郷原信郎のレビュー一覧
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九州電力「やらせメール」問題の深層という副題が示すとおり、九州電力の玄海原子力発電所の運転再開をめぐるメール問題などを調査した第三者委員会委員長が書き綴った詳細な調査にかかわる人間模様である。
また、最近の組織の不祥事で設置された第三者委員会と九州電力との対比も書かれている。
あとがきでは、検察...続きを読むPosted by ブクログ -
九州電力「やらせメール」問題の深層という副題が示すとおり、九州電力の玄海原子力発電所の運転再開をめぐるメール問題などを調査した第三者委員会委員長が書き綴った詳細な調査にかかわる人間模様である。
また、最近の組織の不祥事で設置された第三者委員会と九州電力との対比も書かれている。
あとがきでは、検察...続きを読むPosted by ブクログ -
官製談合などを引き合いに、立法事実を軽視した法運用がいかに社会にマイナスに作用するか、また昨今の企業不祥事で散見される、無自覚な「法令遵守」だけをして本質的な原因追求をしないために、類例が何度も繰り返されているのではないかと警鐘を鳴らしています。
また、本質を見失ってしまうのは、官僚やマスコミの行...続きを読むPosted by ブクログ -
西欧近代主義の産物である近代的な組織。
その組織が陥ってしまう組織防衛的な教条主義。
官民を問わず、重大な不祥事が生じたとき、第三者委員会委員という立場でコンプライアンスをプラス思考で適応してきた著者。
クライシスマネジメント、ルールの創造へと新たな提案をされている。
日本国民がしっかりと読...続きを読むPosted by ブクログ -
日本社会に蔓延る「法令遵守」そのものの自己目的化、絶対化の影響について論じた本。当書では不二家など食品会社の不祥事、耐震偽装、ライブドア事件などの経済司法、裁判員制度、社会保険庁の「宙に浮いた年金記録」、マスメディアの報道問題など多岐に渡ってこの問題を扱っている。
全体的に言えるのは、「法令違...続きを読むPosted by ブクログ -
著者が関わった第三者委員会での視点が面白い。不二屋、社保庁、「あるある」(関西TV)と「朝ズバ」(TBS)の違いなど(TBSに問題)など。
単純な善悪二元論ではすまないが、現代マスコミへの対応を含め、どう対外発信するかをかんがえさせられる本Posted by ブクログ -
法規の試験で建築基準法はやったけど。あの手のものを大量に覚えることを必死にやるのは。。う〜ん。なんだかなぁ。でも思考停止はまずい。脳みそついてんだから考えないとね。Posted by ブクログ
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法令遵守・コンプライアンスというフレーズが出てくると、今の日本社会では、みんな立ちすくんでしまう。思考停止に陥ってしまう。
そして、『食の「偽装」「隠蔽」』、『「強度偽装」「データ捏造」』、『市場経済の混乱を招く経済司法』、『司法への市民参加』、『厚生年金記録の「改ざん」問題』、『思考停止するマス...続きを読むPosted by ブクログ -
守るべきものの先に何があるのかを考えぬままルールを敷いてしまったために歩みを止めた日本の現状を綴っている。少々難しくもあるが経済・経営に興味があるならお薦めしたい。Posted by ブクログ
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長崎で大活躍した郷原元検事の痛快な一冊。法の背景にある社会的要請を忘れて、細かな法令にこだわる”法令遵守”が大手を振って歩く最近の日本は、大間違いだと説く。Posted by ブクログ
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社会の現状に照らし合わせた必要性からは乖離した法令をただ闇雲に遵守することで起こる弊害を、談合問題・ライブドア事件・村上ファンド事件・耐震強度偽装事件などの具体例をあげて説明している。法令本来の目的を見失い法令遵守が自己目的化したり、包括的規定に基づいて処罰するべき案件を形式犯として罰則を適用したり...続きを読むPosted by ブクログ
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法令と社会的要請との間にズレがあるのに、企業が法令規則の方ばかり見て、その背後にどんな社会的要請があるかということを考えずに対応すると、法令は遵守しているけれども社会的要請には反している、ということが生じる。社会的要請に応えていくことこそがコンプライアンスである。確かにそう思う。
「社会的要請」とい...続きを読むPosted by ブクログ -
遵守の対象は法令。日本では法令は非日常の世界のためのものであり、人々の生活、日常のトラブルや揉め事は法令ではなく社会的規範や倫理に基づいて解決してきた。
ところが遵守の対象が社会的規範にまで及ぶようになり、これが遵守されないと「隠蔽」「偽装」「改ざん」「捏造」というレッテルを貼る。日本らしいといえば...続きを読むPosted by ブクログ -
コンプライアンス関連の業務を行うことになったので、勉強のために手に取ったうちの一冊が本書だった。内容的には第一章が「コンプライアンスとは何か」という説明であり、第二章が「法律とコンプライアンス」の説明を提示している。
法律家から見るとおそらくこのアプローチが正しいのだろうけど、実務的には根拠となる...続きを読むPosted by ブクログ -
よくテレビ等にも出演している元検察官で弁護士の郷原信郎氏の新著。東大理系卒で脱サラして法曹界へ仲間入りした異端の経歴だからこそ、素人にも分かりやすく日本の法律が問題であるか解説できていたと思う。人質司法や政治資金法、インボイスなどのトピックは興味がもてたから楽しく読めたが、原発の賠償請求などについて...続きを読むPosted by ブクログ
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だいぶ時間がかかってしまったがなんとか読み終えた。仕事の分野に直結するものなので、時折各パート毎に再読したい。Posted by ブクログ
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人質司法などの問題を論じる。発生型事件と立件型事件の二種類が存在する。どちらも冤罪が起こる。立件型事件は贈収賄事件、経済事犯など捜査機関の判断で立件するタイプである。事件そのものがでっち上げということもある。不当逮捕や冤罪は市民の生活を木端微塵にする。冤罪への怒りの声は大きくなる。Posted by ブクログ
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2009年の本だが現代でも通用する。法令は遵守することが目的ではなく法令の内容自体を柔軟に変化させ実態との乖離を防ぐべきだ。日本国憲法が一度も改正されていないこともおかしい。社会現象も自分の頭で考えるべきだ。偽装、隠蔽、捏造、改ざん等言われているが実際は法律が実態と合わないこともよくある。ライブドア...続きを読むPosted by ブクログ