大野博人のレビュー一覧

  • パンデミック以後 米中激突と日本の最終選択

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    グローバル経済の拡大による一部の富裕層とそれ以外の分断、いきすぎたグローバル経済が国民の分断を加速させる。国という共同体意識、ものづくり経済が奪われていく事への対する警鐘を鳴らし続けてきたトッドの言葉。以下、考えるべきポイントと感想。

    ・「日本の人口動態は危機的状況にある。人口減少、高齢者層の増加、少子化、日本政府は危機感を抱きながら後手後手に回り続けてきた。」
    ⇒同感。一番サポートすべき子育て共働き世代=国の生産性を維持して、且つ次世代への投資をしてる人たちをこの国はどう扱っているか?日本人として真剣に向き合うべき問題だ。このままだと老人とともに落日していく国だ。

    ・「自由貿易とは世界の富裕層が一つになった安い人々から労働力を搾取する事である」⇒同感。上位10%が株式の80%を保有している。日経の株高を享受したのは外国人投資家をはじめとするグローバル資本だ。上がらない給与、上がる株価。この歪な構造への大きな疑問符が投げかけられている。

    ・「能動的な連帯」⇒日本をどこにもっていきたいか、国民から発せられるムーブメントの欠如。日本はまるで成熟しきった大企業だ。変わらない事が一番気持ちいい、楽だ、ここに安住してしまっている。あとは沈んでいくのみだ。違う、国をどうしたいか、能動的な連帯化をもつべきだ。人口動態にどう手をうつか。地に足着いたものづくり経済をどう維持し成長させていくか、世界と伍して闘う組織に人も国も変わらなくちゃいけない。じゃあ、どうしたらよいのか。それを国民一人一人が考えて行動にうつして大きな渦を巻き起こしていく必要がある。

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    2021年02月15日
  • 世界の未来 ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本主義

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    世界情勢と日本の動向を様々な評論家が分析した一冊。

    ヨーロッパ中心なのは仕方ないが、勉強にはなった。

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    2020年02月17日
  • 世界の未来 ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本主義

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    ネタバレ

    世界の未来 ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本

    【1】 『世界の未来』 エマニュエル・トッド
    ●私たちはどこに行くのか
    はじめに「核家族」と「民主主義」があった/英米で再登場し、欧州大陸で消える民主主義/民主主義の土台を崩す高等教育/家族の形と民主主義の形/民主主義は普遍的ではない/「場所の記憶」という視点/大国であることをあきらめた日本/子供を増やしたければ、もっとルーズに/中国が直面する人口動態の危機/私と日本との関係

    【2】 『民主主義の希望』 ピエール・ロザンヴァロン
    ●ポピュリズムと21世紀の民主主義
    ●政治に思いを届けるには
    ●投票日以外も主権者であれ

    【3】 『資本主義の限界』 ヴォルフガング・シュトレーク
    ●グローバリゼーションと国際国家システムの危機
    ●資本主義社会の敗者に目を向けよ

    【4】 『分断の克服』 ジェームズ・ホリフィールド
    ●移民政策に失敗した国は、21世紀の負け組になる

    民主主義と帝国主義、核家族と大家族、ポピュリズム、資本主義、格差。
    こういったキーワードに関して4名の社会学者が論じています。
    大半のページがエマニュエル・トッド氏へのインタビューです。この人、ユニークな視点と歯に衣着せぬ物言いで人気があるのがわかります。
    他の方々は学者っぽい視点で、解決策が今一つ腑に落ちないところがありますが、現在世界が直面している問題を知る上では役に立ちました。
    日本の新聞も、本誌でこういった論客の意見を掲載して欲しいものです。
    まあ、人気は出ないでしょうが・・・

    竹蔵

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    2026年08月27日
  • 2030 来たるべき世界

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    昨今の国際情勢を見るにつけ、落ち込む事の多さにやるせ無い思い。そんな中で、本書のタイトルと参加者名から、明るい展望は示されていないであろう事は分かっていながらも、今起こっている事、今後起こるであろう事を整理出来る事を期待して読んだ。
    ほぼ予想通りの展開で、"そうだよなぁ、やっぱり"、との思いが強く残った読後。

    以下、各氏の発言で明確に言語化され印象に残った点。

    ・中国やインド、ブラジル、南アフリカ、イランなど、世界の国々は明らかに西洋の勝利よりロシアの勝利を望んでいます。地球はもう西洋の傲慢には我慢ならないのだと思います。(p.32)
    ・米国との同盟関係に裏付けられていた安全の感覚は、危険な幻想になるでしょう。(p.37)
    ・私が日本の長い歴史を学んで思うのは、その伝統は中立性にあるということです。同盟によって戦争に巻き込まれることではありません。(p.45)
    ・「狂気」「正気」という(略)指標に照らせば、今の世界では、権威主義国の方が「正気」を保っている(三牧氏p.61)
    ・(トランプのゼレンスキーへのあしらいについて)人に屈辱感を与えることを楽しむという背徳的な人格が表れていると感じる(p.66)
    ・「頼りにならない、極めて危うい本性を持つアメリカ」に国の生存を委ね続けて良いのか、という重要な問題意識(三牧氏p.76)
    ・違った意見や考え方を持つ人を敵とか裏切り者とみなす。人々を統合するより分断するナショナリズム(大野氏p.134)
    ・もし米国が台湾を巡って、日本を中国と対立させるように仕向けたとしても、最後は日本を放り出して、倒れるままにするだろう(p.174)
    ・目指すべき中間の道とは、一極集中でも、個人主義でもない「多元主義」です(タン氏p.199)
    ・(AIの時代、人間に残されたこと、若い学生たちに教えるべきは)「好奇心」「協力」そして「共助の精神」です(タン氏p.213)

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    2026年08月25日
  • 2030 来たるべき世界

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    ネタバレ

    テクノロジーや生活様式としての来るべき未来を期待して読んだら違った。が、これはこれで面白かった。
    宗教のゾンビ化、見せかけのナショナリズム、日本が抑止力としての核武装をすべきとの主張、などなど。エマニュエル・トッドの主張を基本的には繰り返すので中後半でもういいやとなった。

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    2026年08月10日
  • 2030 来たるべき世界

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    ・エマニュエル・トッド、オードリー・タン、モニカ・トフトら複数の論者が、2030年に向けた国際秩序と日本の進路を多角的に論じる構成となっている。

    ・出発点は「西洋の敗北」が現実となった今、世界はどこへ向かうのかという問いである。

    ・トッドはアメリカをニヒリズムに陥ったプロテスタンティズムの危機として位置づけ、対米同盟への過度な依存に警鐘を鳴らす。

    ・その上でトッドは、平和主義的中立ではなく武装した上での非同盟という選択肢を示し、日本の核武装も一つの案として提起する。

    ・ウクライナ戦争やガザ侵攻、AI技術の台頭を背景に、戦争への欲望とテクノロジーの暴走を人類共通の課題として扱う。

    ・オードリー・タンはデジタル民主主義の経験を通じ、テクノロジーと社会の意思決定の関係を論じる。

    ・他の論者は地域紛争や安全保障、移民・教育・コミュニティ形成といった先進国共通の課題にも言及し、単一の結論よりも多面的な視点の提示に重きを置いている。

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    2026年07月11日
  • 2030 来たるべき世界

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    ウクライナ戦争から予想される、西洋(欧米)の敗北という書籍の流れを踏襲し、今後の世界の見通しが書かれている。
    興味深いのは日本の出版社から刊行されているので、論点が「日本はどうするのか?(どうなるのか?)」が描かれている点。

    当然ながら朝日新聞が刊行しているので左派的な見方が多く、当然ながらアメリカファーストなトランプが大統領の非難は多い。
    もちろん共助という考え自体は悪いとは思わない。

    経済的合理性、効率が進展し、自由主義が蔓延している現代社会では、格差が開き、断絶が起きていると感じることが多い。
    こういった権力の集中や民族の分断が加速している世界で、どのような切り口があり、そういった対応が求められるかが語られている気がする。

    しかしながら、先の選挙にしてもそうだが、世界の潮流に影響され日本でも右的な思想がぶり返してきていると感じる。
    これは代表的な左派の衰退と腐敗も原因としてあるように思えるが、世界で助け合うことが理想であっても、毎日もやしばかり食べている家庭が、よその家庭に焼肉をごちそうするということはなかなかできないなぁとも感じる。
    また左派的な考えも多様化してきていて、派閥内でも分断が起きているような気もする。

    興味深かったのはオードリー氏の「プルラリティー」という考え方
    デジタル技術を用いて新たな合意形成の仕組みを作るという流れには希望を感じる。
    アンコモン・グラウンド(まれな一致点)を見つけることが、今後の世界には必要なのかと思う。

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    2026年06月13日
  • 2030 来たるべき世界

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    エマニュエル・トッドとオードリー・タンまでの章はメッセージが明確で面白い。

    それ以降については、とにかく自分の発言に責任を持ちたくないのか、どっちつかずなよく見る中庸な意見しかなく、つまらない(そういうのは社説や記事で読んでるからわざわざ本で読む必要がないと思っている)。

    勿論、学者やインテリの態度としてそんな簡単にスタンスを踏めないのはわかるし、
    この世の全てのことはグレーなわけでそんな簡単に白黒つけられないのも重々承知だが、
    周知の事実として、グレーなことしかないこの世の中を語る時に「この問題は、(この世の常ですが、)グレーなのです!!」と言われてもねぇ…と思ってしまう(笑)

    そんなこと一定の教育を受けた者なら誰でも言えることなわけで、そんな中身のない当然のことをシンポジウムに登壇して言う必要あるのかな?

    という訳でトッドとタン以外の後半の章に関しては、大学院生レベルの中身のない、悪い意味で批判のしようがない論の羅列だった。

    シンポジウムに登壇するなら、批判を恐れずにスタンスを踏んでほしい…

    その覚悟がないなら辞退してほしい。意味がない

    というわけで後半は紙面の無駄。
    トッドとタンの章は読む価値あり(そこだけなら★5つ)。

    オードリータンの本、『プルラリティ』も買ったから読んでみる。

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    2026年06月09日
  • 2030 来たるべき世界

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    自分のメモ
    アメリカの道徳崩壊 ニヒリズム 好戦性
    アメリカとNATOの東欧進出、ロシアの防衛
    アメリカのウクライナ戦争の敗北
    西洋の敗北
    空想のナショナリズム

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    2026年06月01日
  • 2030 来たるべき世界

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    前半のエマニュエル・トッド氏の話は、ウクライナ戦争を、ロシアの勝利、西洋の敗北と断定し、そこから分析を展開するという刺激的な内容だった。
    一方後半は、中堅国日本がアメリカの同盟関係のなかアメリカ陣営で生き残っていくということがベースであると言っており、トッド氏の話と180度反対の内容だと思った。
    さまざまな見方、多様性を示すという意味では良いのかもしれないが、個人的には軸はどこなんだろうと困惑し、消化不良な内容だった。
    オードリー・タン氏の話は、意見の極端化、分断が深まるネット社会への向かい合い方において、勉強になった。

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    2026年05月08日
  • 2030 来たるべき世界

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    トランプ氏に対して、「あいつは元々頭がおかしくて嫌なことをしたり、物事をひっくり返したりするのに快感を感じるやつなんだ」みたいなこと書いていて、

    あんた、それを言っちゃあおしまいよ

    と思ったが、いくつかの対談やインタビューがまとめられており、多角的な視点を得るのに役立った。

    特にオードリータン氏のパートは必見だろう。
    民主主義の強化や、多元主義など、
    右にも左にもなりきれない根っからの民主主義の日本が見習うべきものは多いと感じる。
    安野さんの名前が何度か出てきて、応援したい気持ちになった。

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    2026年05月07日
  • 2030 来たるべき世界

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    現在の状況で逆説的なのは、より狂っていないのら最も権威主義的な国々であるということ。困ったことに、西側のリベラルな国の方が少しおかしく、信頼できない。

    政権末期にはレガシー作りということがよく起こる。(トランプのノーベル平和賞?)

    ロシアはイスラエルの北側から攻撃してくるヒズボラ、シリアとの関係を通じてある程度の抑えを効かせてきた存在。そのため、ウクライナへの援助はできない。ゼレンスキーがユダヤ人の末裔であることに鑑みても。

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    2026年05月01日
  • 2030 来たるべき世界

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    エマニュエル・トッドをはじめとする対談集をまとめた一冊。一見、表紙の方々が一堂に会して対談したものと勘違いして購入してしまったが、それぞれ別々に開催されたイベントであった。『西洋の敗北』を出版した後の反響や、不安定な国際情勢において日本の良さをどのように生かしていくか、示唆を与えてくれるもの。親日家であるエマニュエル・トッドが広島の原爆資料館を視察してもなお、日本の核武装を推奨していることについて、いろんな対談者が質問しており、興味深い内容であった。東アジアにおいて日本が極めて微妙なパワーバランスの中に位置していることを痛感させられた。

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    2026年04月29日
  • 2030 来たるべき世界

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    売れ筋、新刊という事手にしました。トッド氏の見解の基本は「西洋の敗北」、即ち崩壊後のソ連、大戦後の中国が実力をつけてきた一方で、世界の警察を自負していた米国が国内から自己崩壊してきたというもの。大国に挟まれた、経済大国の日本の立ち位置が問われ、ややもすると現内閣の右傾化が揶揄される中、米国、中国、ロシアに対しても「ノーと言える」国であって欲しい。
    全般的に難しい内容でした!AIによる要約もよくわかりません。どなたか要すれば何が言いたいのか教えて欲しいです!

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    2026年04月06日
  • 2030 来たるべき世界

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    知の巨人達から見た世界。
    イラン戦争が本格化している2026年3月。
    冷静な目で世界を見続けるヒントが多く散りばめられていた。

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    2026年03月17日
  • パンデミック以後 米中激突と日本の最終選択

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    日本では昨年(2023)のGW明けにコロナが5類(普通のインフルエンザと同じ扱い)となり、それを契機に報道によるコロナは終息し、今に至っています。最近(2024.7)では、コロナが流行っていているようですが、それほど騒がれてはいないように思います。マスクはするしないは別にして、袋入りのマスクをカバンに何個か携帯するようにはなりましたね。

    この本は今年の2月に読破したものですが、本の内容が書かれたのは、2018-2021年なのでコロナ騒動の中で書かれました。私自身も、コロナによって働き方・生き方に大きな影響を受けたと思います、良かった点も変わってしまった点も含めて。レビューを書きながら、この本の内容をもう一度振り返りたく思います。

    以下は気になったポイントです。

    ・トランプ大統領は米国史の中で重要な大統領であった、米国政治にもたらした保護主義と反中国という方向は、歴史的な転換点になるはずである(p13)19世紀には国家は後方にいたほうがいいというリベラリズムが広がり、1914年の第一次世界大戦、29年の世界恐慌へと繋がった。それに続いて、第二次世界大戦からその後にかけては、国家中心の考え方への転換があった、それがまた変わったのは、米国レーガン大統領、英国サッチャー首相によるネオリベラリズム、経済的な新自由主義が登場したときである(p17)

    ・残念なことだが、思想的な行き詰まりを突破するには逸脱が必要である、家系的な毛並みの良かったルーズベルトのような人は日本では受け入れられやすい、安倍首相も毛並みが良い。でも逸脱できる人はそんな感じの良い人ばかりでなくて、危ない冒険主義者もいる、米国にはトランプ氏がいたというわけである(p21)

    ・実はトランプ的な政治という点では、それは前から存在していた、共和党はある意味で、文化的な同質性を体現していた、白人の党ということである(p26)トランプ氏の支持層は学歴が高くないと指摘されるが、その傾向はそれほど強くない、大卒レベルの学歴の半分くらいはトランプに投票している。違いがはっきりしているのは、教育レベルがさらに高い人達(質の高い大学、博士号)は殆どが民主党支持者である(p27)

    ・中国は14億の巨大な人口を擁しているが、人口動態という点では、ものすごい速度で変わりつつある。年齢構成が異常で、それが急速な高齢化へつながっている。これまでは、人口ボーナスのおかげで生産年齢人口に恵まれたが、その人たちが社会保障制度もないまま年老いていく(p50)

    ・米国においては、社会の分断や民主党の迷走よりも危ない兆しがある、肥満問題である、単なる健康問題ではない、肥満は自分を律する力の問題である。つまりうまく未来に向かう能力の欠如を表す(p60)

    ・マクロン大統領が覆い隠そうとしているのは、フランスで起きている30年にわたる政策の帰結である、今人工呼吸器やマスクの備蓄が足りなくなったのは新型コロナウィルスのせいではなく、備蓄にかけるコストを削ってきたから。さらに、感染者の多くを占める高齢者の介護施設にかけるコストも削ってきた、これらはコロナウィルスが引き起こしたものではない(p107)

    ・自由貿易とは、世界の富裕層が一つになって貧しい人々を安い労働力(かつては奴隷)として使うこと。考えてみれば、自由貿易の「自由」という言葉そのものが嘘である(p128)

    ・ある程度の自由貿易なら問題ないが、あるポイントに達すると経済的な格差が広がりすぎて民主主義と自由貿易を両立できなくなる、自由貿易をある程度やめるか、民主主義を救うかの選択を迫られる。民主主義の根底には、いくつかの平等が求められるから。市民権、法の下の平等、投票権、そこには経済的な要素も絡んでくる。政治的な民主主義が、経済的な格差の拡大を野放しにしたままでは成立しない。そして私たちはすでにその段階に到達してしまっている、ここでの問いは、完全な自由貿易を手放すか、民主主義を手放すかである(p151)トランプ政権の保護主義的な政策は、民主主義を取り戻すための理にかなった方法に見える、しかし欧州ではこれまで以上に自由貿易を推し進めている、中国と一緒に(p131)

    ・米国は冷戦終結から30年の間に、欧州をコントロールする力を失った、参加国が平等な共同体であるはずの欧州連合(EU)は、ドイツに支配されることになった(p149)
    ・移民対策は決して出生率対策の代わりにならない、最も優先すべきは、やはり女性が快適に働き、子供を産むことができる政策である(p188)

    2024年4月26日読破
    2024年7月22日作成

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    2024年07月22日
  • パンデミック以後 米中激突と日本の最終選択

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    つい我々は印象だけで判断してしまう癖がある。
    物事は一つの視点だけではいけない。他者の異なる意見が大事だ。
    これは日本のメディアの課題が大きいと思う。
    世界で起きている大事なニュースを、なぜ日本では報道がされないのか。
    さらにいうと、それらを深く考察した番組などほとんど無いに等しい。
    若年層ほどテレビ・新聞を見ていないのは、現前たる事実だ。
    インターネットで自分の興味あるものだけを選択し視聴している状況では、ともするとこれら世界のニュースが置いてけぼりになってしまっている。
    それは自分自身も反省の意を込めてだが、やはり世界で何が起きているのかを知ることはとても大切だと思うのだ。
    さらに言うと、世界のそれぞれの人が、それらニュースをどう感じて見ているかを理解することも大切だ。
    我々は内に閉じこもっていないで、もっと外の世界に出ていかなくてはいけない。
    結局、トランプ大統領とは何だったのか。
    世界はどこに向かっていくのか。米中はどうなっていくのか。
    日本は世界からどう見られているのか。
    今現時点でも日本を取り巻く環境は相当に厳しい。
    かつてないほど隣国との関係性も難しくなっている。
    さらに本書でも述べているが、これだけ確実に少子高齢化問題が見えているのに、その対策がなされていないのは、もっと国民が声を上げるべきだ。
    政治家も「何とかしなければいけない」とは言っているが、具体的行動にまで発展し、結果を残せているものは正直見当たらない。
    高齢化していく、さらに人口が減っていく、というのはすべての問題の根源的課題だ。
    国家の安全保障の面から言っても、若者がいない国がどうやって国防していくというのか。
    元々数が少ない貴重な若者を、国防のために駆り出していいのか。
    それでは国防はお座なりにしていいのか。
    世界は日本国内のことなどを興味がないかもしれないが、「どう対応するのか」については興味があるらしい。
    日本の対応次第で、中国・韓国・北朝鮮との関係性にも影響があるからだ。
    逆にいうと、日本はもっと世界に目を向けなければならない。
    ロシアと中国との関係性も、昔の共産主義の文脈で語られた印象のまま止まっていてはいけない。
    そして日本の中でさらに興味が薄いのが、欧州の出来事だ。
    ドイツ・フランス・イギリスの関係値。
    東欧はロシアとの関係性が今どうなっているのか。
    私自身も詳しくはないのだが、こういうことを日常から語る習慣があってもいい。
    中学校時代の社会科の授業じゃないが、社会人が気軽に国際社会を学べる講座みたいなのがあってもいい。
    そして情報に踊らされずに、自分自身の考え方で意見を述べられるようになりたいものだ。
    (2022/2/20)

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    2022年02月20日
  • パンデミック以後 米中激突と日本の最終選択

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    フランス人の歴史家であり、文化人類学者、人口学者であるエマニュエル・トッド氏のインタビュー記事を本にまとめて出版された本。インタビューは、2018-2021にかけておこなわれ、以下の六つのテーマが収録されている。

    1.トランプ政権が意味したこと
    2.新型コロナ禍の国家と社会
    3.新型コロナは「戦争」ではなく「失敗」
    4.不自由な自由貿易
    5.冷戦終結30年
    6.家族制度と移民

    インタビュー形式の本だとNHK出版の本が出来が良かった印象があるが、この本は、ただエマニュエル・トッド氏へのインタビューを一冊にまとめただけとも取れる。
    フランス人の著作は何冊か読んだが、視点が哲学的で大国や歴史に迎合せずシニカルな雰囲気があって嫌いじゃないんだけど、この本は全体を通すと、ちと読みにくかった。

    トランプについて語っている所では、人口などのデータからの分析は、後になってみればたしかにそうだなとなる部分を差し置いても、リアルに今起きている事象を当てはめて考える力を少しつける事が出来るのかもしれない。
    日本に対しては、人口問題について、日本人が古くから認識しているのに、何もできていないまま時間が過ぎていると指摘をしている。他国との比較も交えて、先進国で出生率が増えているアメリカとか、何が起きているのか不明と言っているところなんて、新しい研究テーマなんだろうなと。政府やメディアが何かをする事で、変化が起きてるわけじゃない何かがありそう。

    この本の想定読者は、四十代後半以上のおじさんです。それ以外の人は読んでも面白くありません。

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    2021年05月23日
  • 世界の未来 ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本主義

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    資本主義のこれからを知るために手に取った。止まることが許されない資本主義。今必要なのは速度を落とすこと。貧富の差は拡大し続ける社会で、ヒエラルキーの下層にいる人たちの声を吸い上げる必要がある。

    アメリカの移民問題、実はアメリカ違法移民は正規で入国した人たちのオーバーステイ。メキシコからアメリカよりも脱アメリカする人の方が増えているとか。ニュースの表面ばかりを受け取っていたな。

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    2020年06月15日
  • 世界の未来 ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本主義

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    4人の大御所が論説。世界の未来、はじめに核家族と民主主義があった。民主主義の希望、選挙ではちゃんと代表されない時代になった。資本主義の限界、市民より市場に支配される国家。分断の克服、移民政策に失敗した国は21世紀の負け組になる。

    社会のしくみを見ると、世の中は複雑化し、かつてのエスタブリッシュな世界が崩れてきているということでしょうか。難しいです。

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    2018年10月13日