矢部謙介のレビュー一覧
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この本を買った理由は、会計はただ勘定するだけでなくその数字を活かして会社の利益を生むようにしないと意味がないと感じたから。
そういう意味で買った本としては大正解。
まずは前半では、いろいろな業界の企業を例に取り、財務諸表を解説。
①自分の知ってる範囲でどんなB/S、P/Lになるのか予想する。
②比例縮尺図、筆者の解説と自分の予想とを答え合わせする。
と言うような流れで読むことを本の中で筆者が促していて、①を挟むことで記憶に残りやすいと感じた。
個人的に予想をしていなかったのは、本の後半部分で、KPIについても詳しく説明されていた。
これは自分が働いてる会社で即活かせる内容。
(同時に自分の -
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代表的な指標として誰でも思い浮かぶ「売上高営業利益率」、「フリーキャッシュフロー」のほか、以下のような指標について説明があった。
「EBITDA」
営業利益に有形・無形固定資産の償却費を足し戻し。投資先行型の企業の収益性を測るのに適しており、これをKPIにすると投資抑制の意向が働きにくくなる。
「ROE」
財務レバレッジ(総資産/純資産)×売上高利益率×総資産回転率に分解できる。
「ROIC」
税引後営業利益/(有利子負債+株主資本)
調達資金でどれだけ稼げているかを表し、WACCを上回っていればOK。
「PBR」
ROE×PER。
金融資産の収益性は事業資産を下回ることが多いため、政 -
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難易度低めで専門外の読者にも優しい。ビジネスモデルというよりは「決算書から何が分かるか」、その企業の特徴を同業と比較しながら解説していく内容だ。自ずと決算書にも明るくなる。
ー ヤクルトレディーは基本的にヤクルト本社の社員ではなく、個人事業主としてヤクルトの販売会社と業務委託契約を結んでいる。そのため報酬は給与ではなく販売手数料として支払われる。販売手数料の売上高に対する割合は7%。人件費や広告宣伝費が大きいことも販管費の高さにつながっている。一方で、低い原価率に結びついている。
ー ツルハホールディングスは成長戦略の一環としてM&Aを積極的に活用しているが、コスモス薬品は基本的に -
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有名企業の決算書を比較分析することにより、その企業のビジネスモデルを炙り出すというもので、事例が豊富にあるので投資の参考にもなりました。
私が一番興味を持ったのが、もう上場廃止になっていますが、「グレイステクノロジー」という会社の粉飾決算についての分析です。
この会社は、高成長企業ということで投資家の注目を集めていましたが、実は、極めて巧妙な粉飾決算を行うことで、高成長企業であることを演じていたというものです。
この事例においては、キャッシュフロー分析によっても、粉飾決算であることを見抜くのは困難であったとのことでしたが、ある会計指標を注視していることで、正常な決算ではない可能性が高いと判断