大谷瑠璃子のレビュー一覧
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臨床心理士であるクロエは、20年前に父が連続殺人犯として逮捕されるという重たい過去を背負っていた。
だがその傷を乗り越え、またそのことがあったからこそ心理士という職に就いたのかもしれなかった。
そのクロエが結婚を控えている最中に彼女の周りで少女を狙った連続殺人事件がおこる。
何故か父と同じ手口なようで、彼女は混乱する。
いったい、誰が?何故?父の模倣犯なのか?
接触してきた記者は信用できるのか。
婚約者には過去の全てを話しているから彼なのかもしれない。
そういえば、彼の家族のことは知らない。
婚約者をよく思わない兄のことも気にかかる。
兄は、何か知っているのか。
施設にいる母は、喋ることがで -
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闇が濃い… 加害者家族の十字架を背負った女性、心理的恐怖がエグいミステリ #すべての罪は沼地に眠る
■あらすじ
臨床心理士である主人公のクロエは、いつも心の傷手を抱えて生きていた。20年前に父親が少女連続殺害で逮捕をされており、自身の人生に影響を与えていたのだ。
ある日彼女の周りで、過去に起こった同様の少女殺害事件が発生してしまう。自らの人生にさらなる影響を恐れたクロエは、父の事件との関連性を調べ始める…
■きっと読みたくなるレビュー
丁寧な起承転結、いい意味でスタンダードなサスペンスミステリー。
ハラハラしながらも、少しずつ状況が明らかになっていくプロットが上手で、どんどん読んじゃいます -
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読んでいた本が途中で止まってしまったので、気分変えに読み始める。
ビジュアルな場面展開が現代的なサスペンス小説で、これがとても面白い。
主人公は元特殊部隊のパイロット
一見、肉体も精神も十分なパワーを装備した女性。だが、彼女が過去の戦場での出来事から何かPTSDを抱えている様子が、早くから描かれている。
公園で殺されたはずの夫の姿が、その後に設置された監視カメラに写っていた。
そのことから、たった一人で謎を追うことになる。
主人公が守らなければいけないのは、娘のリリーと姉の子たち。
大富豪である夫の実家との微妙な関係が妙にまとわりつく中、次第に明らかになっていく過去の事実。
姉の死、夫 -
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たまたま「プエルトリコ477便」のあとに読んだのですが、
どちらも"強い女性"が主人公で、夫が富豪一族、そしてキーパーソンがクレア!
(一方は主人公、一方は主人公の姉)。
しかし内容は全く違い、こちらの主人公マヤは元特殊部隊パイロットという実戦型の強い女性。最後の数十ページまで結末が見えずどうなるんだろうと思っていたが、きれいに伏線が回収されていくのはベストセラー作家の力量ですね。
アメリカは戦争と縁の切れない国、そして銃社会。アメリカンミステリーには必ずと言っていいほど元軍人やPTSDの話、そして身近に銃を持っている人が登場するが、
この作品はそれが女性であるというと -
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人気作を抱えながらも匿名作家を貫きたい小説家のもとへ、有名になりたい欲望を溜め込んでいる小説家志望の女性がアシスタントとして小説家のもとへ訪れる。
この二人の「名前を隠したい」「名前を知らしめたい」主張がせめぎ合いぶつかりあって、中盤すぎからはかなりアグレッシブかつダイナミックにぶつかりあっていく物語でした。
実は丹念に散りばめられていた伏線や、真実へ徐々に至っていく過程はとても丁寧に描かれている、間違いなく正当派なミステリではあるのですが、いろいろかなぐり捨て出した二人のありようは、確かに映画化したら映えるだろうな…と思えました。
この邦題も、原題「WHO IS MAUD DIXON」 -
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ネタバレフローレンスは自分には才能があると思っている。
誰よりも。
いつかは売れっ子作家になれると信じている。
しかし、現状は出版社に務めるしがない会社員。
その会社の部長と不倫し、出来心から軽く脅したら簡単にクビにされた。
そんな状況で舞い込んできた超有名な匿名作家・ヘレンのアシスタントの仕事。
フローレンスは人生のすべてを掛ける。
取材旅行と称して二人で出かけたモロッコ旅行で、車ごと海に突っ込み、ヘレンは行方不明となり、フローレンスだけ助かる。
フローレンスはヘレンになりすまし、匿名作家であるモード・ディクソンは引き継ごうとするが。。
「太陽がいっぱい」を思わせるなりすましミステリーだが、 -
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本作を読んだ感想としてみんなどういう事を思うのだろう。
ミステリとしてもよく出来ているが、戦争ってやっぱりこんなにも人の心を破壊するのだなぁというのが最初の感想だ。
海外ミステリを読む意義とまで堅苦しくは言わないが、日本の作家では書けない話というのはあると思う。数ある中の一つは本作だ。主人公は女性兵士。イラクでの戦争体験もあるバリバリの経験者だ。本作は彼女だからこそ起きた悲劇でありミステリなので、戦争体験(しかも昭和10年代の民間人非戦闘員ではなく戦士として)のある女性などほぼ皆無な日本では描けない作品だ。
ミステリとしてもよく出来ているし、最後の落ちも綺麗に纏まっている。
でも私は、ミス -
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ネタバレステイシー・ウィリンガムのデビュー作。
15歳の少女6人を誘拐し殺したとして捕まった父を持つ、クロエが主人公。20年を経て、非常に似た事件がクロエの周囲で起こる。犯人は父の模倣犯なのか。
伏線が非常に丁寧に張ってあったり、意外な事実もあり。登場人物が少なすぎて展開が読みやすい、ある程度想像しやすいという点はあるけど、良かったと思う。
ただ、ヒロインのクロエ、婚約者のダニエルなど、主要メンバーがことごとく魅力的ではない。イライラさせられる言動が多いというか。殺人犯の娘という、明るくなる要素なしなのもあるが。。。
あと、致命的に邦題が悪い。沼地出てこない。そこまで出てこない。「ザリガニの鳴く