古田徹也のレビュー一覧

  • シリーズ「あいだで考える」 言葉なんていらない? 私と世界のあいだ

    Posted by ブクログ

    「自然言語は生ける文化遺産」
    言語の本質、コミュニケーションの在り方、生成AIやSNSとの向き合い方について簡潔ながらも丁寧に述べられている。

    普段当たり前に使っている言葉の意味や本質について非常にに考えさせられる。

    特に、「一つの外国語を学ぶのは一つの新しい世界を発見したことになる」という考え方は、ソシュールの一般言語学講義と似通ったものがあり、物事に対する見方や考え方は言語によって大きく左右されていることを実感した。

    0
    2025年06月10日
  • はじめてのウィトゲンシュタイン

    Posted by ブクログ

    すっごい面白かった
    一人の人間が二回も世界に衝撃を与えることなんて彼以降無いだろう
    前期の超然とした思考、そして歳を経て誕生した後期の地上的な思考の対比と変遷が綺麗にまとめられており読みやすかった

    個人的には後期の方が、ボクの考えとも近く親しみやすいと思った
    前期は前期で言語的な側面から哲学的常識を崩していくところに若さと情熱を感じてワクワクしながら読めた
    後期の「像」や「アスペクト」、「形態学」といった見方の一つは先入観を打破するのに協力な道具だと思った

    ウィトゲンシュタインの主要概念として挙げられる「言語ゲーム」やその他の概念が彼にとっては精神的痙攣を治療する「像」の一つであったというのを読んで彼の天才性を思い知った

    0
    2025年01月02日
  • シリーズ「あいだで考える」 言葉なんていらない? 私と世界のあいだ

    Posted by ブクログ

    『言葉なんていらない?』
    中高生向けシリーズの本書はイラストと適宜の「まとめ」を添え深遠なテーマを分かりやすく説いている。「やばい」「えぐい」が生む過度の同調、生成AIの便利さに隠れる危うさ、SNSのフィルター、様々な場面で浮き彫りになる言葉の役割をバランスよく捉えた良書だ。

    ————————————————————————

    このシリーズ、どの本も面白いのですが本書は特に良かったです。言語の本質、コミュニケーションのあり方、SNSとの付き合い方、本に触れる事などのテーマに関心がある方は特に楽しめるでしょう。今年読んだ「言葉・コミュニケーション」のジャンルでは本書が私の中でベストです。

    0
    2024年12月19日
  • シリーズ「あいだで考える」 言葉なんていらない? 私と世界のあいだ

    Posted by ブクログ

    言葉が持つ意味と力について考えさせられた。日常的に何気なく使っている言葉は、文脈に応じて帯びる意味や影響力は変わってくる。

    文字数制限があり非同期コミュニケーション性が強いSNSでは、十分な対話は難しく、結果的に炎上社会やフェイクニュースの温床となっているのだと思った。

    話し言葉においても「やばい」や「すごい」といった、便利だが曖昧な表現を使ってばかりいると、豊かな想像力が失われ、見える世界も変わってくる。

    言葉の扱い方には常に慎重に、丁寧に、そして対話の姿勢を崩さないこと。

    0
    2024年11月02日
  • いつもの言葉を哲学する

    Posted by ブクログ

    とても面白かったです。子どもは特に親、先生の言葉が権威を持つようになると思います。実際私もそうでした。しかし、自己が形成されるにあたり言葉を扱うことの重要性が見えてきて、彼らの使う言葉が本当に正しいのか悩んできました。本書は、そんな私の心の中を解いてくれるような本になりました。ありがとうございます。

    0
    2024年02月10日
  • 不道徳的倫理学講義 ──人生にとって運とは何か

    Posted by ブクログ

    1053. 2023.08.10
    ・道徳的評価は動機付けによってなされるべきであるという原則と、しかし、未遂犯と既遂犯に同じ評価を下すことはできないという行為の帰結を評価する立場(そこには運が絡む)との相克を描く。

    0
    2023年08月21日
  • はじめてのウィトゲンシュタイン

    Posted by ブクログ

    今年度1番です。

    一つの像に囚われず、様々なアスペクトを検証すること、それに自覚的にあろうとおいう実践を胸に留めおこうと思います。

    構成として、ウィトゲンシュタインの生涯と彼の思想の変遷を重ねて描かれている本書は、非常に読みやすいと思います。個人的にはかなり刺さりました。

    0
    2023年08月09日
  • いつもの言葉を哲学する

    Posted by ブクログ

    言葉は生活であり、社会であり、そして政治だ。言葉が劣化すれば政治も劣化する。がんばれジャーナリスト。

    0
    2023年05月26日
  • いつもの言葉を哲学する

    Posted by ブクログ

    一冊まるまる、面白かった。

    中でも、娘さんの奇妙な言葉遣いから、どうしてそのような言い方になるのか、大人はそうは言わないのかを、愛おしみながら探る話が幾つかあって、とても良かった。

    コロナ禍における、イメージのしにくいカタカナ語の氾濫。けれど、単純に日本語に置き換えれば良いわけでもない、難しさ。
    「自粛解除」のように、言葉の意味を考えるとおかしいことが、メディアを通してまかり通っていく。

    言葉は思考の枠組みを決めている。

    「発言を撤回する」ことが根付く社会では、コミュニケーションの在り方もまた、変化するだろう。
    「言葉を哲学する」意味の、面白さと不安が両方書かれていた。

    0
    2022年07月10日
  • いつもの言葉を哲学する

    Posted by ブクログ

    言葉にして伝えるって難しい。何気なく使っている言葉の定義や語源を十分に理解することなく、気づけば軽い気持ちでコミュニケーションをとっている自分がいる。人と会話する機会が増え、コミュニケーションがフラットになりつつある今だからこそ咀嚼するように読み直したい新書。ウィトゲンシュタインの「言語批判」をベースに、日常的に使用される言葉の側面について深く考察がなされている。

    p125
    ステレオタイプで話すというのは、何でこんなに楽しいんだろう。

    この一文は全体を通して最も印象的だった。言われてみれば、日常生活においてカテコライズを通して物事を単純化したり、あるいは相手に伝わりやすいように比喩を用いたりする。この行為自体が絶対的に悪というわけではないが、このような"わかりやすさ"にはミスリーディングな理解・伝達を誘発したり、最悪の場合、差別・排斥といった形で人を傷つけてしまうことすらある。

    p281
    私たちの生活は言葉とともにあり、そのつど表現と対話の場としてある。言葉を雑に扱わず、自分の言葉に責任をもつこと。言葉の使用を規格化やお約束、常套句などに完全に委ねてはならないこと。これらのことが重要なのは、言葉が平板化し、表現と対話の場が形骸化し、私たちの生活が空虚なものになることーひいては、私たちが自分自身を見失うことーを防ぐためだ。

    単に語彙力や読解力を高めれば良いという話ではなく、多様な言葉のもつ多様な側面を見渡し、他者との対話を重ねていく中で「言葉を哲学する」こと。批判的な精神をもって探究を続け、言葉に対して責任を負える人でありたい。

    0
    2022年04月09日
  • ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考 シリーズ世界の思想

    Posted by ブクログ

    古田さんの本は相変わらず読みやすく、わかりやすい。
    こちらの本を読むことで、自分が論理哲学論考に対してより理解を深められたように感じたし、何より論理哲学論考そのものを読んでみたいという気持ちになった。

    0
    2022年03月25日
  • いつもの言葉を哲学する

    Posted by ブクログ

    言葉について考えることは、それが息づく生活について考えること p.37

    「お父さん」や「お母さん」等々も、そして「先生」も、子どもから見た自分の立場にはほかならない。それを一人称として用いることによって、いまの自分が、子どもを保奏し、ときに教え諭す役割を担う者であることを、自ずと示しているのである。p.64

    依存先が限られてしまっている」ということこそ、障害の本質にほかならない。逆に言うなら、「実は膨大なものに依存しているのに「私は何にも依存していない」と感じられる状態こそが、自立。といわれる状態」だということである。p.69

    ※しっくりくる言葉を吟味するということ
    学部生の書く哲学・倫理学の論文は、まず何らかの問いを立て、それに対する答え(および、その答えの根拠)を探究する、という手順を踏むのが一般的だ。このとき、読む側からすると、なぜそれを問うのかという大本のポイントが掴めない場合がある。その問いに客観的な重要性があるかどうかが明確でなかったり、逆に、あまりにメジャーな問いであるがゆえに、それをなぜ今こうしたかたちで問うのかが分からない、といった具合だ。そうした場合、論文指導の最初にまずこの点を学生に尋ねると、学生本人のこれまでの経験が問いの基層にあるケースが多い。たとえば、高校時代にかくかくのことに悩んだとか、アルバイト中にしかじかの場面に遭遇したといった経験だ。それを聞いて腑に落ち、論述の内容に入り込めるようになったとき、私は学生に対して、論文の冒頭において当該の経験に―書ける範囲で、あるいは、より一般化したかたちで触れつつ、問いを自然に導くかたちにしてはどうか、と提案することもある。さらに、そこからその問いの客観的な重要性を示す論述が必要な場合もあれば、問いが明確に示されれば、それだけで十分に重要性が分かる場合もある。よく勉強している学生はど、そういうことを書いていいんですか、と驚く。p.86

    十拍一絡げにする言葉の危うさ p.123

    重要なのは林の表現を尊重するということだ。具体的には、相手の言葉を十分なかたちで描い上げ、それがどのような脈絡の下で発せられたのかをきちんと踏まえたうえで応答するということが必要だろう。批判を受ける側も、自分の言わんとすることをちゃんと聞いてもらい、それをよく理解してもらったうえで、納得できる問題点を指摘されるのであれば、苦い思いをしたり、多少傷つく部分はあるとしても、感謝する部分の方がきいだろう。p.138

    「自粛を解禁」という誤用が意味すること p.240

    「発言を撤回すること」はできるか p.250

    ※つまり、しっくりくる言葉の候補は、自分がこれまでの生活のなかで出会い、馴染み、使用してきたものたちなのである。それゆえ、そうした言葉の探索は自ずと、これまでの自分自身の来歴と、自分が営んできた生活のかたちを、部分的にでも振り返る実践を含んでいる。よく、「自分の言葉で話しなさい」ということが言われ、創意のある言葉やユニークな言葉を繰り出すことが無闇に推奨されることもあるが、「自分の言葉で話す」というのは必ずしもそういうことではない。むしろ、ありがちな言葉であっても、数ある馴染みの言葉の中から自分がそれをしっくりくる言葉〉として選び出すのであれば、そのことのうちに、これまでの来歴に基づく自分自身の固有なありようや、自分独自の思考というものが映し出される。逆に、「お約束」に満ちた流暢な話しぶりや滑らかな会話は、こういう場合は人はこう言うものだ)、こう言うのが世間では正解だ〉という暗黙の基準にしばしば支配されている。それが常に悪いわけではないが、しかしそのときには、言葉に責任をもつべき自分がそこに存在しないことも確かなのである。P.280

    0
    2022年01月02日
  • はじめてのウィトゲンシュタイン

    Posted by ブクログ

    この本を通して得られるのは、まずウィトゲンシュタインという人物の人となりである。提唱者がどんな人間だったのか、を知ることは哲学に必要なのか?と思う人もいるかもしれないが、少なくとも私はこの本を通してウィトゲンシュタインという人がどんな人間なのかを知れたことで一層、ウィトゲンシュタインの哲学の深みが増したように感じた。浮世離れした天才ではなく、孤独で、悩む人。様々な行動も含めて俯瞰したことで、それらを経て発せられた言葉をどんなトーンで受け取ったらいいのかが少しわかった気がした。
    次に得られるのがウィトゲンシュタインの哲学の骨の理解である。一つひとつの書を深く理解するための梯子になるような骨の理解。ウィトゲンシュタインの思考を貫く重要な要素が、平易に、わかりやすく、でも理解を妥協しないような文章で綴られている。ウィトゲンシュタインを「わかった気にさせる」本はいくらでもあるが、この本は「これからわかろうという気持ちにさせる」ものだと思う。ここで得られた骨の知識があれば、ウィトゲンシュタインの著書に臨める気がしてくるのだ。そういう意味で「はじめてのウィトゲンシュタイン」、入り口としての機能を担う一冊なのではないかと思った。

    特に後期ウィトゲンシュタインの哲学において何度も出てくる重要な要素に「連関」「見渡す」というものがある。多くの具体を見て、目を移していくことで、これだと決めつけずに物を見、探求し続けるという姿勢だ。この本ももしかしたら、ウィトゲンシュタインという存在へのアプローチとして、「連関」「見渡す」を実行できるような構成にしてあるのかもしれない。様々なウィトゲンシュタインの側面を見ることで、ウィトゲンシュタインが立体になる。素晴らしい本だと思う。

    0
    2021年12月13日
  • 言葉の魂の哲学

    Posted by ブクログ

    哲学の書ということである程度身構えて読み始めたのだが、最も驚かされたのはそのなめらかな読み心地であった。まさに「なめらか」という言葉がぴったりくると自身で思うほどに、伝えたいことがしっかりと抑揚に乗って伝わりつつ、それでもどこか控えめで、落ち着いた論調で議論が展開されていく。加えて、小手先の言葉で惑わされたり、騙されたり、議論を飛躍させられたりするような感覚がない。非常に真摯に、眼を見つめられながら話されるように、内容が進んでいくのである。ここに著者の誠実さや真剣さを私は感じ、それ故余計にこの書の論に惹き込まれた部分があることは否定できない。あまり類を見ないような、素晴らしい読書体験であった。

    書の中で展開されている「言葉」をめぐる議論についても、大変興味深く、おもしろいと感じさせられるものであった。自身が普段体験していることと、自身が思いもよらなかった考え方・思想の広がりが繋がることで、眼前が開けるような感覚が得られた。決して簡単・平易・わかりやすいに振り切ったものではない内容に対して、しっかりと言葉を追いながら、議論を味わっていく。こうして得られる深い味わいもまた、容易に他では得られるものではないと私は思う。

    著者も最後に述べているように、この書で得られる啓示は現代の我々にとっても非常に重たいものである。言葉が安易に発せられ、それを安易に受け止められる現在、私達は言葉に対してどのように向き合うべきか。何事も効率化が重視され、140字に収まる効率的な・キャッチーな言葉がすべてを決めるような向きが我々の世界には存在する。それに流される自分を客観視して、今一度「言葉」というものを再考すべきだと私も思う。その思考のための梯子がここにはある。ぜひ多くの人に読んで貰いたい、勧めたいと思える一冊であった。

    0
    2021年11月03日
  • 言葉の魂の哲学

    Posted by ブクログ

    SNSの投稿や、政治家やよくわからないコンサルタントやベンチャー起業家のカタカナ言葉など、日常生活において「空っぽの言葉を話している」と感じることが多くなってきたこの頃に最適な一冊だった。
    言葉のかたち=多面性=ゲシュタルトがなぜ重要なのかということをヴィトゲンシュタインやカール=クラウスの思想から迫っていく後半はとてもワクワクする内容だった。
    「空っぽの言葉」と感じるものはここで言う「常套句」であり、それは言葉を選ぶ責任を放棄して常套句を繰り返すナチスのプロパガンダと同等のものであるというとこが分かってきた。

    0
    2021年05月13日
  • はじめてのウィトゲンシュタイン

    Posted by ブクログ

    ウィトゲンシュタインは、わたしたちが物事に対して偏った見方をしていることを気づかせる。
    しかし、そこから新たな展望を切り開き、それに代わる見方を構築するというよりもむしろ一種の「気付き」をわたしたちにひたすら与えることを目的しているように思える。
    こうしたウィトゲンシュタインの哲学が彼の生き方を通してまざまざと伝わってきた。

    0
    2021年02月24日
  • はじめてのウィトゲンシュタイン

    Posted by ブクログ

    これまで読んだウィトゲンシュタインの概説書のなかでは、一番、わかりやすく、一番、面白かったかな?

    といっても、いろいろ読んだ後でのことなので、本当に一番わかりやすいかどうかは、保証できないけど。。。

    哲学者の本と人生を切り離して、テキスト解釈するのが主流になっている気がするけど、これはしっかりと人生とリンクした解説になっている。

    ウィトゲンシュタインは、「人生とは?」みたいな問いは、「語ることはできない」というだろうけど、でも、かれの斬り付けられた表現を解読していくためには、やっぱ、その人生とか、発言とか、を突き合わせてやっと見えてくる感じだな。

    この本は、「論理哲学論考」と「哲学探求」という2大主著を「講義録」をはじめ、さまざまな遺稿も踏まえながら、かなりわかりやすく解説してくれる。さらに、「探求」後の遺稿についても、簡潔に説明してあって、後期ウィトゲンシュタインの先というか、晩年の思考までを見渡せるものになっていて、うれしい。

    0
    2021年02月08日
  • はじめてのウィトゲンシュタイン

    Posted by ブクログ

    ウィトゲンシュタインは興味があったけどもなかなか1歩踏み出すことが出来なかった。しかし、この本に出会えたことでウィトゲンシュタインの思想に興味が湧いた。

    0
    2021年01月12日
  • 言葉の魂の哲学

    Posted by ブクログ

    私が大学生の頃、先輩方の印象深かった警句の一つに「違和感を大事にしろ」というのがある。本書で言うところの「しっくりこない」からはじめろ、それを手放すな、ということだろう。

    常套句に身を委ねてしまったとき、戦争に代表される社会の破滅がやってくる。リアルな話で、歴史の教訓だ。国家だけでない。企業も組織も、あらゆる人間の集まりがそうだろう。

    堕落や破滅は言葉への敏感さを失ったところにある。常に創造せよ、というわけではなく、常套句にも魂を立ち上がらせよ、と本書は言う。

    哲学が衒学ではなく、言葉に溺れず、傲らず、しかし、言葉を大切に選ぶこと、待つこと。それが哲学だと。クラウスとウィトゲンシュタインの魂を本書は言葉にしてくれた。

    0
    2020年07月06日
  • ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考 シリーズ世界の思想

    Posted by ブクログ

    語りえない(生きる意味)と知りつつも、語ろうとしてしまう。その狭間で格闘し抜くことこそ、哲学なのだと改めて思った。

    0
    2019年08月01日