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Posted by ブクログ 2021年11月03日
哲学の書ということである程度身構えて読み始めたのだが、最も驚かされたのはそのなめらかな読み心地であった。まさに「なめらか」という言葉がぴったりくると自身で思うほどに、伝えたいことがしっかりと抑揚に乗って伝わりつつ、それでもどこか控えめで、落ち着いた論調で議論が展開されていく。加えて、小手先の言葉で惑...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月16日
言葉のゲシュタルト崩壊現象の紹介から始まり、ウィトゲンシュタインやカール・クラウスの言語論を通して、言葉の〝魂〟と呼ばれているものを批評、言葉とどう向き合っていくべきかを論じている。
中島敦『文字禍』という親しみやすい題材から入っていくのもあって読みやすく、最初から最後まで興味深く読めた。
またウィ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月13日
SNSの投稿や、政治家やよくわからないコンサルタントやベンチャー起業家のカタカナ言葉など、日常生活において「空っぽの言葉を話している」と感じることが多くなってきたこの頃に最適な一冊だった。
言葉のかたち=多面性=ゲシュタルトがなぜ重要なのかということをヴィトゲンシュタインやカール=クラウスの思想から...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年07月06日
私が大学生の頃、先輩方の印象深かった警句の一つに「違和感を大事にしろ」というのがある。本書で言うところの「しっくりこない」からはじめろ、それを手放すな、ということだろう。
常套句に身を委ねてしまったとき、戦争に代表される社会の破滅がやってくる。リアルな話で、歴史の教訓だ。国家だけでない。企業も組織...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年12月27日
ウィトゲンシュタインとカール・クラウスの言語論についての検討をおこないつつ、「生きた言葉」や「魂ある言葉」とはなにかという問いを考察している本です。
本書ではまず、中島敦とホーフマンスタールの二編の小説がとりあげられ、それらの作品に見られる、いわゆる「ゲシュタルト崩壊」と呼ばれる現象に注目がなされ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年04月26日
今一番楽しみな本。
20210426
言葉を選びとること、自分でもよくわかっていない常套句で迷いを手っ取り早くやり過ごさないことの大切さを、ヴィトゲンシュタインやクラウス、中島敦の文字禍などを通じて論ずる本。かいな。
哲学は必要だ、むしろ重要だと思います。そんなものないほうが波風たたないと思うけ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月15日
中島敦と世紀末ウィーンの人物
中島敦とホーフマンスタールが、言葉から魂が抜ける体験を描いて言語"不信"を表明する一方で、ウィトゲンシュタインとクラウスは、むしろ言葉に魂が宿る体験に着目することで、言葉の豊饒[ほうにょう]な可能性を探る言語"批判"を展開してい...続きを読む
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