郷原信郎のレビュー一覧

  • 「法令遵守」が日本を滅ぼす

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    「法例遵守」することで、大丈夫だと思っている日本人に向けて、それが問題の解決にはならないことを指摘する良書。

    談合が非公式のシステムとして認められたことであること、公正取引委員会が歴史的には非常に難しい立場であったこと、ライブドア、村上ファンド、耐震強度偽装事件、パロマ事件などを例に挙げて、官とマスコミがそれを後押ししていると指摘している。

    日本の法律は元々、実態にあっていく慣習法ではなく、大陸成文法であるとともに、学者の研究も経済活動などとは無縁で、法学のタコつぼにとじこもって、主に、民法、刑法、行政法が研究対象になる。このような中で、フルセット・コンプライアンスの考え方が有効であると指

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    2012年05月13日
  • 検察の正義

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    理系出身で就職後、司法試験に合格して検事になったという変わり種の著者が、検察の正義がうまくきのうしていたものが、機能しにくくになっている現状を鋭く指摘している書。

    内容は、検事になった理由から始まり、日常の仕事や人々の関わり、検事が多くの権利を有していることを説明している、また、問題となっている、経済検察としてライブドア、村上ファンドの問題、政治家の献金として小沢事件を取り上げて、どちらも不発であり、刑事事件の巨悪を退治するという昔ながらの公式に幻想を抱き、現代の複雑で多様化している社会に対応できなくなりつつあることを指摘している。

    検察の内部からの告発はなかなか少ないとは思うが、社会に適

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    2012年04月30日
  • 組織の思考が止まるとき 「法令遵守」から「ルールの創造」へ

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     検察問題を入り口に,コンプライアンス≠法令遵守という持論を展開。フルセットコンプライアンス,リスクマネジメントとクライシスマネジメント,などなど,非常に予防法務的な立論です。コンプライアンスを社会の要請に応えるという意味だと強調すればする程,法律家の専売特許ではなくなるような気もしますが,修羅場をくぐってると言う意味では,コンプライアンスもしくはリスク・クライシスマネジメントの専門化の供給源としては有力であり続けるのでしょう。
     ビジネス書的な側面も強い本ですが,検察と法務省,法務大臣ととの関係など,検察論としても実務経験のある法律家らしい分析がされています。

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    2012年04月15日
  • 検察の正義

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    とても説得的な文章だと思います。タイトルは表層的な皮肉かと思いきや、問題の本質を表してます。こういう人が地検の次席までやれた時代があったんだなぁ。。。現役の検察官からみれば色々言いたいことはあるとは思うけど、これくらいの問題意識は共有して欲しい。今まで縁のあった心ある検察官の感想を聞いてみたいと思う一冊でした。個人的に残念なのは鹿児島地検名瀬支部長時代について経歴としてすら触れられてないことです。著者がこの島で何を感じどう考えたのかに興味が湧きます。

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    2012年04月07日
  • 「法令遵守」が日本を滅ぼす

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    ネタバレ

    『法令遵守が日本を滅ぼす』。なんだかタイトルもあざといし、新潮新書なのであまり期待しない方がいいかな(←出版社差別)と思いながら読んでみたのですが、思ったよりも面白く読み応えのある本でした。

    法律と企業倫理のこれまでの関係と、そのこれからあるべき関係が述べられています。具体例や歴史的経緯、それに日本人の法感覚などに照らし合わせながら論述が進められていくので、本の厚さに対して情報量も相当なものです。

    まあ大まかな作者の主張はタイトルの通りで、最近は法令遵守ということがよく言われるけれどそれだけではダメだ、ということです。

    規則を無視するのも、規則を無批判に遵守するだけの態度も、どちらも間違

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    2012年04月02日
  • 組織の思考が止まるとき 「法令遵守」から「ルールの創造」へ

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    郷原氏の著書
    コンプライアンスの定義『社会の要請に応えること』の意味を、各業種における過去事例を交えて説明。

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    2012年01月29日
  • 「法令遵守」が日本を滅ぼす

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    有名な郷原弁護士の著書。
    フルセット・コンプライアンス論の提唱者。今取り組んでいるコンプラ課題の来季以降の方向性の参考にと、購入してみました。『食の不祥事を考える』と『司法記者』は読んでみようかと…

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    2012年01月10日
  • 思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

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    ネタバレ

    思考停止社会か。本書に出てくる、事件は当時メディアでよく騒がれていた。年金の問題、食品偽装、livedoor事件等。自分も思考停止に陥っていて、「ああ、また悪いことしているよ」と思っていた。

    それは何故か。今、出た答えは、固定観念が強くて知ろうとしなかったことがデカイのかも。

    でも、そこから知ったきっかけは何だったんだろう。うーん。

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    2011年12月09日
  • 組織の思考が止まるとき 「法令遵守」から「ルールの創造」へ

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    組織が思考停止状態にならないことはいざ組織を運営する側になると想像以上に難しい。

    いざ困難に直面すると、組織が思考停止状態にある場合がほとんどで、この本の深さが分かる。

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    2012年08月10日
  • 組織の思考が止まるとき 「法令遵守」から「ルールの創造」へ

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    ネタバレ

    ・「コンプライアンス」とは「法令遵守」のことではない。組織が社会の要請に応えることだ。
    ・なぜその法令があるのか?ということから根本的に問い、皆で話し合い、場合によっては法令の改正まで考える「ルールの創造」が必要。
    ・組織としてセンシテイビティーを鋭くすることが重要

    会社の守りをサッカーにたとえていたので印象的。

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    2011年11月15日
  • 組織の思考が止まるとき 「法令遵守」から「ルールの創造」へ

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    ネタバレ

    著者は東京地検特捜部、法務省法務総合研究所総括研究官等を経た、日本における組織のコンプライアンスの第一人者(巻末の著者紹介より)。

    コンプライアンスを単に「法令遵守」ではなく、「社会の要請に応える」という観点で取り組むべきと解説する。

    自分は現状「法令順守」を推進する部署に所属しているが、思考を停止して形式的な「法令順守」を振りかざし、クライシスマネジメントにあたらないようにしなければならないという教訓となった。

    <取上げられた事件>
    ・郵便不正事件(証拠改竄)
    ・筋論クレーマーへの対応
    ・年金改竄問題
    ・医療過誤問題
    ・「あるある」の「納豆ダイエット」
    ・「朝ズバ」の「不二家パッシング

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    2011年10月26日
  • 組織の思考が止まるとき 「法令遵守」から「ルールの創造」へ

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    とかくコンプライアンス=「法令順守」と考えられがちであるが、その考え方が組織を萎縮させ、思考停止を起こし、問題が発生した場合に間違った対処を行って取り返しのつかない結果を引き起こすと説明する。コンプライアンスは、「社会の要請に応えること」であり、組織の目的・存在理由を念頭に置いておくこと、それを感じ取るセンシティビティーが重要であるとする。単に法律を守るということは枝葉末節に過ぎず、そこに拘ってしまい危機管理対応を間違った具体例(年金改竄、医療過誤、マスコミの捏造問題等)を挙げて実証していく。著者の出自である検察の郵政不正事件についても頁を割いて解説する。社会は何を求めているのか・・・。

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    2011年09月12日
  • 思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

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    法令遵守の御旗の下で繰り返されるマスコミのバッシング、マスコミ自体の虚偽報道、その他。
    年金改ざんの問題の実態をきくと、じゃあどうすればいいのか、という気になる。役人が良心に基づき良かれと思ってやっていることなので、目をつぶるべきなのか。その前提で着服、使い込みをしたのがそもそものきっかけではなかったのか。
    賢者による善政が敷かれたのは、奴隷によって市民が労働から解放されていた古代ギリシャぐらいだろう。不信感の充満した現在の日本で、ガス抜きバッシングが頻発するのは当然とも思える。

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    2011年07月08日
  • 思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

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    耐震偽装、賞味期限といった世間を賑わせた社会問題から、「法令遵守」の皮をかぶった「思考停止」に対する警鐘を鳴らす。実例が豊富でわかりやすい。思考停止は法律に限らず、学校や企業などどこでも起こりうることだと私は思う。問題なのは、「思考停止」自体ではなく、「思考停止」を自覚できているかということな気がする。

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    2011年07月02日
  • 組織の思考が止まるとき 「法令遵守」から「ルールの創造」へ

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    コンプライアンスは「法令遵守」ではない、というのはおっしゃるとおり。。しかし社会の要請を見極め、それに応えていくことは本当に難しい。

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    2011年05月29日
  • 「法令遵守」が日本を滅ぼす

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    [ 内容 ]
    「申し訳ございません。違法行為を二度と起こさないよう、コンプライアンスを徹底いたします」とは、不祥事を起こした際の謝罪会見での常套句。
    だが、こうした「コンプライアンスとは単に法を守ること」と考える法令遵守原理主義そのものが、会社はおろか、この国の根幹をも深く着実に蝕んでいるのだ。
    世の中に蔓延する「コンプライアンス病」の弊害を取り上げ、法治国家とは名ばかりの日本の実情を明らかにする。

    [ 目次 ]
    第1章 日本は法治国家か
    第2章 「法令遵守」が企業をダメにする
    第3章 官とマスコミが弊害を助長する
    第4章 日本の法律は象徴に過ぎない
    第5章 「フルセット・コンプライアンス」

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    2011年05月22日
  • 検察の正義

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    検察の証拠改ざんとかリアルタイムで検察が話題になってた時に読んだけど、この組織の硬直した部分の理由が良くわかった。

    でも本著はそーいうところよりも、この著者の物語が話の中心で、それがとってもおもしろい。

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    2011年05月22日
  • 組織の思考が止まるとき 「法令遵守」から「ルールの創造」へ

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    ネタバレ

    コンプライアンス、法令遵守でさえ、所詮は「手段」に過ぎないんだと認識した。どんなことでも大切なのは、やはり「目的」そのもの。「手段」としてのコンプライアンスが「目的」化するから、おかしくなる。
    コンプライアンス、法令遵守の「自己目的化」が、さまざまな弊害を生んでる。確かに、そのとおり!!
    自分たちで作りだしたルールに、盲目的に縛られているばかり。だったらそれを変えればいいのに、そうしようとする力・アクションが湧き出してこない。だから、ますます上意下達は強化され、一方で現場のモチベーションは下がるばかり。
    どうすれば、現場から上を突き動かすことができるようになるのか?それが課題。



    ・法令・

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    2011年03月26日
  • 「法令遵守」が日本を滅ぼす

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    2011/02/28読んでいる最中の感想
    法律の目的が風化すると、ただ守ることだけが目的となり、当初の目的や意図が活かされず、かえって経済や社会への悪影響が生まれる。
    一般的には悪である"談合"にも、インフレ時代には社会的な存在意義があった。だが、デフレの時代では存在意義が薄れている。

    罪刑法定主義の考え方と相容れないのは、刑法が個人の自由への制裁を目的としているのに対し、商法上の独占禁止法などが、経済の発展を目的としている点の違いなのかな。

    乱文なので、読み進めていくうちに考えを纏めたい。

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    2011年08月15日
  • 思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

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    事実を不公平なく伝えられないマスメディアへの批判
    ●不二家や伊東ハム・姉歯建築・消えた年金問題の真相 マスコミの報道との齟齬
    また「虚偽を正したものへのあまりに厳しい制裁」「うやむやなままにしておいた方が非難されない」という社会の有り様に言及。
    社会の風潮に多大な影響を与えるマスコミの問題点など。

    マスコミ(テレビ番組)の報道内容を批判しているが、すべての問題は「法」の問題に帰結する。
    (郷原さんは法律家なので。)

    社会問題とマスコミの関わりについて述べながら、法の望ましいあり方を論じています。

    日本の法令は実際の生活になじんでいない。徒に権力を振り回す法ではなく、より国民の生活を支える

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    2011年01月28日