはある
残念ながらある
向き不向きというものがある
努力では覆すことができない才能というものもある
残念ながらある
どうしても乗り越えられない壁に出会ったとき
無理に超えようせず
迂回して別の道を進むことも必要だ
あるいは壁の向こう側に行くことをあきらめ
引き返したっていい
人生にはそういった壁が存在する
例えばハーラン・コーベンをどうしてもハーラン・ベーコンと読んでしまうといったような
はい、ハーラン・ベーコン(おい)初読でございますよ!
さすがの全米ベストセラー作家のベーコン、プロットが巧み
いやーこれがこう繋がるのかーと度々
面白かった
面白かったんだけど、主人公の元女性兵士マヤがどうしても好きになれない
たぶん友だちになれない
なんていうか、傲慢?なのよね
なんでも自分で出来ると思っている
なわけ無いだろ!と思う
これだから女って奴は!って思う
言いたくないけど、言っちゃう
自信家の女は扱いづらいから友だちになれない(はい女性蔑視発言ね)
友だちになれそうにない人が主人公だとやっぱりちょっと隣を歩きたくなくなってしまう
これもひとつの壁なのかもしれない
それでも終わらせ方がものすごいわい好みだった
このエンディングを書く人だったら、ものすごい相性のいい作品とも出会えそうな気がする
もちょっと何か読んでみたいです
ベーコン -
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比較的最近コーベン・ファンとなったぼくとしては、まだ数作の読み残し過去作品が残っている状況にやきもき。シリーズ作品が中途で未訳となって以来、すっかりスタイルを変えたシリアス系ミステリの単発作品が続くコーベンだが、中にはお馴染みキャラクターを語り継いだセミ・シリーズ作品や、コーベンワールド地続きと言えるような単発作品も見受けることができる。しかし、本書はそんな単発作品の中でも他のシリーズ・キャラクターは一切登場しないというかなり一作完成度に拘った作者の拘りが感じられる。
主人公が、単独でしかも女性、というだけでも珍しいかなと思えるし、全体構成がサスペンス重視というようになっていて、多層構造の時間軸がヒロインを取り巻く仕掛けだらけのびっくり箱構造というのが、ぼくの本書に対する印象である。謎や仕掛けやミステリーとしての楽しみ、ということに拘る読者であれば、この作品は作者の中でも最大級にトリッキーな作品と言えるかもしれない。
ヒロインの周囲に何人も事件や事故の死者が出ているという、まずもって偶然ではあり得ないような状況そのものが本書の特徴であり、その謎解きそのものが最後まで読者を引っ張る作品であるように思う。ヒロインに密接な関係のある夫と姉が、それぞれ銃殺され死んでいるという状況。さらに他の謎めいた死者たちが順を追って登場する。
何よりも夫の死すら疑わしくなる状況がスタート後すぐに登場する。死んだはずの夫が隠しカメラに映っていたのだ。ヒロインの目の前で暴漢によって銃殺されたはずの夫が。
以上の一見解けそうにない状況がヒロインを正常ではない状況に追い込んでゆくのだが、それでも異常の側に踏み込まずあくまで冷徹に真実を探ろうとするヒロインは、実は中東で度重なる戦闘経験を積んだ歴連の兵士なのである。彼女の経験したいくつもの理不尽な死と暴力の世界。サバイバルに長けた特殊能力の数々。クールさ。冷徹な知性。そうした彼女自身が捜索マシンであり武器であるというところが本書の特別な軸となってストーリーを引っ張ってゆくのだ。さすがコーベン・ワールド全快のエンタメ魂、と喝采を送りたい作品なのである。
後半はページを繰る手が止まらなくなり、一気に真相に向かって雪崩れる。夫の属していた貴族一族(ついボライター・シリーズのウィルを想起する)という権力というパワーの裏に控える闇の奥へと、読者はヒロインとともに導かれてゆく。沢山の家族や親子の姿が活き活きと暮らす中で、独り真実に向けて闘うヒロインの姿が頼もしい力作アクションである。
ちなみにネットフリックスでドラマ化(12回完結)されているようなので、メディアを変えた二度目の楽しみを求めてみようかと思っている。 -
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臨床心理士であるクロエは、20年前に父が連続殺人犯として逮捕されるという重たい過去を背負っていた。
だがその傷を乗り越え、またそのことがあったからこそ心理士という職に就いたのかもしれなかった。
そのクロエが結婚を控えている最中に彼女の周りで少女を狙った連続殺人事件がおこる。
何故か父と同じ手口なようで、彼女は混乱する。
いったい、誰が?何故?父の模倣犯なのか?
接触してきた記者は信用できるのか。
婚約者には過去の全てを話しているから彼なのかもしれない。
そういえば、彼の家族のことは知らない。
婚約者をよく思わない兄のことも気にかかる。
兄は、何か知っているのか。
施設にいる母は、喋ることができない。
父に会いにいく気はない。
精神的にまいっているなか薬で凌ぐ。
記憶が曖昧、過去のことか現実か。
危機迫る場面が幾度かあり、ラストに驚きが…。
最初から父の事件では遺体は見つからず、父がことばを発することはほとんど皆無と言ってもいいくらいだった。
嘘で罪を背負ったとしても後悔はしない。
自らの自由を犠牲にしても。
母もまた覚悟を決めたのだろう。
だがそれも辛く苦しい選択だ。
クロエの心理的状況が危機迫るほどに描写されていて、苦悩する様子がとても伝わってきた。
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闇が濃い… 加害者家族の十字架を背負った女性、心理的恐怖がエグいミステリ #すべての罪は沼地に眠る
■あらすじ
臨床心理士である主人公のクロエは、いつも心の傷手を抱えて生きていた。20年前に父親が少女連続殺害で逮捕をされており、自身の人生に影響を与えていたのだ。
ある日彼女の周りで、過去に起こった同様の少女殺害事件が発生してしまう。自らの人生にさらなる影響を恐れたクロエは、父の事件との関連性を調べ始める…
■きっと読みたくなるレビュー
丁寧な起承転結、いい意味でスタンダードなサスペンスミステリー。
ハラハラしながらも、少しずつ状況が明らかになっていくプロットが上手で、どんどん読んじゃいます。
特に後半の怒涛の展開は読み応えたっぷりで、まるでサスペンス映画を見ているような臨場感。いやー、面白かったです。
そして本書一番の読みどころは、主人公クロエの心情描写。人の心を扱う職業である臨床心理士なのに、誰よりも心が落ち着いていない。
唯一信用できる婚約者をだけを頼りに、加害者家族という十字架を背負いながらも、冷たい世間の中を歩んでいく。過去のつらい心の傷があまりにも痛々しく、そりゃこんな疑心暗鬼になっちゃうよ。
それにもかかわらず、彼女には心を乱される展開が次々襲い掛かる。必死に助けを求める叫びが、リアルに聞こえてくるんです。もう、やめてあげてっ
しかし事件に巻き込まれると、平穏無事な日常生活は送れなくなってしまいますよね… リアルな心理的恐怖がエグかった作品でした。
■ぜっさん推しポイント
「闇が深い」「心の闇」といった表現がある。
普段の日常生活や社会生活では表には出てこないが、ある不幸や恵まれない環境をきっかけに誕生してしまう心の隙。
本書ではこの「闇の濃さ」がスゴイ。
登場人物ひとりひとりが隠蔽したい真実が深すぎるんです、そして後悔の念も強烈で…
人間だれしも、ひとつやふたつ、暗い過去や黒歴史なるものがありますが、逃げたり隠し続けていたら、胸を張って生きられないんでしょうね。やっぱり自分に正直に生きたいなと決意しました。 -
Posted by ブクログ
読んでいた本が途中で止まってしまったので、気分変えに読み始める。
ビジュアルな場面展開が現代的なサスペンス小説で、これがとても面白い。
主人公は元特殊部隊のパイロット
一見、肉体も精神も十分なパワーを装備した女性。だが、彼女が過去の戦場での出来事から何かPTSDを抱えている様子が、早くから描かれている。
公園で殺されたはずの夫の姿が、その後に設置された監視カメラに写っていた。
そのことから、たった一人で謎を追うことになる。
主人公が守らなければいけないのは、娘のリリーと姉の子たち。
大富豪である夫の実家との微妙な関係が妙にまとわりつく中、次第に明らかになっていく過去の事実。
姉の死、夫の死、そして過去の事件……
「君は死にとりつかれている」
物語の進行とともに目まぐるしく変わっていく主人公の周辺
そして驚愕のラスト
謎解きという意味での結末以上に、心を揺さぶるエンディング……。
読みだしたら止まらない読書でした。 -
Posted by ブクログ
たまたま「プエルトリコ477便」のあとに読んだのですが、
どちらも"強い女性"が主人公で、夫が富豪一族、そしてキーパーソンがクレア!
(一方は主人公、一方は主人公の姉)。
しかし内容は全く違い、こちらの主人公マヤは元特殊部隊パイロットという実戦型の強い女性。最後の数十ページまで結末が見えずどうなるんだろうと思っていたが、きれいに伏線が回収されていくのはベストセラー作家の力量ですね。
アメリカは戦争と縁の切れない国、そして銃社会。アメリカンミステリーには必ずと言っていいほど元軍人やPTSDの話、そして身近に銃を持っている人が登場するが、
この作品はそれが女性であるというところが切ない。。 -
Posted by ブクログ
人気作を抱えながらも匿名作家を貫きたい小説家のもとへ、有名になりたい欲望を溜め込んでいる小説家志望の女性がアシスタントとして小説家のもとへ訪れる。
この二人の「名前を隠したい」「名前を知らしめたい」主張がせめぎ合いぶつかりあって、中盤すぎからはかなりアグレッシブかつダイナミックにぶつかりあっていく物語でした。
実は丹念に散りばめられていた伏線や、真実へ徐々に至っていく過程はとても丁寧に描かれている、間違いなく正当派なミステリではあるのですが、いろいろかなぐり捨て出した二人のありようは、確かに映画化したら映えるだろうな…と思えました。
この邦題も、原題「WHO IS MAUD DIXON」も、読み終えるとなかなか洒落含みの面白味があって良いですね。名は体を表す…、それってほんとに?、などと含み笑いを浮かべそうになります。