言葉の魂の哲学

言葉の魂の哲学

1,925円 (税込)

9pt

4.3

中島敦の小説「文字禍」、ホーフマンスタールの小説「チャンドス卿の手紙」。この二つの作品に描かれたいわゆる「ゲシュタルト崩壊」、すなわち、文字が意味や表情を失って見える現象をてがかりに、ウィトゲンシュタインの言語論に新しい視座を与え、カール・クラウスの言語論に、すぐれて現代的な意味を見出す。清新な言語哲学の登場! 第41回サントリー学芸賞受賞作。

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言葉の魂の哲学 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年11月03日

    哲学の書ということである程度身構えて読み始めたのだが、最も驚かされたのはそのなめらかな読み心地であった。まさに「なめらか」という言葉がぴったりくると自身で思うほどに、伝えたいことがしっかりと抑揚に乗って伝わりつつ、それでもどこか控えめで、落ち着いた論調で議論が展開されていく。加えて、小手先の言葉で惑...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年05月16日

    言葉のゲシュタルト崩壊現象の紹介から始まり、ウィトゲンシュタインやカール・クラウスの言語論を通して、言葉の〝魂〟と呼ばれているものを批評、言葉とどう向き合っていくべきかを論じている。
    中島敦『文字禍』という親しみやすい題材から入っていくのもあって読みやすく、最初から最後まで興味深く読めた。
    またウィ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年05月13日

    SNSの投稿や、政治家やよくわからないコンサルタントやベンチャー起業家のカタカナ言葉など、日常生活において「空っぽの言葉を話している」と感じることが多くなってきたこの頃に最適な一冊だった。
    言葉のかたち=多面性=ゲシュタルトがなぜ重要なのかということをヴィトゲンシュタインやカール=クラウスの思想から...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年07月06日

    私が大学生の頃、先輩方の印象深かった警句の一つに「違和感を大事にしろ」というのがある。本書で言うところの「しっくりこない」からはじめろ、それを手放すな、ということだろう。

    常套句に身を委ねてしまったとき、戦争に代表される社会の破滅がやってくる。リアルな話で、歴史の教訓だ。国家だけでない。企業も組織...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年10月14日

    言葉でしか考える事ができない。考える事とは言葉を積み重ねることである。なんとなく分かっていた気もするが、少し深く認識する事ができた。意味とはその一つの言葉だけではなく、文脈によって与えられると。

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    Posted by ブクログ 2018年05月30日

    言葉遊びが好きで常套句とかクソじゃと思ってる人間としては自分の可能性を肯定されたようでなかなかイカした本でした.いやでもホント思考停止はいかんよな.そして読んでて思ったのはこいつはお笑いにも通ずるお話であるよなと.てことでお友達の漫才師にも一読お薦めしておこう.

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    Posted by ブクログ 2021年12月27日

    ウィトゲンシュタインとカール・クラウスの言語論についての検討をおこないつつ、「生きた言葉」や「魂ある言葉」とはなにかという問いを考察している本です。

    本書ではまず、中島敦とホーフマンスタールの二編の小説がとりあげられ、それらの作品に見られる、いわゆる「ゲシュタルト崩壊」と呼ばれる現象に注目がなされ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年04月26日

    今一番楽しみな本。

    20210426
    言葉を選びとること、自分でもよくわかっていない常套句で迷いを手っ取り早くやり過ごさないことの大切さを、ヴィトゲンシュタインやクラウス、中島敦の文字禍などを通じて論ずる本。かいな。

    哲学は必要だ、むしろ重要だと思います。そんなものないほうが波風たたないと思うけ...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2022年01月15日

    中島敦と世紀末ウィーンの人物

    中島敦とホーフマンスタールが、言葉から魂が抜ける体験を描いて言語"不信"を表明する一方で、ウィトゲンシュタインとクラウスは、むしろ言葉に魂が宿る体験に着目することで、言葉の豊饒[ほうにょう]な可能性を探る言語"批判"を展開してい...続きを読む

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