大谷瑠璃子のレビュー一覧

  • 偽りの銃弾

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    ネタバレ

    マイロン・ボライターシリーズで有名なハーラン・コーベンのノンシリーズ作品。

    暴漢に襲われて死んだ夫ジョー。妻である元軍人のマヤは、戦時中のある行動が世界中にリークされた過去がある。葬儀を終えて友人からの助言に従い、日中のベビーシッターの行動を隠しカメラで録画するが、そこには死んだジョーが映っていた。。。

    読み進めるほどに意外な事実が出てきて、誰一人信用できないストーリー…なんだけど、案外展開が遅いので中弛みするところもないではない。ただ、終盤の畳み掛けが、その辺りをどうでも良くしてくれるほど素晴らしい。
    マヤの、あまりにも周りに頼らない性格が好きではなく、途中モヤモヤさせられることが多かっ

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    2025年02月23日
  • 匿名作家は二人もいらない

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    4.8

    皮肉というか嫌味っぽい文章、セリフがすごく良い!翻訳者の力もあるのかな?
    主人公が嘘を隠し通そうとする展開が苦手で、今作もそうなりそうでガッカリしかけたのだけど、ちょっと違った!これは良い!

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    2024年11月14日
  • 匿名作家は二人もいらない

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    久々に、文句なしに面白い海外ミステリでした。
    海外ミステリのボトルネックは、訳者の技量で作品の良し悪しが左右されてしまうところにあります。
    本書の訳者である大谷瑠璃子さんはとても良い翻訳者だと思いました。
    読書中、翻訳書であることを忘れてしまうぐらいに、こなれた日本語に翻訳がなされています。

    それから、海外ミステリに付きものの「登場人物の名前の煩雑さ」が、本書にはありません。
    海外ミステリといえば、ファーストネームとファミリーネームが、会話の中や地の文で規則性も無しに散らかってることが多いです。地の文でずっとファーストネームで呼んでたのに突然ファミリーネームで呼ばれることもあり、「あれ?誰だ

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    2023年08月03日
  • すべての罪は沼地に眠る

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    主人公クロエの、生い立ち、家族、父による犯罪、そして現在の、環境。素晴らしい夫となるであろうダニエルとの結婚を控えての不安や、トラウマ!
    その全てが、よく、練られていて秀逸だった。 
    クロエの気持ちがわかるし、極限の、不安、次々明らかになっていく数々の、事柄!
    どんどん読んでしまう。
    ストーリー展開も、早い。
    突然、大学時代の話が出て来たり、薬物依存的な所とか、無くても良かったかな?と思ったり。でも、必然なんでしょうね!
    デビュー作らしいけども、次作も、読みたいな!

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    2023年02月16日
  • 偽りの銃弾

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    おもしろかった!
    これは結末を知ってしまったら読む意味なくなっちゃうのであれこれ言えないけれど、なかなかインパクトのあるラフトだった。

    ジュリアロバーツがマヤをやるみたいだけど、アマプラ落ちてきたら絶対見よーっと。

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    2022年08月19日
  • 匿名作家は二人もいらない

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    これはめちゃくちゃ好きなやつです。

    後半はもう何がどうなるのか知りたくて知りたくて一気読みでした。
    ドキドキして血流が良くなった。心臓に良いかはわからないけど…。

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    2022年04月29日
  • 匿名作家は二人もいらない

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    匿名の売れっ子作家がいる。
    この設定に、色々な思惑が重なり重厚なサスペンスになっています。
    序盤の人間ドラマの様子から、ここまで空気が変わるかと圧倒されました。
    邦題は正直、センスを疑いますが、作品自体は大傑作です。
    誰にでも読んでほしいし、すぐにでも映画化してほしい。

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    2022年04月26日
  • 匿名作家は二人もいらない

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    作家になりたいフローレンスと匿名のベストセラー作家のモード。モードにアシスタントとして雇われ近くで執筆や生活を見ている前半と徐々に空気が変わり始める中盤からラストまでの展開で目が離せなくなる。作家とアシスタントの何気ない会話や生活の中にある伏線、作家になりたいフローレンスのモードすらも利用してしまおうとする強い思い。二人それぞれの思惑と小説を書くことへの思い。真相が明かされていく終盤のテンポの良さと二転三転する構成でラストまで一気読み。

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    2022年03月14日
  • ランナウェイ

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    サイモンは大学生の長女ペイジの行方を捜していた。娘は恋人に薬漬けにされたあげく、学生寮から姿を消したのだ。ある日刑事から殺人事件の報せを受けたサイモンは、妻イングリッドと共にペイジと男の塒へ踏み込みが…。著者のフェアな目線と巧みな構成に唸り、奴涛の伏線回収に目を瞠る。そして衝撃過ぎる結末。米国屈指のヒットメーカーが放つ、極上のドメスティック・サスペンス!

    圧倒的。今まで読んだコーベンの作品ではベスト。  
    またまた、あの弁護士が登場。

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    2022年03月12日
  • ランナウェイ

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     家族、親子、夫婦、ドラッグ、暴力、ネット、メディア、拡散、殺人、失踪、新興宗教、携帯、遺伝子、etc. etc。現代のミステリーは、犯罪の内容も、手段も、情報も、捜査方法も、過去のそれとは大きく異なってきている。そのことを嫌というほど感じさせる作品。

     ハーラン・コーベンを読むのは実は初めてなのだが、本書を読む限り、本物の香りを芬々とさせる、濃厚なテイストの、誠実で間違いのない作家、と言うに尽きる。

     グリーン家という家族で構成されるユニットを、さらに父、母、兄弟、姉妹、という具合に、それぞれの関係を多角的に描きつつ、あくまでも主人公は長女を探す父サイモン、という設定で貫く。副主人公とも

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    2021年04月30日
  • 偽りの銃弾

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    ネタバレ

    「ステイ・クロース」が面白かったので、ハーラン・コーベンの他の作品も読んでみようと、手に取った作品。

    いやーこれは上手い小説だ。謎また謎の積み重ね(解説の堂場瞬一さんに曰くたまねぎ小説)その重ねようにページを繰る手が止まらない。
    詐欺の手法で、次から次に説得力のあるような根拠のあるような逸話挿話ショートメッセージを怒涛のようにしゃべりたて、返事する間を与えずいつの間にか聞き手の意思を操る手法があると聞いたが、まさにそれ。

    テンポよく次から次へ、不可解な事件や不審な登場人物やあれやこれや出てきて衝かれるように、読み進める。ちょっと余裕が出てきて疑問符が浮かんで、その疑問符を持ち込んだまま、ク

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    2019年01月22日
  • 偽りの銃弾

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    ネタバレ

    前評判も高かったがさすがのハーラン・コーベン。わたし的には今年読んだミステリーの暫定1位。

    アメリカ的な嫌なところも見事に回収。「戦火の勇気」のメグ・ライアンぽい主人公もカッコいい。え、ジュリア・ロバーツで映画化なの?

    解説で堂場瞬一氏が結構な字数を割いてマイロン・ボライターシリーズへの愛着ぶりを書かれていて、ウインザーホーン・ロックウッドⅢ世の大ファンで、最近事あるごとにマイロンシリーズをオススメしている私としては援護射撃を得たような気持ちだ。(堂場氏のファンではないが)

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    2018年07月19日
  • 偽りの銃弾

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    帯に堂場さんが、風呂敷を広げ過ぎだと書いてあった。読んだ今なら理解できる。
    ミステリーは伏線の回収は絶対だと思う。この本は凄い。見事に回収した。
    海外ミステリーなんてここ数年読んでなかったので、読み始めた頃のように人の名前や関係性で苦戦したが
    話の流れ、面白かった。本当にギリギリまで犯人が分からなかった。

    たまには新しい本を読むのも刺激になる。
    訳者の方が知り合いで本を出した記念に購入。

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    2018年07月15日
  • 偽りの銃弾

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    コーベンさんの小説を初めてよみました。もともとこういう構成をされる方なのかわかりませんが、最初のほうは表に出されている情報が足りなくて、「そう思って読む」しかないのですが、前半にでてきた後半の回収がすごいです。
    全部で500ページ超の本ですが、100ページくらいまでは、すこしずつ読んでたのですが、100ページ以降は一気に読みました。
    登場人物の描写というか背景がすこしずつ出てくるので、それが一定のラインまででてきたときに、ドラマを一気に反転させるのがとても面白かったです。

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    2018年07月08日
  • すべての罪は沼地に眠る

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    ネタバレ

    主人公は臨床心理士のクロエ。
    かつて、故郷のルイジアナ州ブローブリッジの町では連続少女失踪事件が起きていた。
    単独の事件であれば家出の可能性もあるが、地理的、時間的集中性から何者かによる犯行であることが確実。
    ところがこの犯人は痕跡を一切残さない。
    普通のサイコパスは、自分の力を誇示しようと何らかの特徴を残すのに。

    その事件の犯人は父だった。
    クロエが自宅で見つけた証拠が決め手となったが、遺体は今も見つからないまま。
    ちょうど20年経とうとする今、転居し新たな人生を歩み始め、結婚も間近のクロエの住むバトンルージュの町で模倣犯かのような事件が起き始める。

    ありがちな設定であることは否めない。

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    2025年09月27日
  • すべての罪は沼地に眠る

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    読んだ本 すべての罪は沼地に眠る ステイシー・ウィリンガム 20250722

     嫁さんが読んだ本のお下がりです。嫁さんはホントに何の前情報もなく面白そうなのを選ぶ人で、時に続編をいきなり買ってきたりするんです。ということなんですが、自分で選ぶとどうしても偏るので、こういうのもいいなって思ってます。
     で、この本、題名も作者も聞いたことないんで、先入観なく読み始めたんですが、よくできた推理サスペンスで、全て俯瞰できなければ書けないようなストーリー。読んで数ページで犯人が分かった気になった自分が恥ずかしい。しかも、その罠に気づいてからも、誰が犯人か迷いに迷う。後半150ページくらいでなんとなくわ

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    2025年07月23日
  • ランナウェイ

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    「米国屈指のヒットメーカーが放つ極上のサスペンス!」ー〉帯のキャッチコピーに偽りはなかった。

    それにしてもこの人の物語の感想は書きづらい。
    なにを書いても“ネタバレ”になりそうだし、それがとてもこれから読む人の邪魔をするだろうし……

    ひとつだけ
    途中で読むのをできるだけ止めないこと。最善は一晩中かけて一気に読むこと。

    前作『裏切りの銃弾』よりも次作『森から来た少年』よりも“ザ・サスペンス”って感じで面白いこと間違いない。

    ホント面白かったです。

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    2025年06月06日
  • 偽りの銃弾

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    人には出来ることと出来ないことがある

    出来ないことを努力して出来るようになることは素晴らしいことだ
    そうやって人は成長していくのだ
    あるいはそれが生きるということなのかもしれない

    だがしかし
    どうしても出来ないことというのはある
    残念ながらある
    向き不向きというものがある
    努力では覆すことができない才能というものもある
    残念ながらある

    どうしても乗り越えられない壁に出会ったとき
    無理に超えようせず
    迂回して別の道を進むことも必要だ
    あるいは壁の向こう側に行くことをあきらめ
    引き返したっていい

    人生にはそういった壁が存在する

    例えばハーラン・コーベンをどうしてもハーラン・ベーコンと読ん

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    2024年09月15日
  • 誰も悲しまない殺人

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    映画やアニメや小説などストーリー性エンターテインメントのヒロインや主人公に対して、序盤はほとんど感情移入もしないのに
    ストーリーが進展していくに従ってどんどん親近感を覚えて味方したくなり、魅力的に見えてくる事がある
    そういう作品は自分なりに没入できていると思うし好悪の基準にしている

    この作品もまさにそうで
    最初はヒロインに何の親近感も抱かなかったが、お話が進むにつれ…

    どんでん返しやトリックで読ませるというよりは、人物描写に魅力を感じる
    近頃の海外ミステリー小説にこのタイプの作品が多くて気になるものも多い

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    2024年03月11日
  • 偽りの銃弾

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     比較的最近コーベン・ファンとなったぼくとしては、まだ数作の読み残し過去作品が残っている状況にやきもき。シリーズ作品が中途で未訳となって以来、すっかりスタイルを変えたシリアス系ミステリの単発作品が続くコーベンだが、中にはお馴染みキャラクターを語り継いだセミ・シリーズ作品や、コーベンワールド地続きと言えるような単発作品も見受けることができる。しかし、本書はそんな単発作品の中でも他のシリーズ・キャラクターは一切登場しないというかなり一作完成度に拘った作者の拘りが感じられる。

     主人公が、単独でしかも女性、というだけでも珍しいかなと思えるし、全体構成がサスペンス重視というようになっていて、多層構造

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    2024年02月21日