郷原信郎のレビュー一覧

  • 検察崩壊 ─失われた正義─

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    特捜検察の手法は、鈴木宗男さんや佐藤優さんの逮捕・判決のプロセスを他の本で知り得ていたが、一度決めた筋を徹底して多少の無理があっても作り込む様は、今回のインタビューからもよく伝わってきた。正義云々ではなく、勝つか負けるかということが、本質だなと感じた。

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    2017年05月07日
  • 企業はなぜ危機対応に失敗するのか 相次ぐ「巨大不祥事」の核心

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    仕事に少し関連することもあり手にしました。“不祥事”と呼ばれた出来事とその時の企業の対応、またそれに対する消費者や世の中の反応を紹介しています。消費者の批判に対し企業が改善を行っていくことの社会的な意義を認めつつも、程度の問題として、どのような社会を我々は求めるのかと疑問を呈する文章が印象的でした。

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    2015年05月01日
  • 虚構の法治国家

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    検察と裁判所という司法権力機構の内部組織に属する人たちが、外部から遮断された状態の中で、お互いの保有する国家権力をもたれ合いながら唯々諾々と人の命をもて遊ぶ。

    閉鎖的組織というものは、自らが長年踏襲してきた制度・慣習を正しいものと思いこみ、何ら反省することなく続けてしまう。

    司法官僚の実権は検察行政官僚が握っている。

    この本は、極々少数派である検察・司法の良識が悪習を正そうと語り合ったものである。

    検察と国税に脅される国会議員で構成される内閣で、司法行政を正すのは至難の業である(笑)。

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    2015年04月26日
  • 虚構の法治国家

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    郷原弁護士の名前は聞いていたが、本書でその迫力に圧倒された。

    美濃加茂市長が無罪になるのは当然のように思われる。
    小沢一郎、植草、が冤罪だろう、

    検察、裁判所が一体になっていれば何でも出来てしまう、いな、なされていたのだろう。

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    2015年03月22日
  • 思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

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    「はじめに」を読んで、法令遵守の何がいけないのかと思ったが、読み進めていくうちに著者の考えが理解できた。マスゴミの曲解による煽情的な報道、それに迎合する検察、裁判員制度の欠陥、法科大学院の問題など、著者の言うとおりだ。
     しかし残念ながら事態は何一つ良い方向に変わっていない。昨今の食品偽装問題でもシャケ弁をトラウト弁に言い換えるとか、大の大人がくだらない議論をしているのを見ると心底がっかりする。司法当局の認識の通り、90%以上の日本人は馬鹿か幼稚かのいずれかだ。これは間違いない。低俗なTVの報道を真実と思い込み、納豆が体にいいと聞けば納豆が棚から消え、バナナを食べれば痩せると聞けばスーパーでバ

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    2014年10月26日
  • 企業はなぜ危機対応に失敗するのか 相次ぐ「巨大不祥事」の核心

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    企業不祥事の本と思って手に取ったが、不祥事ではなく危機対応の本だった。副題ではなくメインタイトルを読めばわかる話なんだけれども。

    雪印の社長が「私は寝てないんだ」と叫んで「炎上」を引き起こしてから十数年。筆者の言う通り、企業を取り巻く環境は変わった。ほんのちょっとした誤解が増幅した時、平時には味方だったはずの当局やマスコミはオフェンス側に回り、誰も企業を守ってくれない。経営者はその状況を理解しているか、と問いかけるのが本書。いくつかの第三者委員会を仕切ってきた筆者ならではの視点で、パロマ、みずほ銀行、阪急阪神ホテルズと企業の「巨大不祥事」を解きほぐしていく。


    パロマは、自社製品で死亡事故

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    2014年04月29日
  • 検察の正義

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    ネタバレ

    基本的に郷原の主張はすべての著書で一貫しており、本書でも目新しい部分はない。ただ、最終章「長崎の奇跡」はやや手前味噌ながらある種の組織論として読むこともできる。また、造船疑獄の指揮権発動が検察捜査の行き詰まりにより捜査現場から法相に依頼されたものだという事実には驚いた。マスメディアには大きく取り上げられないだろうが、ある意味で戦後史を根底から塗り替える事実ではないだろうか。

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    2014年02月09日
  • 検察崩壊 ─失われた正義─

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    ネタバレ

    日々新聞を追うだけでも特捜検察の劣化ぶりが目に付くようになってきたのは、いつ頃からか。本書は数多の特捜事件の中で特に防衛省汚職事件、中でも影のフィクサーとされ逮捕された人物を巡って「被疑者の友人」である著者が個人的に知りえた情報を軸に、近年の検察の組織、捜査手法に批判を加えていく。そのため批判の対象は拡がりを欠くが、捜査のプロを生まない人材育成やマスコミへのリークを通じて形成した世論を追い風にする劇場型捜査、あらかじめ作られたシナリオ通りに自白を強要する捜査手法など、「崩壊」の状況はどの事件にも当てはまるように思える。
    これらの劣化を後押しするのはそれを伝えるメディアの劣化だ。著者自身もあとが

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    2014年01月12日
  • 企業はなぜ危機対応に失敗するのか 相次ぐ「巨大不祥事」の核心

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    問題が起きた時に、とにかく謝っておけばいいとか、とにかく同業他社の前例を踏襲しておけばいいとか、ちゃんと自分の頭を使っていない対応をとると命とりになりますよと言っている。
    ちゃんと正直にロジカルに、そして状況をよく見て、誠実に対処すること。当たり前のことなのだが、組織でそうした対応をできるかどうかは本当にトップ次第。

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    2014年01月30日
  • 検察崩壊 ─失われた正義─

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    ネタバレ

    陸山会事件での田代検事の虚偽調書作成について不問に付すという検察の決定に関して詳しく分析している本
    詳しい人同士の対談で進むので,一連の事件の経緯について予備知識がない人が読んだらイミフなのではあるまいか? という気もしたが,それなりに知っていて読んだので,「ふむふむ。なるほど」が多かった。

    特に有益だったのは,村木局長無罪事件に関するフロッピー改ざん事件で犯人隠避罪に問われている大坪氏との対談
    大坪氏が有罪なら,田代氏の件のほうも,上司から最高検幹部に至るまでみんな犯人隠避である,と。
    確かにそうだ!

    組織防衛を最優先してしまう対応というのは世の中にいくらでもあるだろうが,それを検察がや

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    2013年07月14日
  • 検察崩壊 ─失われた正義─

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    ネタバレ

    小川敏夫・元法務大臣、石川知裕・衆議院議員、大坪弘道・元大阪地検特捜部長、八木啓代 (健全な法治国家のために声をあげる市民の会の代表) と ヤメ検弁護士である郷原さんとの対談集。

    特に、記憶に残ったのは、2009年の歴史的な「政権交代」前後に起きた検察による事実上の「クーデター」に関する記載である。
    日本でそういった視点を持っている方はあまりいないと思いますが、民主党が政権をとったときに、検察が小沢代表を起訴した。本来であれば、政権党の党首は、総理大臣になるのが普通だが、検察による起訴により小沢は、総理になれなかった。これは、日本という国で検察が起こしたクーデター、民主主義が踏みにじられた問

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    2013年04月29日
  • 検察崩壊 ─失われた正義─

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    マスコミがこういった話を報じない限り、この本を読むべきだと思う。そして、マスコミが報じるニュースと比較検討し、どう思うか考えるべきだと思う。
    弁護士(元検事)郷原氏が、小川敏夫・元法務大臣、石川知裕・衆議院議員、大坪弘道・元大阪地検特捜部長そして八木啓代氏と郷原氏の対談録を収載し、そしてそれら対談を踏まえ、郷原氏は正義は失われ、検察が崩壊していると断罪する。国は(司法)は正義を働くと考えているので、国民は国家秩序に従う。だが、国が不正義を働いているとしたら...
    巻末に、「最高検報告書」、「田代報告書」を全文掲載している、これらの客観的事実と報道、本書を読んで自分で考えることができる。

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    2013年02月26日
  • 検察崩壊 ─失われた正義─

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    小沢さんは検察では不起訴になったが、検察審査会では起訴
    相当となった。一見検察の意向に添わず無理筋で起訴になったと思えますが、実は検察の一部がわざと検察審査会で起訴に誘導するように行っていたということを関係者のインタビューという形式で検証していく。
    検察という権力をもった組織が一刻の宰相選びさえも自分の意に沿うように妨害できてしまうという恐ろしさがわかる。

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    2013年02月16日
  • 思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

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    コンプライアンスについて、誤った適用の事例が多く集められている。
    不二家の食品偽装や裁判員制度導入の問題など、著者が直接関わった事例も多く、内容に説得力がある。

    マスコミの一方的な報道、それによって作られるムードによって、社会がまさに「思考停止」しているとの指摘は、決して他人事ではない。

    コンプラ関連として、合わせて読んでみるべき1冊。

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    2013年02月11日
  • 思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

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    情報弱者とか強者とかいうけど、真実を理解するには相当ニュースを読み込んで、客観性をもって考えないと強者にはなれないなと感じた。行き過ぎたコンプライアンスに陥らないために、マスコミもうまく使いこなせないと墓穴をほるのでしょうね。今まで「不二家のケーキは買わないぞ」と思ってましたが、考えを改めます<(_ _)>

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    2012年12月30日
  • 検察崩壊 ─失われた正義─

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    ネットや一部の著作で言われている「検察の権力・横暴」には懐疑的だったが、郵便不正事件、小沢裁判などの一連の検察不祥事から本書を購入。著者と上記事件の当事者との対談を通じて、検察の問題点(恣意性や間違いを否定できない体質)が浮き彫りになっている。

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    2012年09月29日
  • 思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

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    法令遵守の観点でしか物事を考えない、その背景、実態には目を向けずに単純化され、思考停止社会に陥っている。マスコミには視聴率のためなら事実を曲げて報道し、間違っていても逃げ続ける。マスコミの視聴者受けするための単純化優先の論理が社会の思考停止を助長する。
    これまでの報道、一般に認識されてきた事実はマスコミの都合、舛添元厚労相の無責任な発言などに起因することが指摘されている。
    普段感じるマスコミのレベルの低さを改めて認識させるものだか、その改善策は今ひとつハッキリしたものがなく、問題点指摘にとどまっている感がある。

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    2012年09月06日
  • 検察崩壊 ─失われた正義─

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    ライブドア事件辺りから、検察ってちょっとおかしくなって来てないかと感じだし、村木さん、小沢さんの事件で信頼が失墜。日本がまともな法治国家である為に、検察組織には生まれ変わってほしいです。新聞、メディアがスルー気味なこういった問題を、正す為に活動されている方々は本当に尊敬します。

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    2012年09月02日
  • 組織の思考が止まるとき 「法令遵守」から「ルールの創造」へ

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    郵便不正事件から検察の実態が暴かれたが、元検察の筆者がなぜ起こったのか、その仕組みから、具体的な事例での提言をまとめている。

    具体的には、官公庁、医療、放送メディア、証券会社、などのことや、クライシスマネジメントについて述べている。筆者の本を読んでいると、ほとんどは今までの本に書いてあるかなと思うことが多かった。

    最近刊行されたので、興味がある人にとっては読みやすいかもしれない。

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    2012年06月03日
  • 思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

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    法令を守ることだけを主眼としてしまって、その奥にある真の目的を守れなくなっている現状を、元検事の視点から解き明かした本。

    具体例としては、食料品の偽装、建築の構造計算、経済司法の問題、裁判員制度の問題、厚生年金の問題、マスメディアの問題点を挙げている。

    思考停止になることの問題点を考えるならば、ぜひ一読すべき本だと思う。

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    2013年04月01日