古田徹也のレビュー一覧

  • いつもの言葉を哲学する

    Posted by ブクログ

    言葉への重み。最近言語化することに対しての本がたくさんある。言葉がいかに大事にされているか深くのしかかる。日本語を大切に、責任を持って使っていきたい。エモいやメロいは使いたくない。

    ・おしり一丁!

    ・子どもたちは自分たちで「生んでくれ」と頼んだわけではない。勝手に投げ込まれた各々の場所で必死に生きる彼らのために、少しでもこの世界をましなものにする責任が私たち大人にはある。

    ・しあわせの意味の変遷。でもその変わる前と先には連関する何かがある。

    ・「社会に出る」とは。社会人がそんなに偉いのか、多様な面に触れていかなくては社会人にはなれないのか。

    ・子供にとって世界は〈はじめて〉ばかりの、

    0
    2025年10月01日
  • シリーズ「あいだで考える」 言葉なんていらない? 私と世界のあいだ

    Posted by ブクログ

    かなり面白い本!!
    紀元前のプラトンの著作には今に至る問題がすでに述べられている。

    p39
    「彼は、その著作のひとつ『パイドロス』の終盤に、次のような神話を書き記している。
    エジプトの古い神々のひとりであり「技術の主」であるテウトは、数学や天文学、将棋や双六など、さまざまなものを発明して人間に与えたが、なかでも注目すべき発明は文字である。テウトは神々の王タムスに対して、文字を覚えることによって人間の記憶力と知識(知恵)は高まるのだと誇る。
    しかし、タムスはこれに納得しない。(略)
    人は文字を覚えると、書かれたものに頼るようになる、と。つまり、情報を自分の頭のなかに記憶する代わりに文書や書物に

    0
    2025年08月12日
  • シリーズ「あいだで考える」 言葉なんていらない? 私と世界のあいだ

    Posted by ブクログ

    「自然言語は生ける文化遺産」
    言語の本質、コミュニケーションの在り方、生成AIやSNSとの向き合い方について簡潔ながらも丁寧に述べられている。

    普段当たり前に使っている言葉の意味や本質について非常にに考えさせられる。

    特に、「一つの外国語を学ぶのは一つの新しい世界を発見したことになる」という考え方は、ソシュールの一般言語学講義と似通ったものがあり、物事に対する見方や考え方は言語によって大きく左右されていることを実感した。

    0
    2025年06月10日
  • はじめてのウィトゲンシュタイン

    Posted by ブクログ

    すっごい面白かった
    一人の人間が二回も世界に衝撃を与えることなんて彼以降無いだろう
    前期の超然とした思考、そして歳を経て誕生した後期の地上的な思考の対比と変遷が綺麗にまとめられており読みやすかった

    個人的には後期の方が、ボクの考えとも近く親しみやすいと思った
    前期は前期で言語的な側面から哲学的常識を崩していくところに若さと情熱を感じてワクワクしながら読めた
    後期の「像」や「アスペクト」、「形態学」といった見方の一つは先入観を打破するのに協力な道具だと思った

    ウィトゲンシュタインの主要概念として挙げられる「言語ゲーム」やその他の概念が彼にとっては精神的痙攣を治療する「像」の一つであったという

    0
    2025年01月02日
  • シリーズ「あいだで考える」 言葉なんていらない? 私と世界のあいだ

    Posted by ブクログ

    『言葉なんていらない?』
    中高生向けシリーズの本書はイラストと適宜の「まとめ」を添え深遠なテーマを分かりやすく説いている。「やばい」「えぐい」が生む過度の同調、生成AIの便利さに隠れる危うさ、SNSのフィルター、様々な場面で浮き彫りになる言葉の役割をバランスよく捉えた良書だ。

    ————————————————————————

    このシリーズ、どの本も面白いのですが本書は特に良かったです。言語の本質、コミュニケーションのあり方、SNSとの付き合い方、本に触れる事などのテーマに関心がある方は特に楽しめるでしょう。今年読んだ「言葉・コミュニケーション」のジャンルでは本書が私の中でベストです。

    0
    2024年12月19日
  • シリーズ「あいだで考える」 言葉なんていらない? 私と世界のあいだ

    Posted by ブクログ

    言葉が持つ意味と力について考えさせられた。日常的に何気なく使っている言葉は、文脈に応じて帯びる意味や影響力は変わってくる。

    文字数制限があり非同期コミュニケーション性が強いSNSでは、十分な対話は難しく、結果的に炎上社会やフェイクニュースの温床となっているのだと思った。

    話し言葉においても「やばい」や「すごい」といった、便利だが曖昧な表現を使ってばかりいると、豊かな想像力が失われ、見える世界も変わってくる。

    言葉の扱い方には常に慎重に、丁寧に、そして対話の姿勢を崩さないこと。

    0
    2024年11月02日
  • いつもの言葉を哲学する

    Posted by ブクログ

    とても面白かったです。子どもは特に親、先生の言葉が権威を持つようになると思います。実際私もそうでした。しかし、自己が形成されるにあたり言葉を扱うことの重要性が見えてきて、彼らの使う言葉が本当に正しいのか悩んできました。本書は、そんな私の心の中を解いてくれるような本になりました。ありがとうございます。

    0
    2024年02月10日
  • 不道徳的倫理学講義 ──人生にとって運とは何か

    Posted by ブクログ

    1053. 2023.08.10
    ・道徳的評価は動機付けによってなされるべきであるという原則と、しかし、未遂犯と既遂犯に同じ評価を下すことはできないという行為の帰結を評価する立場(そこには運が絡む)との相克を描く。

    0
    2023年08月21日
  • はじめてのウィトゲンシュタイン

    Posted by ブクログ

    今年度1番です。

    一つの像に囚われず、様々なアスペクトを検証すること、それに自覚的にあろうとおいう実践を胸に留めおこうと思います。

    構成として、ウィトゲンシュタインの生涯と彼の思想の変遷を重ねて描かれている本書は、非常に読みやすいと思います。個人的にはかなり刺さりました。

    0
    2023年08月09日
  • いつもの言葉を哲学する

    Posted by ブクログ

    言葉は生活であり、社会であり、そして政治だ。言葉が劣化すれば政治も劣化する。がんばれジャーナリスト。

    0
    2023年05月26日
  • いつもの言葉を哲学する

    Posted by ブクログ

    言葉にして伝えるって難しい。何気なく使っている言葉の定義や語源を十分に理解することなく、気づけば軽い気持ちでコミュニケーションをとっている自分がいる。人と会話する機会が増え、コミュニケーションがフラットになりつつある今だからこそ咀嚼するように読み直したい新書。ウィトゲンシュタインの「言語批判」をベースに、日常的に使用される言葉の側面について深く考察がなされている。

    p125
    ステレオタイプで話すというのは、何でこんなに楽しいんだろう。

    この一文は全体を通して最も印象的だった。言われてみれば、日常生活においてカテコライズを通して物事を単純化したり、あるいは相手に伝わりやすいように比喩を用いた

    0
    2022年04月09日
  • ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考 シリーズ世界の思想

    Posted by ブクログ

    古田さんの本は相変わらず読みやすく、わかりやすい。
    こちらの本を読むことで、自分が論理哲学論考に対してより理解を深められたように感じたし、何より論理哲学論考そのものを読んでみたいという気持ちになった。

    0
    2022年03月25日
  • いつもの言葉を哲学する

    Posted by ブクログ

    言葉について考えることは、それが息づく生活について考えること p.37

    「お父さん」や「お母さん」等々も、そして「先生」も、子どもから見た自分の立場にはほかならない。それを一人称として用いることによって、いまの自分が、子どもを保奏し、ときに教え諭す役割を担う者であることを、自ずと示しているのである。p.64

    依存先が限られてしまっている」ということこそ、障害の本質にほかならない。逆に言うなら、「実は膨大なものに依存しているのに「私は何にも依存していない」と感じられる状態こそが、自立。といわれる状態」だということである。p.69

    ※しっくりくる言葉を吟味するということ
    学部生の書く哲学・倫

    0
    2022年01月02日
  • はじめてのウィトゲンシュタイン

    Posted by ブクログ

    この本を通して得られるのは、まずウィトゲンシュタインという人物の人となりである。提唱者がどんな人間だったのか、を知ることは哲学に必要なのか?と思う人もいるかもしれないが、少なくとも私はこの本を通してウィトゲンシュタインという人がどんな人間なのかを知れたことで一層、ウィトゲンシュタインの哲学の深みが増したように感じた。浮世離れした天才ではなく、孤独で、悩む人。様々な行動も含めて俯瞰したことで、それらを経て発せられた言葉をどんなトーンで受け取ったらいいのかが少しわかった気がした。
    次に得られるのがウィトゲンシュタインの哲学の骨の理解である。一つひとつの書を深く理解するための梯子になるような骨の理解

    0
    2021年12月13日
  • 言葉の魂の哲学

    Posted by ブクログ

    哲学の書ということである程度身構えて読み始めたのだが、最も驚かされたのはそのなめらかな読み心地であった。まさに「なめらか」という言葉がぴったりくると自身で思うほどに、伝えたいことがしっかりと抑揚に乗って伝わりつつ、それでもどこか控えめで、落ち着いた論調で議論が展開されていく。加えて、小手先の言葉で惑わされたり、騙されたり、議論を飛躍させられたりするような感覚がない。非常に真摯に、眼を見つめられながら話されるように、内容が進んでいくのである。ここに著者の誠実さや真剣さを私は感じ、それ故余計にこの書の論に惹き込まれた部分があることは否定できない。あまり類を見ないような、素晴らしい読書体験であった。

    0
    2021年11月03日
  • 言葉の魂の哲学

    Posted by ブクログ

    SNSの投稿や、政治家やよくわからないコンサルタントやベンチャー起業家のカタカナ言葉など、日常生活において「空っぽの言葉を話している」と感じることが多くなってきたこの頃に最適な一冊だった。
    言葉のかたち=多面性=ゲシュタルトがなぜ重要なのかということをヴィトゲンシュタインやカール=クラウスの思想から迫っていく後半はとてもワクワクする内容だった。
    「空っぽの言葉」と感じるものはここで言う「常套句」であり、それは言葉を選ぶ責任を放棄して常套句を繰り返すナチスのプロパガンダと同等のものであるというとこが分かってきた。

    0
    2021年05月13日
  • はじめてのウィトゲンシュタイン

    Posted by ブクログ

    ウィトゲンシュタインは、わたしたちが物事に対して偏った見方をしていることを気づかせる。
    しかし、そこから新たな展望を切り開き、それに代わる見方を構築するというよりもむしろ一種の「気付き」をわたしたちにひたすら与えることを目的しているように思える。
    こうしたウィトゲンシュタインの哲学が彼の生き方を通してまざまざと伝わってきた。

    0
    2021年02月24日
  • はじめてのウィトゲンシュタイン

    Posted by ブクログ

    これまで読んだウィトゲンシュタインの概説書のなかでは、一番、わかりやすく、一番、面白かったかな?

    といっても、いろいろ読んだ後でのことなので、本当に一番わかりやすいかどうかは、保証できないけど。。。

    哲学者の本と人生を切り離して、テキスト解釈するのが主流になっている気がするけど、これはしっかりと人生とリンクした解説になっている。

    ウィトゲンシュタインは、「人生とは?」みたいな問いは、「語ることはできない」というだろうけど、でも、かれの斬り付けられた表現を解読していくためには、やっぱ、その人生とか、発言とか、を突き合わせてやっと見えてくる感じだな。

    この本は、「論理哲学論考」と「哲学探求

    0
    2021年02月08日
  • はじめてのウィトゲンシュタイン

    Posted by ブクログ

    ウィトゲンシュタインは興味があったけどもなかなか1歩踏み出すことが出来なかった。しかし、この本に出会えたことでウィトゲンシュタインの思想に興味が湧いた。

    0
    2021年01月12日
  • 言葉の魂の哲学

    Posted by ブクログ

    私が大学生の頃、先輩方の印象深かった警句の一つに「違和感を大事にしろ」というのがある。本書で言うところの「しっくりこない」からはじめろ、それを手放すな、ということだろう。

    常套句に身を委ねてしまったとき、戦争に代表される社会の破滅がやってくる。リアルな話で、歴史の教訓だ。国家だけでない。企業も組織も、あらゆる人間の集まりがそうだろう。

    堕落や破滅は言葉への敏感さを失ったところにある。常に創造せよ、というわけではなく、常套句にも魂を立ち上がらせよ、と本書は言う。

    哲学が衒学ではなく、言葉に溺れず、傲らず、しかし、言葉を大切に選ぶこと、待つこと。それが哲学だと。クラウスとウィトゲンシュタイン

    0
    2020年07月06日