文月悠光のレビュー一覧

  • 適切な世界の適切ならざる私

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    にんじんやほうれん草みたいな、すぐそばにあるものから想像を膨らませて描かれる世界観。
    それに加えて妖艶な表現にも驚きました。
    ハッと目が覚めるような鮮やかさです。
    詩人とは、こういう人のことを言うんだな〜と思いました。

    目の前の現実を受けて、自分の中の畑を掘り起こしていくような感覚。
    あるいは、海に潜って行くような感覚。
    読んでいて、とても豊かな気持ちになりました。

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    2024年04月07日
  • 臆病な詩人、街へ出る。

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    日本において、承認の基準は〈社会〉にある。〈地位を築くこと〉や〈社会への貢献度合い〉ばかり評価の対象となり、その社会的評価によって自分を位置づけている。だがドバイでは、依存先を社会に限定しない。モスクは社会的地位に関係なく、地域の子どもからお年寄りまで集う。一日五回の礼拝の時間は、太陽の動きと共にある。夕焼けの光に包まれながら、モスクへと吸い込まれていく人々。祈りを捧げる人々を見て、社会から切り離されて、自分自身と向き合う時間があるってなんて幸福なことだと思った。

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    2024年02月12日
  • 適切な世界の適切ならざる私

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    ちょっと散文的なところもありつつ、の詩集。
    ちょっと女子中高生の感性にちょっとついていけず、わからないところが多かった。

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    2023年03月25日
  • 適切な世界の適切ならざる私

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    私と同郷の北海道出身の詩人。
    本作は高校生の時の作品とのこと。
    思春期だからなのか性愛に関する作品が多かったが、作品としての価値を高めようとして無理に感情を強く表現しているような、無理して書いているような感じがしてしまった。
    祖母に関する作品があったが、あれくらい自然な方が等身大でいいと思った。

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    2021年07月30日
  • 洗礼ダイアリー

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    詩人・文月悠光さんのエッセイ集。装画・カシワイさん。
    文月さんのエッセイ集は2冊目。『臆病な詩人、〜』では直面した問題に対する悩み方・身の振り方に共感したりスッと理解できるポイントが多く、今作も文月さんに親しみを感じながら読んだ。
    『「かわいい」は疑え!』守られるために愛嬌を振りまき弱者を演じる、その必要がある社会的構造。
    『祖母の膝』祖母と母と私。

    詩集はまだ読んだことがないので、さすがにそろそろ読みたい。

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    2021年07月06日
  • 臆病な詩人、街へ出る。

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    幾度となく文中で使われてきた「臆病」という言葉通り、文月さんはそういう人なのかも知れない。
    だからこそ、時折垣間見える詩を書くことへ対する覚悟の強さ、物事の捉え方のピントが合っている感じにハッとさせられた。
    自分の言葉で表現できることの自由さがとても、羨ましく思います。
    繊細だからこそ紡げる言葉があるんだろうな。
    ストリップ劇場の話にぐっときました。

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    2021年01月05日
  • 洗礼ダイアリー

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    夢見がちな詩人のエッセー.15編
    案外普通な事を普通にいう感性が,瑞々しくて素敵でした.朝顔の水やりなど,何でもないことが面白いです.

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    2016年12月04日
  • 洗礼ダイアリー

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     詩人の欠点は数え切れない。「人付き合いが壊滅的にヘタ」「批判したがり」「傷つきやすい」「被害妄想が過剰」。さらに、言葉に器用だからこそ「相手が決定的に傷つく一言」を口にすることもある(詩人を敵に回してはいけない)。
    (P.9)

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    2016年11月30日
  • 洗礼ダイアリー

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    職業・詩人、平成生まれ…という肩書きだけをみるとキワモノなのかと思いますが、ひとりの女性の生きづらさが厳選された言葉で綴られた、共感しまくりのエッセイでした。
    劇的な出来事があるわけではなく、誰にも心あたりがありそうな、ちょっとしたささくれを丁寧に拾い上げられていました。
    しんどい生き方だなあと思いながらも、なんだかわかるなあと思ってしまいました。

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    2016年11月24日