長谷川貴彦のレビュー一覧

  • 産業革命:起源・歴史・現在

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    本書は産業革命史研究の泰斗であるロバート・C・アレン教授による入門書(原著:The Industrial Revolution : A Very Short Introduction , Oxford Univ. Press, 2017の翻訳)である。アレン教授はすでに A Very Short Introduction シリーズの1つとして Global Economic History , Oxford Univ. Press, 2011.があり(翻訳は『なぜ豊かな国と貧しい国があるのか』NTT出版、2012)、本書の内容と重なる部分もある(とくに第2章「産業革命の前提条件、1500〜17

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    2025年02月02日
  • なぜ歴史を学ぶのか

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    リン・ハントは、フランス革命を専門とするアメリカの歴史学者。

    彼女の「フランス革命の政治文化」には、大きな衝撃をうけた。内容も面白かったが、それ以上に方法論として、言葉だけでなく、象徴・イメージ・シンボルも含めて解釈していく記号論というか、ポストモダンな定性分析とハードな定量分析が組み合わさっているところが、すごいなと思った。

    伝統的な歴史学から考えると、定性分析、定量分析の手法がそれぞれ新しいもので、さらにそれをひとりの著者が組みあわせて、アプローチするというのが、すごいと思ったし、歴史学に限らず社会科学の一つの理想的なありかたと思った。

    わたしは研究者ではないけど、なんか仕事をしたり

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    2023年06月21日
  • なぜ歴史を学ぶのか

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    一般向けに書かれているにも関わらず、歴史というものに如何に取り組まなければいけないか、を衝撃的に教えてくれた。理系で社会科学を嫌いな人にぜひ読んで欲しい。

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    2020年06月09日
  • なぜ歴史を学ぶのか

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    なぜ歴史を学ぶのか、この問いに対していくつかの答えを示してくれる本である。フェイクニュースや歴史的真実が不安定な世の中で、歴史というものがどのように作られ、そして今と昔の歴史を学ぶことの意味の違いについて書いてある。
    今後、様々な歴史の本を読み進めて中でこの本を読むか読まないかで、見方が大きく変わる気がする。

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    2025年07月09日
  • 産業革命:起源・歴史・現在

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    産業革命について、なぜ西欧、とりわけイングランドから発生したのか、どの産業から興りどう敷衍していったのか、国民や諸外国にどう影響きていったのか、政治的な影響はどうだったのかを記述している。
    統計データもしっかり示されていて説得力のある内容だが、社会構造変化も起こっているため、その複雑な変化を把握、理解するのはなかなか困難だった。一般的なイメージである「劇的変化」や「酷使される労働者VS強欲な資本家」といった単純なものではないということがよく分かるし、個人的にはそういった"分かりやすさ"に飛びつかない訓練にもなった。
    また、先進国がやがてサービス業に偏重していくかもザックリと

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    2025年05月09日
  • 産業革命:起源・歴史・現在

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    産業革命の大凡については、ショート・イントロダクションとしてまとめられている。
    記述としては淡々としていて再読するほどにも感じないが、産業革命研究の現在地や、一般的な理解からの進展がどう論じられているかという新しい視点が見出されているのは読んだ甲斐があったやも。

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    2025年03月02日
  • なぜ歴史を学ぶのか

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    ■概要
    インターネットが普及したことにより誰でも歴史について発言することができる環境にある中で、嘘やフェイクニュースが溢れています。このような状況を踏まえて歴史を学ぶ意味・目的はどこにあるのかという問いに筆者の回答を与えています。

    ■問題提起
    歴史についての嘘はインターネット、特にソーシャルメディアの登場でより顕著になっています。事前のチェックや検閲が事実上存在せず、誰でも情報を拡散することができるので、歴史に関する嘘がインターネット上に溢れることを可能にしています。他にも歴史を巡っては下記のような状況が見られます。
    ・政治家が歴史について嘘を言う
    ・歴史的記念碑の撤去や存続をめぐる衝突

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    2021年05月02日
  • なぜ歴史を学ぶのか

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    歴史学に求められるものは何なのか、それは時代により変わってきたことを簡潔に説明しつつ、作者は自らの立場に拠って、一つの回答を提示する。アクチュアルな問題意識の下に書かれた、簡潔で、力強い書である。

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    2020年05月03日
  • なぜ歴史を学ぶのか

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    ネタバレ

    アメリカの歴史学者リン・ハントさんによる、一般市民向けに歴史について書かれた本。

    修士課程で彼女の本が課題文献になっていたので著者の名前は知っていたのですが、それ以来でした。

    今日に至る歴史学について、とても分かりやすく紹介されています。

    私たちは歴史に取り憑かれた時代に生きている、と一の方で述べられていて、

    記念碑や教科書に関する近年の国際的な動向に触れつつ、

    歴史についての認識を深められる内容となっていました。

    歴史に完全性も客観性もないということ、

    ご本人白人の女性という立場からこれを書いていると明記して、

    強調されている点のひとつです。

    _歴史学というものは、定義から

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    2025年01月25日
  • なぜ歴史を学ぶのか

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    我々は過去から何を学ぶのだろうか。この曖昧さは常に改定し続ける歴史の教科書に、国民的記憶の形成に通じる。筆者は歴史は抑圧されたモノを外に放出する傾向があるという。穏健な解釈は必ずしも真理では無いと。

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    2024年02月24日
  • なぜ歴史を学ぶのか

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    途中眠くなっちゃったけどとりあえず最後まで読んだ
    歴史学が最初エリートのための教科だったのおもしろい

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    2023年02月05日
  • なぜ歴史を学ぶのか

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    具体例を挙げながら「歴史学」にまつわる問題を取り上げる。取り上げられる事柄は幅広く面白い。しかしE.H.カーはもっと語り口がフラットだったような……いや、歴史修正主義をはじめとした動きの前にフラットさを捨てざるを得ないほど「歴史学」に余裕がなくなっているのかもしれない。とはいえそれはリン・ハントの視点での「歴史学」で、わざわざE.H.カーを引き合いにして売り出す必要はあったのだろうか? 歴史学の手法、歴史の重要性を語る点に共通項はあれど、視線の高さや着目点が違う。なぞらえることで失われるものがある。

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    2021年07月09日
  • なぜ歴史を学ぶのか

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    歴史という学問のこれまで歩み、最近起きている近代史の重視、国家による歴史教育の強化、これらに関する問題点が示されている。歴史というものは、事実に即していなければならないが、事実も一つではない以上、その解釈は多義的にならざるを得ず、学者としての歴史には困難さがつきまとう。
    自由に議論できる事が、全ての学問に必須である。

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    2021年01月15日
  • なぜ歴史を学ぶのか

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    フェイクニュースや歴史修正主義が横行する時代に歴史学に何ができるのかという問題意識のもと、トランプ政権によるフェイクニュースや歴史教科書問題などの具体的な事例を題材にして考えるアクチュアルな歴史学の入門書。
    書いてあることはもっともなことばかりだが、歴史学の入門書においてはありきたりと思える内容が多く、個人的には、E・H・カー『歴史とは何か』の現代版という触れ込みから期待したほどではなかったという印象である。

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    2020年05月17日
  • なぜ歴史を学ぶのか

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    21世紀の歴史とはなにかという触れ込みは、少しハードルあげすぎかな。と、いうのはコンパクトな本だが内容は多くない。
    歴史修正主義などへの反発というのはおおいに納得できる。
    かつて、エリートの学問であった歴史学が今後、大衆化していくなかで、どのようなことが求められるのか。シティズンシップがだいじ。

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    2020年04月05日