郷原信郎のレビュー一覧

  • 「法令遵守」が日本を滅ぼす

    Posted by ブクログ

    官製談合などを引き合いに、立法事実を軽視した法運用がいかに社会にマイナスに作用するか、また昨今の企業不祥事で散見される、無自覚な「法令遵守」だけをして本質的な原因追求をしないために、類例が何度も繰り返されているのではないかと警鐘を鳴らしています。
    また、本質を見失ってしまうのは、官僚やマスコミの行動が弊害になっているからという指摘は同感ですが、根拠についての記述がいささか弱かったかなという印象です。
    「法令遵守」=「コンプライアンス」ではないという説明に著者の主張が凝縮されており、「コンプライアンス」の真の意味を問い直すのに、一読の価値ありでしょう。

    0
    2011年11月12日
  • 組織の思考が止まるとき 「法令遵守」から「ルールの創造」へ

    Posted by ブクログ

    西欧近代主義の産物である近代的な組織。

    その組織が陥ってしまう組織防衛的な教条主義。

    官民を問わず、重大な不祥事が生じたとき、第三者委員会委員という立場でコンプライアンスをプラス思考で適応してきた著者。

    クライシスマネジメント、ルールの創造へと新たな提案をされている。

    日本国民がしっかりと読んで欲しい著作である。

    0
    2011年06月16日
  • 思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     日本社会に蔓延る「法令遵守」そのものの自己目的化、絶対化の影響について論じた本。当書では不二家など食品会社の不祥事、耐震偽装、ライブドア事件などの経済司法、裁判員制度、社会保険庁の「宙に浮いた年金記録」、マスメディアの報道問題など多岐に渡ってこの問題を扱っている。

     全体的に言えるのは、「法令違反だから」という理由で猛烈にバッシングしておきながら、真相が明らかになる頃には皆無関心を決め込む、バッシングのみに関心が集中して本来の問題が忘れられるという傾向が日本に見られることである。

     それはマンションの耐震偽装については、1981年の建築基準法改正前に立てられた物件の中には、偽装物件より耐

    0
    2011年06月05日
  • 組織の思考が止まるとき 「法令遵守」から「ルールの創造」へ

    Posted by ブクログ

    著者が関わった第三者委員会での視点が面白い。不二屋、社保庁、「あるある」(関西TV)と「朝ズバ」(TBS)の違いなど(TBSに問題)など。
    単純な善悪二元論ではすまないが、現代マスコミへの対応を含め、どう対外発信するかをかんがえさせられる本

    0
    2011年05月04日
  • 思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

    Posted by ブクログ

    法規の試験で建築基準法はやったけど。あの手のものを大量に覚えることを必死にやるのは。。う〜ん。なんだかなぁ。でも思考停止はまずい。脳みそついてんだから考えないとね。

    0
    2010年10月07日
  • 「法令遵守」が日本を滅ぼす

    Posted by ブクログ

    守るべきものの先に何があるのかを考えぬままルールを敷いてしまったために歩みを止めた日本の現状を綴っている。少々難しくもあるが経済・経営に興味があるならお薦めしたい。

    0
    2009年11月12日
  • 「法令遵守」が日本を滅ぼす

    Posted by ブクログ

    この手の本色々読んだが・・・ふむふむと納得させられる点があったことではこれが一番かも。5つ星あげちゃいます。

    0
    2009年10月04日
  • 「法令遵守」が日本を滅ぼす

    Posted by ブクログ

    まっとうな本。
    コンプライアンスを言葉の武器にしてはならい。そしてまたバックラッシュを主張しているわけでもない。

    0
    2009年10月04日
  • 「法令遵守」が日本を滅ぼす

    Posted by ブクログ

    長崎で大活躍した郷原元検事の痛快な一冊。法の背景にある社会的要請を忘れて、細かな法令にこだわる”法令遵守”が大手を振って歩く最近の日本は、大間違いだと説く。

    0
    2009年10月04日
  • 「法令遵守」が日本を滅ぼす

    Posted by ブクログ

    社会の現状に照らし合わせた必要性からは乖離した法令をただ闇雲に遵守することで起こる弊害を、談合問題・ライブドア事件・村上ファンド事件・耐震強度偽装事件などの具体例をあげて説明している。法令本来の目的を見失い法令遵守が自己目的化したり、包括的規定に基づいて処罰するべき案件を形式犯として罰則を適用したりするために不利益をもたらしていることが多いという点を指摘しながら、法令の背後にある社会的要請に応えていくという日本型のコンプライアンスとそれに基づく組織づくりを提案している。面白くためになる本でした。

    0
    2009年10月07日
  • 思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

    Posted by ブクログ

    2009年刊行の本なので取り上げられている事例は伊藤ハム、不二家、耐震強度偽装、村上ファンド、ブルドックソース、秋田連続自動殺害事件、厚生年金記録改ざん問題など、やや古い話題ですが、これらの問題の根底にある状況に対する著者の指摘は昨今の検査不正・認証不正問題などにもそのまま当てはまる気がします。
    「法令」は例えるならアメリカ社会では普段使いの「文化包丁」であるのに対して日本社会では「伝家の宝刀」(最終手段)であったところにアメリカ流に何でもかんでも「遵守」という姿勢が持ち込まれたために社会が思考停止状態になってしまっているという著者の例えには首肯せざるを得ません…。

    0
    2024年10月30日
  • 思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

    Posted by ブクログ

    遵守の対象は法令。日本では法令は非日常の世界のためのものであり、人々の生活、日常のトラブルや揉め事は法令ではなく社会的規範や倫理に基づいて解決してきた。
    ところが遵守の対象が社会的規範にまで及ぶようになり、これが遵守されないと「隠蔽」「偽装」「改ざん」「捏造」というレッテルを貼る。日本らしいといえばそれまでだが、直していこうという動きは必要だろう。

    0
    2024年02月14日
  • 「法令遵守」が日本を滅ぼす

    Posted by ブクログ

    法令と社会的要請との間にズレがあるのに、企業が法令規則の方ばかり見て、その背後にどんな社会的要請があるかということを考えずに対応すると、法令は遵守しているけれども社会的要請には反している、ということが生じる。社会的要請に応えていくことこそがコンプライアンスである。確かにそう思う。
    「社会的要請」という言葉は勉強になった。
    確かに合法か違法か、ということにばかり注目が集まるが本質はそこではない。事例の中に、合法ではないが社会的要請には応えている、というものが数多くあり、一方で社会的要請に応えていない法律が今だに残っていることは驚きだ。本質よりも形式を重んじる風潮は滅びゆく日本の兆しなのかもしれな

    0
    2024年02月14日
  • 初級 ビジネスコンプライアンス 第3版―「社会的要請への適応」から事例理解まで

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    コンプライアンス関連の業務を行うことになったので、勉強のために手に取ったうちの一冊が本書だった。内容的には第一章が「コンプライアンスとは何か」という説明であり、第二章が「法律とコンプライアンス」の説明を提示している。

    法律家から見るとおそらくこのアプローチが正しいのだろうけど、実務的には根拠となる法令とコンプライアンスの関係よりも、もう少し幅広く事例や取り組み方を知りたいと思っていたわけで、やや自分にはアンマッチだった。

    0
    2024年02月05日
  • “歪んだ法”に壊される日本 事件・事故の裏側にある「闇」

    Posted by ブクログ

    よくテレビ等にも出演している元検察官で弁護士の郷原信郎氏の新著。東大理系卒で脱サラして法曹界へ仲間入りした異端の経歴だからこそ、素人にも分かりやすく日本の法律が問題であるか解説できていたと思う。人質司法や政治資金法、インボイスなどのトピックは興味がもてたから楽しく読めたが、原発の賠償請求などについては事件自体の関心が薄かったためいまいち頭に入らなかった。
    ただ、この本を読めば、ニュースとなった事件の何が問題なのかを深堀できるのは間違いない。

    0
    2023年08月05日
  • 初級 ビジネスコンプライアンス 第3版―「社会的要請への適応」から事例理解まで

    Posted by ブクログ

    だいぶ時間がかかってしまったがなんとか読み終えた。仕事の分野に直結するものなので、時折各パート毎に再読したい。

    0
    2023年04月09日
  • 思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

    Posted by ブクログ

    2009年の本だが現代でも通用する。法令は遵守することが目的ではなく法令の内容自体を柔軟に変化させ実態との乖離を防ぐべきだ。日本国憲法が一度も改正されていないこともおかしい。社会現象も自分の頭で考えるべきだ。偽装、隠蔽、捏造、改ざん等言われているが実際は法律が実態と合わないこともよくある。ライブドア、粉飾、保険料滞納、建築基準法、これからは法令を使いこなしていきたい。

    0
    2022年02月06日
  • 初級 ビジネスコンプライアンス 第2版―「社会的要請への適応」から事例理解まで

    Posted by ブクログ

    結局、企業が自分たちの力で「どんな事実だったのか」を明らかにする努力をせず、そのために同じ業界内、同じ企業においても、同じ問題がまた起こることになる。この一文が、企業不祥事がいつに経っても無くならない原因を良く表していると思った。

    0
    2019年08月04日
  • 思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

    Posted by ブクログ

    先日、社内会議の席で「思考停止」というフレーズを
    連発するヒトがいて、なかなか面白い表現をするなぁ
    と思っていたところ、本書を書店で見つけた。
    そこで、すかさず購入。

    食品企業の不祥事や、年金記録の改ざん問題、裁判員
    制度などを取り上げて、「法令遵守」という「思考停止」
    に警笛を鳴らしている一冊。

    不二家の信頼回復対策会議の議長を務めた郷原さんの
    論理展開は実に明晰で、説得力も十分。
    (不二家のところは少し甘い気もするが。)
    法曹界の方には必読の書、と言ってもいいほどの内容と
    思う。

    ただ、マスメディアを斬った章はやや物足りなかった。
    本書で取り上げられている「

    0
    2018年11月18日
  • 思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

    Posted by ブクログ

    "多くの人に読んでもらいたい本の一つだと感じた。たまたま私は、伊藤ハムの事件について、従業員の声も聞けたし、柏市の保健所の立場の声も聞けた。概ね本書に記載の通りである。中核市になった柏市が保健所を自主運営する最初の仕事が伊藤ハムの水質問題になった。本書に記載の通り、見誤った対応のすえ、何ら食品に問題がない商品の回収をせざるを得なくなった企業の風評被害は甚大であり、従業員たちの苦労も聞いているだけに、正しい報道をすることのないマスコミには憤りを感じる。
    同様に、本書のTBSと日テレの対応の違いとその後の処分の違いに、また怒りすら感じてきてしまう。
    いずれにしろ、風説に惑わされずにしっか

    0
    2018年10月18日