郷原信郎のレビュー一覧
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郷原信郎弁護士がその活動のテーマを一冊の本に仕立てたもの。
彼の主張はYouTubeで聴いているので、違和感なく読むことができた。
そのテーマとは
第一章 刑事司法が「普通の市民」に牙をむくとき~日本の刑事司法制度で被告の訴えは届くか
第二章 「日本の政治」がダメな本当の理由~「公選法」「政治資金...続きを読むPosted by ブクログ -
読み応えのある本だった。理系で法律知識が乏しくても、ゴーン氏の逮捕から出国までの検察の動きや動機について理解することができた。
ゴーン氏に権力が集中しコンプライアンス上の問題はあったものの、企業としてのガバナンスに大きな問題があったことを理解した。また、日本の検察の実情を知り、ショックを受けた。大変...続きを読むPosted by ブクログ -
森友、加計学園、桜を見る会、そして国葬と、何が問題だったのか知りたい方におすすめします。与党だけでなく野党の責め方にも批判しているのも良かった。
与党が法的に問題がないという言葉で押し切る裏に、政治責任はこの国で失われたんだと悲観してしまいました。Posted by ブクログ -
”思考停止”とは、一体何が止まっているのか。
まさに、考えることが止まっている。
与えられた情報や、指示された事を、全く無批判に受け入れ、従い、行動している。
誰か(どこの誰かも知らない)が、テレビやネットを通じて垂れ流している情報が、あたかも真実であり、重要であるかのように伝えられ、信じ込まされて...続きを読むPosted by ブクログ -
【ゴーン氏の事件のように、役員報酬の記載が有価証券報告書虚偽記載の犯罪として摘発された例はなかったのに、「未払いの役員報酬」の問題でいきなり経営トップを逮捕・起訴するというような、経済社会の常識に反する検察のやり方がまかり通るのであれば、検察が、上場企業の経営権の帰趨を左右することになる。それはコー...続きを読むPosted by ブクログ
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自分の業界、専門でも「思考停止」だと思うことがままある。
欧米との比較論で単純に批判してきたが、
本書を改めて読んでみると、日本社会全体に巣食う病理であることが分かる。
・食品「偽装」「隠蔽」
・経済司法の思考停止
・司法への市民参加(裁判員制度)の思考停止
・厚生年金「改ざん」の思考停止
・マス...続きを読むPosted by ブクログ -
コンプライアンスとは「法令順守」ではなく、「社会的要請への適応」と解釈すべきと作者は問う。
本来、何のために法律が存在するのか?単純に法律を遵守する事が社会の要請に応える事にはなっていないにも関わらず、「法令を守れば良い」、「法令に従って物事の是非を判断すれば良い」と単純化されていないか、作者は警笛...続きを読むPosted by ブクログ -
食品偽装としては同じ内容だったのに、プリンスホテルと阪神阪急ホテルズでは、なぜあんなにも,マスコミ対応が違ったのか・・・非常に興味深い一冊です。Posted by ブクログ
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食品偽装としては同じ内容だったのに、プリンスホテルと阪神阪急ホテルズでは、なぜあんなにも,マスコミ対応が違ったのか・・・非常に興味深い一冊です。Posted by ブクログ
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細かい条文がどうなっているなどということを考える前に、人間としての常識にしたがって行動すること。そうすれば、社会的要請にこたえられる。
本来人間がもっているはずのセンシティビティというものを逆に削いでしまっている、失わせてしまっているのが、今の法令遵守の世界
組織が社会の要請にこたえるためには
1...続きを読むPosted by ブクログ -
組織、コンプライアンスを軸に検察から一般企業のあり方を勉強させられます。
「厚労省の冤罪をめぐり検察の問題点を指摘する本」と、勝手に思い込んで読み始めた私が、本書の真意を理解するまでには正直時間がかかりました。また、頭を回転させながらでないと内容理解できないので、気楽に読み始めて暫くはなかなか先に...続きを読むPosted by ブクログ -
コンプライアンス=法令遵守としてしまい、形から入り、形で終わっている今の世の中、会社、組織に警鐘を鳴らしている本。
筆者はコンプライアンス=「組織が社会的要請に適応すること」と定義していると書いてある。長いから広がらない、とあるが、個人的には辞書にこの意味が載るような簡潔な日本語が作られれば、と思...続きを読むPosted by ブクログ -
日本人が、本質、大局を見ずマスコミの指し示す方向に突っ走り、社会が悪い方へ悪い方へ行っていることを指摘する。社会のその性向は、太平洋開戦から何も進歩がないと。
東京地検特捜部を経験した著者は、日本の裁判所、検察が、恐ろしい状態にあり、経済状態にも本質的な悪影響を及ぼしていることを指摘する。司法が閉じ...続きを読むPosted by ブクログ -
所謂、陸山会事件の関係者の対談集。
誰が考えても無理筋の捜査、立件で検察審査会による裁判。
検察のウソがウソを拡大再生産してしまうという悪循環。
ニッチモサッチモ行かなくなり、最後の大嘘。
そのようなことの一連の流れが、正義をこよなく愛するメンバーの対談集。
閉鎖社会でコソコソ生きる検察が...続きを読むPosted by ブクログ -
他者のつくった言葉やルールを「遵守」することが大切だ、とする今の教育の危険性を指摘する本。最近の「実学」志向の流れは、「遵守」の危険性という考えが世の中に浸透してきたからうまれたものなのかな…と思った。Posted by ブクログ
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単に揚げ足を取るだけのようなことをもって「コンプライアンス」を論じる風潮に対して明確に否定しています。
思考停止とは非常に的を得た表現だと思います。
なぜ法令が守れないのか、守っていない方を単なる法令違反なのに重罪犯罪者の如く一方的な論調で「断罪」していくさま、またその行動を批判することになく受け入...続きを読むPosted by ブクログ -
さすが理系学部卒の検事出身、しかもコンプライアンス関係のアドバイザリ経験豊富な弁護士といった作者の書いたものだけあって、およそ「組織コンプライアンス」を論じたもののなかで、ダントツに説得力のある内容だと思いました。
法令「遵守」ではなく、目的指向の「ルールの創造・修正」こそがコンプライアンスだという...続きを読むPosted by ブクログ -
読み終わって、タイトル通りだな、と実感した。膝も何回も打った。そんな当然のことも分からなかった、自身の不勉強と意識の欠如を恥じる。Posted by ブクログ