古田徹也のレビュー一覧

  • ウィトゲンシュタインと言語の限界

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    哲学者ピエール・アドによる、ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』の読み解き。両者をヒントに自らの思考が深まる。張り合う訳ではないが、やはり哲学そのものが無意味な造語を弄ぶスノビッシュ、或いは文系学問の聖域化に流されている見方が拭えない。くだらない。故に、よりシンプルな現象論からこの世界を覗いてみた。

    以下は私自身の咀嚼した思考になるが。

    言語とは。
    「実存する事物の名称化」と「実存しない観念の名称化」、「それらを組み立てる文法」に分けられる。目が見えない人が事物を名称化するが如く、形の見えない観念を名称化する事も可能。

    思考の限界は言語の限界、というのは誤りだ。

    文語と口語に対し、思考

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    2024年01月06日
  • いつもの言葉を哲学する

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    歯切れのよいコラムでは時勢についても触れられ、そこから深掘りした提言や教育論についても。

    再読。

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    2023年10月08日
  • ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考 シリーズ世界の思想

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    原著を読んでいたけどちんぷんかんぷんで、この本の解説を見てなんとか理解できる部分があった。
    全部は読めていないし理解しきれていないけれど、
    最初の部分に書かれている、物はそのものとして存在せず、事態のなかから切り出されているということは理解できた。
    人が言葉を定義して輪郭を決めて認識しているが、それも含めて事態の部分にすぎず、その物だけを切り取ってとあんまり意味のないことなのだと思った。
    そういう意味では世界は繋がっていて、その中の一部分として自分が存在している感覚を持てたような気がした。

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    2023年06月23日
  • いつもの言葉を哲学する

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    日常で使っている言葉をあらためて振り返る機会を与えてくれる好著だ.様々な視点から言葉を考察しており非常に楽しめた.政治家の言葉のいい加減さや思慮のなさは今に始まったことではないが、特に最近は酷いと感じている.基盤になる常識が不足しているのだろう.当然語彙も不十分だ.若者に伝搬しないといいなと思っている.

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    2023年03月24日
  • いつもの言葉を哲学する

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    ●=引用

    ●しっくりくる言葉を探し類似した言葉の間で迷いつつ選び取ることは、それ自体が、思考というものの重要な要素を成している。逆にいえば、語彙が減少し選択できる言葉の範囲が狭まれば、その分だけ「人を熟考へ誘う力も弱まる」ことになり、限られた語彙のうちに示される限られた世界観や価値観へと人々は流れやすくなる。ニュースピークとはまさに、その事態を意図した言語なのである。
    ●私たちが言語を用いて行うことのうち、(A)特定の相手の言わんとすることを最大限に汲み取ろうしたり、その相手に合わせて噛み砕いた言葉を発したりする言語実践と、それから(B)突き詰めた精密な思考や豊かな表現を目指して行なわれる言

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    2023年01月21日
  • いつもの言葉を哲学する

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    「親ガチャ」「まん延」「発言を撤回」…巷にあふれる「何となくひっかかる」言葉の背景には何があるのか。安易な常套句に逃げることなく、言葉と、ひいては相手と真摯に向き合い、自分の発言に責任を持つことの大切さを説く。単に用法の正誤を論じた本ではなく、私たちの社会のあり方を問う一冊。

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    2022年10月25日
  • ウィトゲンシュタインと言語の限界

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     本書は2004年に出版された、フランス哲学者によるウィトゲンシュタイン(以下LW)評論の翻訳本。著者は既に鬼籍に入っているが、フランスにLWを紹介した最初の人物だという(ということは、それまでの現代フランス哲学はLWを何ら参照することがなかったのだろうか?)。専門である神学や古代ギリシア哲学、新プラトン主義の文脈からLWを論じているが、本文と解説で丁寧な解説がなされているためそれらの知識がなくとも読み進めることは可能。むしろ最近の哲学書のような重厚長大さがなく、本文も150頁程度とコンパクトであり読み易い。古田徹也氏による解説も充実しており理解を助けてくれる。

     内容に関しては古田氏も指摘

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    2022年09月19日
  • いつもの言葉を哲学する

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    日々、使う/使われている言葉を吟味することの大切さを再認識させられる。目下、Covid-19によって、言葉とそれを取り巻く環境も大きな変動を受けているが、この点に関する様々な指摘は、言葉が持つ力の強さをよく示している。著者の娘さんの言葉に対する素朴な感覚は尊いし、炒めるを辞書でどう書くかの話や見出しの検討の話は、言葉を扱う我々が普段どのような心構えを持つべきかと言うことを端的に表しているように感じた。

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    2022年04月30日
  • 不道徳的倫理学講義 ──人生にとって運とは何か

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    キャッチーなタイトルにも惹かれ、確かに理性を最重要なものとして取り扱う哲学や倫理なども、運ってどう処理してるのだろうと興味をそそられましたのです。

    運はまず偶然と必然・運命にも分類されるし、古代ギリシャのトユケーやダイモーンといった用語はこのどちらの意味も内包している曖昧な定義を有し、そこを巧妙に使い「オイディプス王」で悲劇を演出してる。概して近代の経験主義までは人間の真理や徳のある人というのは、運の影響を除いた形で論理立てていてる。西洋哲学の系譜なので、神とか来世なんてものにも関係づけて、不道徳な行いを実施し罰せられないことが不幸なんて言ってみたり。

    アダム・スミスの道徳に関する公正も原

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    2022年04月29日
  • いつもの言葉を哲学する

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    その人が話す、使う言葉が、思考の解像度を反映して、価値尺度は露になる。だから、泥臭く読書をして言葉を手にしていくこと、磨いていくことは尊う。そもそも不完全なコミュニケーションの精度をそれでも上げて、伝える技術、言葉を運用していく作法を手にしようともがくこと。

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    2022年04月16日
  • いつもの言葉を哲学する

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    DPZの古賀さんが呟いていて、興味を持ったので読んだ。
    最初の方は、言葉に関するエッセイ的な感じかなあと思っていたけれど、後半はいかに言語と思考が結びついているかがよくわかる題材が多く、普段の自分の言葉の使い方を振り返させられた。流行りの言葉は使い勝手がいいけど、ちゃんとそれを使うことによってどのような効果があるのか、どのような印象を与えてしまうのかを考えて使わなければいけないなと感じた。

    自分は言葉を扱う職業に就いている。それでも自分もあまり考えず言葉を使ってしまうことがある。だから「言葉は道具以上の役割を持っている」ということを常に頭のどこかにおいて、言葉を使っていこうと思う。

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    2022年01月18日
  • 言葉の魂の哲学

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    ネタバレ

    中島敦と世紀末ウィーンの人物

    中島敦とホーフマンスタールが、言葉から魂が抜ける体験を描いて言語"不信"を表明する一方で、ウィトゲンシュタインとクラウスは、むしろ言葉に魂が宿る体験に着目することで、言葉の豊饒[ほうにょう]な可能性を探る言語"批判"を展開している。

    ゲシュタルト心理学

    ベーコン
    思考の歪み「イドラ(幻影)」
    「言葉を通じて知性に負わされるイドラ」=「市場のイドラ」が一番厄介
    「言葉は知性を無理に加え、すべてを混乱させて、人々を空虚で数知れぬ論争や虚構へと連れ去るものだ」
    そのため「真の帰納法」が必要(経験的探究)
    ①観察・実験を通した

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    2022年01月15日
  • はじめてのウィトゲンシュタイン

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    全く予備知識はなく、なんとなくウィトゲンシュタインに興味があった、ただそれだけの理由で読んだがとても面白く、知的好奇心を喚起させられた。

    彼の人生と思想の骨組みを様々な具体例と実際の文から浮かび上がらせてくれたので、これを読めば原著にあたる上でのハードルがかなり下がるように思われる。とりあえずまで、読んでみようと思った

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    2021年06月23日
  • 不道徳的倫理学講義 ──人生にとって運とは何か

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    運ってなんなんでしょうね。抗うものか受け入れるべきものか。まぁどっちもなんだろうなぁ。とりあえずあたふたしないようにしときます。思考が止まってしまうしね。しかし、この著者の本は読みやすくてよろし。読みやすいって大事よね。

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    2021年03月15日
  • 不道徳的倫理学講義 ──人生にとって運とは何か

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    運と倫理と幸福の兼ね合いの難しさというか、そういった主題で古代から現代に至る哲学・倫理学の変遷を辿っている。

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    2019年10月24日
  • 不道徳的倫理学講義 ──人生にとって運とは何か

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    就職、結婚、ギャンブルみたいなもん!人生すべて博打!!\(^_^)/大金をかき集めるのでなく気高く生きる(^o^)

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    2019年10月12日
  • 言葉の魂の哲学

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    言葉遊びが好きで常套句とかクソじゃと思ってる人間としては自分の可能性を肯定されたようでなかなかイカした本でした.いやでもホント思考停止はいかんよな.そして読んでて思ったのはこいつはお笑いにも通ずるお話であるよなと.てことでお友達の漫才師にも一読お薦めしておこう.

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    2018年05月30日
  • いつもの言葉を哲学する

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    すべての哲学は、言語批判である。
    ウィトゲンシュタインの言葉だという。
    この立場から身近なことばの在り方を観察し、批判的に捉え返したのが本書だということだ。

    ことばの中には過去の文化が蔵されている。
    新しい言葉の中に、新しい世界の見方が表れている。
    発言という行為には応答の責任が伴う。

    ことばのもつ危うさにも言及されていた。
    大きな主語での語りのおおざっぱさ。
    批判が非難と同義にされ、批判が忌避される日本の言語環境。
    十分吟味されないで導入された新語による視野の固定。
    誤用が定着することでおきるコミュニケーション不全。

    文章が上手で、非常に読みやすい。
    (この人はあと数十年したら、きっと

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    2023年03月12日
  • はじめてのウィトゲンシュタイン

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    この本自体は分かりやすかったけど、ウィトゲンシュタインの哲学が面白いとは思えなかった。科学、数学が発展する中で哲学が重要性を失っていく時代に起きた話と感じた。哲学界では重要な話かもしれないが、世の中全体での重要性はよく分からなかった。

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    2022年12月30日
  • ウィトゲンシュタインと言語の限界

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    ヴィトゲンシュタインの標準的な理解を得るためになにか読もう、という人にまず勧めるようなものではないが、さすがにアドの書くものなだけあってふつうにおもしろい。というかアドがヴィトゲンシュタイン読んでたのを知らんかった。

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    2022年07月29日