五百旗頭真のレビュー一覧
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【国際会議に共通しますが、日本の場合、一の矢はいいんです。しかし、あとの自由討議になっていくと、気の利いたコメントを言えるかどうか。議論は進化しますから、大学教授同士の討議を聞いているようなもので、用意してきた紙だけでは対応できないんですね】(文中より引用)
日米外交のプロとして長年にわたって外交官を務め、退官後も民間で活躍するとともに総理大臣補佐官などを務めた岡本行夫。徹底的に足を使った現場主義で知られる人物の証言を収めた一冊です。著者は、『日米関係史』などの五百旗頭真他。
日本外交の節目節目に携わった人物の語る言葉だけあり、一般に知られていないエピソードやそこから得られる教訓がふんだん -
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五百旗頭真「日米戦争と戦後日本」名著傑作本と思う「吉田茂賞」
日米昭和史がテーマだが、単に史実を並べるのではなく、その時の為政者の意思を明示し、その結果を米国の公文書で検証。
トップエリートの判断と結果を問い続ける、そこに国家の命運と、国民の運命があるから。
明治政府は77年の寿命で終わった。戦後日本も早や76年、コロナ戦争で第二の敗戦にならないように心して読んだ。
結局、国家という組織も、外部環境の変化に対応できなければ滅びる。ダーウィンの進化論そのまま。リーダーの責務が大きい。
Ⅰ.日米開戦 あり得ない選択 経済・軍事の対米依存の実態・・・屈服しかないのに、選択したのは戦争
日本は合理的な -
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いよいよ平成の時代が終わりを迎え、象徴天皇として歩まれた天皇陛下のお姿を紹介する報道、論評を耳にすることが多くなりました。
本書は、日本外交史の専門家による第二次大戦の戦後処理を概説した一冊。象徴天皇制がどういう政治過程で決まったのかについても言及され、興味深く読みました。
1941年12月の日米開戦を受け、米国が戦後の日本占領政策の検討に入ったのは1942年夏。日本が緒戦の勝利に酔いしれていた時期でした。
第一次大戦時に明確な戦後処理計画をもたなかったことが、敗戦国ドイツに対する苛烈な賠償要求、その結果としてナチスドイツの伸長につながった反省から、米国内の日本専門家が国務省に集められました -
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NHKで放送されている『さかのぼり日本史』の書籍化第1巻になります。『さかのぼり日本史』とは、歴史を「現代から過去へ」みていくスタイルで語られる、つまり「私たちが生きる“いま”を出発点に、「なぜこうなったのか」と問いかけながら時代を一つずつ遡っていく。時代と時代の因果関係を浮き彫りにし、歴史の大きな流れを明らかにする、これまでに類をみない“新しい日本通史”」(単行本帯より)だそうです。ただ、このように「現代から過去へ」遡って歴史をみていくと理解しやすいという議論は、かつて東大受験を漫画化し、ドラマにもなった三田紀房『ドラゴン桜』の世界史勉強法でも紹介されていました。
本書の内容ですが、戦後の日 -
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戦後日本史を湾岸戦争→中曽根政権→55年体制→講和条約と遡って考察している本。
読みやすい反面、やや考察が簡潔すぎた感がある。
歴史は繰り返すとはよく言ったものである。
開国を余儀なくされ、不平等条約に苦しんだ明治初期から富国強兵に努め、眠れる獅子と呼ばれた中国に勝利し、列強の一角であったロシアと互角以上の戦果を挙げた明治末期。そして欧米列強に追い付き、それが故に米英に警戒され、戦争に突き進んでいった結果、日本は焦土と化した。
そして戦後。
荒廃した日本において、先人の弛まない努力によって高度経済成長を遂げ、瞬く間に世界2位の経済大国となった昭和中期。だがまたしても戦前と同様に、今度は経済面 -
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ネタバレこの本のメインはアメリカ国内の知日派の動きによって、アメリカの対日占領政策がどのように変わっていったのかを中心に説明する。それは第一次世界大戦の講和への準備不足の反省に立っていたと言う。そこから欧州で戦争が始まった時にアメリカは戦後秩序の構想を始め、日本が緒戦の「勝利」にわいている時に、対日占領政策を始め戦後のあらゆる問題への対応が始まった。
当時のアメリカ国内の感情を反映し、ルーズベルト大統領も無条件降伏を求めており、終戦二ヶ月前のアメリカ政府の決定は軍政の直接統治だった。しかし、アメリカ国内にいた、わずか数十人の知日派が政策に加わり、対日占領の性質が日本の「無力化」(当初は本土戦を想定、 -
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「まえがき」によると、「本書は占領下で重い荷を負った「首相たちの新日本」を再現せんとする試みである。五人・六代の首相たちが、何を想い、何を資源として、この地に堕ちた国を支え上げようとしたか。そして何に成功し、何に行き詰ったか。「人とその時代」を六つ重ね合わせるスタイルで描こうとの試みである。」とされている。
占領下の激動の時代、幣原内閣時の憲法制定を巡るGHQとの闘い、政党幹部の公職追放と吉田内閣の誕生、短命に終わった左派、中道政権、そして吉田長期政権へといった節目についての知識はある程度持っていたのだが、本書では首相に焦点を当てて、その政治指導者としての在り方にスポットを当てて読み物