大谷瑠璃子のレビュー一覧
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ネタバレマイロン・ボライターシリーズで有名なハーラン・コーベンのノンシリーズ作品。
暴漢に襲われて死んだ夫ジョー。妻である元軍人のマヤは、戦時中のある行動が世界中にリークされた過去がある。葬儀を終えて友人からの助言に従い、日中のベビーシッターの行動を隠しカメラで録画するが、そこには死んだジョーが映っていた。。。
読み進めるほどに意外な事実が出てきて、誰一人信用できないストーリー…なんだけど、案外展開が遅いので中弛みするところもないではない。ただ、終盤の畳み掛けが、その辺りをどうでも良くしてくれるほど素晴らしい。
マヤの、あまりにも周りに頼らない性格が好きではなく、途中モヤモヤさせられることが多かっ -
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久々に、文句なしに面白い海外ミステリでした。
海外ミステリのボトルネックは、訳者の技量で作品の良し悪しが左右されてしまうところにあります。
本書の訳者である大谷瑠璃子さんはとても良い翻訳者だと思いました。
読書中、翻訳書であることを忘れてしまうぐらいに、こなれた日本語に翻訳がなされています。
それから、海外ミステリに付きものの「登場人物の名前の煩雑さ」が、本書にはありません。
海外ミステリといえば、ファーストネームとファミリーネームが、会話の中や地の文で規則性も無しに散らかってることが多いです。地の文でずっとファーストネームで呼んでたのに突然ファミリーネームで呼ばれることもあり、「あれ?誰だ -
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家族、親子、夫婦、ドラッグ、暴力、ネット、メディア、拡散、殺人、失踪、新興宗教、携帯、遺伝子、etc. etc。現代のミステリーは、犯罪の内容も、手段も、情報も、捜査方法も、過去のそれとは大きく異なってきている。そのことを嫌というほど感じさせる作品。
ハーラン・コーベンを読むのは実は初めてなのだが、本書を読む限り、本物の香りを芬々とさせる、濃厚なテイストの、誠実で間違いのない作家、と言うに尽きる。
グリーン家という家族で構成されるユニットを、さらに父、母、兄弟、姉妹、という具合に、それぞれの関係を多角的に描きつつ、あくまでも主人公は長女を探す父サイモン、という設定で貫く。副主人公とも -
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ネタバレ「ステイ・クロース」が面白かったので、ハーラン・コーベンの他の作品も読んでみようと、手に取った作品。
いやーこれは上手い小説だ。謎また謎の積み重ね(解説の堂場瞬一さんに曰くたまねぎ小説)その重ねようにページを繰る手が止まらない。
詐欺の手法で、次から次に説得力のあるような根拠のあるような逸話挿話ショートメッセージを怒涛のようにしゃべりたて、返事する間を与えずいつの間にか聞き手の意思を操る手法があると聞いたが、まさにそれ。
テンポよく次から次へ、不可解な事件や不審な登場人物やあれやこれや出てきて衝かれるように、読み進める。ちょっと余裕が出てきて疑問符が浮かんで、その疑問符を持ち込んだまま、ク -
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ネタバレ主人公は臨床心理士のクロエ。
かつて、故郷のルイジアナ州ブローブリッジの町では連続少女失踪事件が起きていた。
単独の事件であれば家出の可能性もあるが、地理的、時間的集中性から何者かによる犯行であることが確実。
ところがこの犯人は痕跡を一切残さない。
普通のサイコパスは、自分の力を誇示しようと何らかの特徴を残すのに。
その事件の犯人は父だった。
クロエが自宅で見つけた証拠が決め手となったが、遺体は今も見つからないまま。
ちょうど20年経とうとする今、転居し新たな人生を歩み始め、結婚も間近のクロエの住むバトンルージュの町で模倣犯かのような事件が起き始める。
ありがちな設定であることは否めない。 -
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読んだ本 すべての罪は沼地に眠る ステイシー・ウィリンガム 20250722
嫁さんが読んだ本のお下がりです。嫁さんはホントに何の前情報もなく面白そうなのを選ぶ人で、時に続編をいきなり買ってきたりするんです。ということなんですが、自分で選ぶとどうしても偏るので、こういうのもいいなって思ってます。
で、この本、題名も作者も聞いたことないんで、先入観なく読み始めたんですが、よくできた推理サスペンスで、全て俯瞰できなければ書けないようなストーリー。読んで数ページで犯人が分かった気になった自分が恥ずかしい。しかも、その罠に気づいてからも、誰が犯人か迷いに迷う。後半150ページくらいでなんとなくわ -
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人には出来ることと出来ないことがある
出来ないことを努力して出来るようになることは素晴らしいことだ
そうやって人は成長していくのだ
あるいはそれが生きるということなのかもしれない
だがしかし
どうしても出来ないことというのはある
残念ながらある
向き不向きというものがある
努力では覆すことができない才能というものもある
残念ながらある
どうしても乗り越えられない壁に出会ったとき
無理に超えようせず
迂回して別の道を進むことも必要だ
あるいは壁の向こう側に行くことをあきらめ
引き返したっていい
人生にはそういった壁が存在する
例えばハーラン・コーベンをどうしてもハーラン・ベーコンと読ん -
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比較的最近コーベン・ファンとなったぼくとしては、まだ数作の読み残し過去作品が残っている状況にやきもき。シリーズ作品が中途で未訳となって以来、すっかりスタイルを変えたシリアス系ミステリの単発作品が続くコーベンだが、中にはお馴染みキャラクターを語り継いだセミ・シリーズ作品や、コーベンワールド地続きと言えるような単発作品も見受けることができる。しかし、本書はそんな単発作品の中でも他のシリーズ・キャラクターは一切登場しないというかなり一作完成度に拘った作者の拘りが感じられる。
主人公が、単独でしかも女性、というだけでも珍しいかなと思えるし、全体構成がサスペンス重視というようになっていて、多層構造