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Posted by ブクログ
今年度1番です。
一つの像に囚われず、様々なアスペクトを検証すること、それに自覚的にあろうとおいう実践を胸に留めおこうと思います。
構成として、ウィトゲンシュタインの生涯と彼の思想の変遷を重ねて描かれている本書は、非常に読みやすいと思います。個人的にはかなり刺さりました。
Posted by ブクログ
この本を通して得られるのは、まずウィトゲンシュタインという人物の人となりである。提唱者がどんな人間だったのか、を知ることは哲学に必要なのか?と思う人もいるかもしれないが、少なくとも私はこの本を通してウィトゲンシュタインという人がどんな人間なのかを知れたことで一層、ウィトゲンシュタインの哲学の深みが増したように感じた。浮世離れした天才ではなく、孤独で、悩む人。様々な行動も含めて俯瞰したことで、それらを経て発せられた言葉をどんなトーンで受け取ったらいいのかが少しわかった気がした。
次に得られるのがウィトゲンシュタインの哲学の骨の理解である。一つひとつの書を深く理解するための梯子になるような骨の理解。ウィトゲンシュタインの思考を貫く重要な要素が、平易に、わかりやすく、でも理解を妥協しないような文章で綴られている。ウィトゲンシュタインを「わかった気にさせる」本はいくらでもあるが、この本は「これからわかろうという気持ちにさせる」ものだと思う。ここで得られた骨の知識があれば、ウィトゲンシュタインの著書に臨める気がしてくるのだ。そういう意味で「はじめてのウィトゲンシュタイン」、入り口としての機能を担う一冊なのではないかと思った。
特に後期ウィトゲンシュタインの哲学において何度も出てくる重要な要素に「連関」「見渡す」というものがある。多くの具体を見て、目を移していくことで、これだと決めつけずに物を見、探求し続けるという姿勢だ。この本ももしかしたら、ウィトゲンシュタインという存在へのアプローチとして、「連関」「見渡す」を実行できるような構成にしてあるのかもしれない。様々なウィトゲンシュタインの側面を見ることで、ウィトゲンシュタインが立体になる。素晴らしい本だと思う。
Posted by ブクログ
ウィトゲンシュタインは、わたしたちが物事に対して偏った見方をしていることを気づかせる。
しかし、そこから新たな展望を切り開き、それに代わる見方を構築するというよりもむしろ一種の「気付き」をわたしたちにひたすら与えることを目的しているように思える。
こうしたウィトゲンシュタインの哲学が彼の生き方を通してまざまざと伝わってきた。
Posted by ブクログ
これまで読んだウィトゲンシュタインの概説書のなかでは、一番、わかりやすく、一番、面白かったかな?
といっても、いろいろ読んだ後でのことなので、本当に一番わかりやすいかどうかは、保証できないけど。。。
哲学者の本と人生を切り離して、テキスト解釈するのが主流になっている気がするけど、これはしっかりと人生とリンクした解説になっている。
ウィトゲンシュタインは、「人生とは?」みたいな問いは、「語ることはできない」というだろうけど、でも、かれの斬り付けられた表現を解読していくためには、やっぱ、その人生とか、発言とか、を突き合わせてやっと見えてくる感じだな。
この本は、「論理哲学論考」と「哲学探求」という2大主著を「講義録」をはじめ、さまざまな遺稿も踏まえながら、かなりわかりやすく解説してくれる。さらに、「探求」後の遺稿についても、簡潔に説明してあって、後期ウィトゲンシュタインの先というか、晩年の思考までを見渡せるものになっていて、うれしい。
Posted by ブクログ
ウィトゲンシュタインは興味があったけどもなかなか1歩踏み出すことが出来なかった。しかし、この本に出会えたことでウィトゲンシュタインの思想に興味が湧いた。
Posted by ブクログ
全く予備知識はなく、なんとなくウィトゲンシュタインに興味があった、ただそれだけの理由で読んだがとても面白く、知的好奇心を喚起させられた。
彼の人生と思想の骨組みを様々な具体例と実際の文から浮かび上がらせてくれたので、これを読めば原著にあたる上でのハードルがかなり下がるように思われる。とりあえずまで、読んでみようと思った