リチャード・ブローティガンのレビュー一覧

  • 西瓜糖の日々

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    死後の世界ってこと?長老鱒?西瓜糖でできた何もかもって何?忘れられた世界?いろんなことが意味ありげに出てくるけど、結局何かはわからない。でも主人公は彼女に飽きて新しい女を作ったり、セックスしたり俗っぽいというか行動がリアルで、そのアンバランスさが面白い。
    これは1960年代のヒッピーコミューンのこと?と思いながら進めたものの、解説だとそうでもないみたい、、。
    晴れた日に永遠が見えた、ピーウィーの大冒険、去年マリエンバートでを思い出した。

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    2025年09月27日
  • 西瓜糖の日々

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    西瓜糖、アイデス(iDEATH)、忘れられた世界、鱒の養殖場、歌う虎、川に沈む棺…
    魅力的で妖しい言葉の数々が、穏やかで閉じた世界を描き出す幻想小説。
    物語をあるがままに受け取ることが得意な人、物語の筋書きより手ざわりを愛しむ人には、たまらない一冊だと思う。

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    2025年05月29日
  • 西瓜糖の日々

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    村上春樹以前の村上春樹的世界とでもいえばいいのか。
    並行現実のしずかな営みにある、狂気。だれもが自分が正しい。

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    2023年12月22日
  • 西瓜糖の日々

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    ネタバレ

    初ブローティガン。
    原題”In Watermelon Sugar”。
    全88断章が連なる、寓話。
    「西瓜糖の世界で」「インボイル」「マーガレット」の3チャプター。
    寓意は簡単に判りそうな気も、する。
    時間と、忘却と、生と死と、無関心と、自己欺瞞と……。
    が、あまり茫漠としすぎていて、全然判らないという気も、する。
    つまり村上春樹っぽい。
    影響関係でいえば逆なのだが。
    (また、高橋源一郎、小川洋子、柴田元幸、岸本佐知子、etc...)
    SFではないが、ユートピア≒ディストピア、の系列。
    また、地図を描きたくなる。
    アイデス : 忘れられた世界
    あるいは忘れられた世界の中に孤島のようにアイデスがあり、アイデスの住人の住居はその辺縁にある?
    人々(わたし、チャーリー、ポーリーン)(マーガレット→) : インボイル
    という構図か。
    清教徒的・小市民的生活と、対立。
    時系列的にヒッピーから生まれた文芸では決してないらしいが、やはりヒッピーとの親近性はありそう。
    語り手の「わたし」がむしろ阻害「する」側で、インボイルやマーガレットのほうが読者に近い。はず。人間っぽい。
    語り手が実は鼻持ちならない側、というのも、春樹っぽい。

    連想。
    タイガー立石「とらのゆめ」。
    虎と西瓜から。
    ドラッギーなところとか。

    連想2。
    突飛かもしれないが、「マインクラフト」。
    世界の素材が西瓜糖、というところから。

    藤本和子の文体、好き。
    訳書をいくつか読んでから「塩を食う女たち――聞書・北米の黒人女性」を読みたい。

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    2023年12月12日
  • ビッグ・サーの南軍将軍

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    最初に読んだのは数年前だったけれども、もう一度読み直したら、とても腑に落ちた。
    昔読んだときは、芝生の復習とかとちがってしっくりこなかった(愛のゆくえ、みたいなかんじ)けど、
    年をとったからなのか、面白く読めた。ブローティガンは毎回読み直して新しい。

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    2009年10月04日
  • 西瓜糖の日々

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    ものすごく短い場面を切り取りつなぎ合わせたような不思議な小説。語り手の名前はなく、登場人物たちの住んでる世界も牧歌的なような暴力的なような。アメリカの歴史とも関係があるのかな。

    解釈はさまざまだと思う。
    小川洋子さんのエッセイで興味を持った作品なので現実離れしたい方向けかしら…
    出てくる食事が質素なんだけどおいしそうです。

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    2026年09月24日
  • 風に吹きはらわれてしまわないように

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    詩的な小説だった。
    本編、解説を読み、アメリカの土埃は、日本でいうと陽炎みたいな感じだなぁと、個人的に思った。

    死や貧困といったリアルな現実の話でありつつ、子供の葬式を見守るシーン、家具を持参して釣りをする夫婦、池のほとりに住む老人などなど描写は夢のようでどこか現実離れしていた。
    風に吹きはらわれてしまいそうな登場人物達だった。想像力が豊かな主人公の視点で語られているからかもしれない。

    あの時ハンバーガーを買うことを選択していたら人生が違ったのに、という考えのもとその後の人生、ハンバーガーに執着するのがシュールで笑うところではないのかもしれないが笑ってしまった。
    けど、人生であの選択をしていたらという「もしも」の基、その選ばなかった選択肢に執着してしまうことは人間あるあるなのかもしれない。
    主人公はそれがハンバーガーだった。
    ある時なんの事情も知らない母に「そうね。ハンバーガーを買うべきだったかもしれない」という言葉を返されたことを機に、主人公のハンバーガーへの執着は消え去る。
    主人公は不幸な事故が、ハンバーガーを買わなかったせいで起きた出来事だと自分の中でのみ決めつけていたため、「ハンバーガーを買わなかったせいだった」と他者に(言葉だけでも)言われたことで心境に変化があったのだろう。
    それが「やっぱりそうだよね」という安堵や救いなのか、「自分でも本当は分かっていたけれどそんなわけない」という諦めのような気持ちなのか。

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    2026年08月07日
  • 西瓜糖の日々

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    これまでに読んだ『芝生の復讐』『アメリカの鱒釣り』は特にまとまったストーリーはなく、詩的な掌編を重ねていくことで世界を構成するといったものだったが、本作は1ページ程度の分量でタイトルが付されるものの、一つの時系列のもとで決まった幾人かの登場人物が行動する短編小説として読むことができる。タイトルにもなっている西瓜糖や人語を話す虎、幅数インチの川など詩的なイメージも横溢するが、同時に目をそむけたくなる暴力や深刻な人間関係も描かれており、透明で切ない詩的なイメージと暴力的な凄惨さの入り混じる複雑な読後感である。

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    2026年07月31日
  • 西瓜糖の日々

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    不思議な世界観
    静かに ひっそりと
    やわらかな
    透明な膜の中で生きているような
    イメージ
    ひとつひとつ 区切りがあるので
    とても読みやすく
    つづきは どうなるのかな?と
    気になる書き方
    現実世界とは まるで違う世界
    そして今 私たちが暮らす世界の
    断片のようなものも…

    穏やかさと凶暴さが混在している
    でも 乱されすぎない

    なんにも考えず
    語られる言葉だけを
    素直に受けとめて読む
    大きな衝撃など何もないが
    何とも不思議な
    心地良さも感じさせる1冊だった

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    2026年07月15日
  • 西瓜糖の日々

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     こういう本を読むと、どうしても謎解きをしたくなってしまう。「アイデス」が、「私・死」だろうなということはスッと思いつくけれど、そのあとは何も頭に浮かんでこない。たくさんの「?」で頭をいっぱいにしながら、淡々と進む物語を淡々と追いかけていくしかない。次第にそれが快感になってくる。不思議な読書体験だった。

     結局「?」は{?」のまま、やや唐突に終わる。なぜここで終わるのか、物語の中で描かれた出来事にどのような意味があるのか、読み終わってからも答えを探してしまう。おそらくそんなふうに考えるのは無意味なのだろうとわかり書けてくるのだけど、それでも気になっている。そんな落ち着かない感じがいつまでも残った。不支持など句初体験だった。

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    2026年04月04日
  • 西瓜糖の日々

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    文明崩壊後のような世界の、小さな共同体をめぐる詩的物語。全てが西瓜糖で作られ、川底の墓の灯りが夜を照らすアイデス。残酷な死もただ受け入れるこの場所は、穏やかさに抗う流血にも揺るがない。静かで透明、ほの甘い孤独に包まれた世界が独特な余韻を残す。

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    2026年01月24日
  • 西瓜糖の日々

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    幻想ってよりはSF味を感じた!西瓜糖は馴染みがなくてイメージしにくかったけど、すごく甘いって訳じゃないとあとがきを読んで何となく理解できた気がする。

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    2025年12月31日
  • 西瓜糖の日々

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    アイデスとはどんな場所なのか
    iDeathというからには
    死の世界なのかもと
    解説の柴田元幸さんは
    言っている
    日本語的には
    「愛です」とも読めてしまう
    なんとも不思議な幻想的な世界
    語り手は名前を持たない
    それは読者に委ねられている
    西瓜糖で作られた町で暮らす語り手
    それは西瓜糖の言葉で
    語られている
    なんだか甘いイメージ
    だけど
    ゴテゴテとした
    ねばりつく
    ちょっとしつこく
    鬱陶しさも感じるのかも

    穏やかな暮らしの中に
    愛や友情があるが
    それ以上に嫉妬や暴力
    何より死が渦巻いている
    川の中の棺や
    忘れられた世界
    虎にかじられた両親の話しが
    普通に語られ
    その虎が「悪いと思っている」と
    淡々と話す
    虎の時代から鱒の時代へ
    そして忘れられた世界が
    どんどん広がっていく

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    2025年12月24日
  • 西瓜糖の日々

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    おすすめされて読んだのだが、何故おすすめされたかわからなかった、、(キュートなあのひとごめんなさい)面白いけどね、不思議ワールドすぎて「ほーん」って感じだった。私はリアルを生きたいっ

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    2025年10月04日
  • 西瓜糖の日々

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    ネタバレ

    語り手の淡々とした物言いのおかげで、物語はずっと穏やかで静謐で、だけどどこか狂気があった。
    わたしたちが今いる現実世界とはかけ離れた場所に物語の世界はあって、ずっと遠い未来か、現実世界の向こうの死の世界か。虎の時代やインボイルの事件などがあっても、基本的には穏やかな時間が流れているように感じた。両親を虎に食い殺されたときでさえ、"わたし"はそれを俯瞰して眺めているというか、いつかのポーリーンのように激しく心を乱しているようには見えなかった。西瓜糖でできた橋やその他たくさんのもの、西瓜糖鱒油をつかったランプをわたしたちは持っていないけど、わたしたちが持っているたくさんのものも、向こうの世界にはないのだろうと思う。

    「本当のアイデス」とはなんだったのか、"わたし"のような、名前を持たない存在は何なのか、アイデスがどのような場所を表すのか、など、疑問に残るところが多々あった。〈虎の時代〉があったように、アイデス(iDEATH)は常に"死"がある場所で、血に塗れているはずの場所というのが、インボイルたちの解釈なんじゃないかと思った。だからあんな事件を起こしたのではないか。"わたし"の名前はわたしたちが決めるもので、わたしたちの思ったことや感情による。特定の名前を持たずにやわらかく変化しつづけ、わたしたちの感情に寄り添う(?)から、女性2人からも愛されるくらいモテるんだろうなと勝手な想像。だって、親友が付き合っていた男を好きになるって、相当魅力的じゃなきゃそんなことにならないと思う…。

    日によって変化する太陽やそれに影響される西瓜が面白かった。黒い太陽の沈黙の日、わたしも体験してみたい。淡々としているけど文章はどこか詩的で、読んでいて心地の良い感じがあった。
    小川洋子のエッセイ『遠慮深いうたたね』で紹介されていて気になったので読みました。たしかに、小川洋子が好きそうな世界観かも。

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    2025年07月23日
  • 西瓜糖の日々

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    西瓜糖で作られた、閉じられた静謐な世界。そんな世界の中にはうっすらと不穏な空気があり、グロテスクな死や流血が書かれるけれど、恐怖やおぞましさみたいなものはすっぽりと抜け落ちているようで不思議な読み心地。起こる出来事に関連性はあるが物語の筋のようなものはなくて、この独特な世界の雰囲気を味わう小説なのかも。
    岸本佐知子さんのエッセイでいしいしんじ好きな人におすすめと書かれていたので気になって読んでみたんだけど、ちょっと違う気がする。不思議な世界を描くという点では似ているのかもしれないが、いしいしんじ作品にあるようなあたたかみ、人間のにおいのようなものは全く感じられなくて、それらを排除したのがこの西瓜糖の世界というイメージ。私にはちょっと刺さらなかった。

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    2025年02月10日
  • 西瓜糖の日々

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    【あらすじ】
    コミューン的な閉じられた幻想的な世界、「アイデス」と「忘れられた世界」。
    そこは完璧で美しいが同時に残酷な一面を持つ。
    詩篇のような文章で綴られていく、抽象的なストーリー。

    【感想】
    人を選ぶ作品であることは間違いない。
    「アイデス」を理想世界と思うか、息苦しい世界と思うか…
    ただし、あまり深く考えずに描写そのものを堪能するのもありだと思う。
    川の主の大鯰や、西瓜糖で出来た家具など想像を掻き立てることは間違いない。

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    2025年01月20日
  • 西瓜糖の日々

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    淡々としている主人公の語りがうつくしかったり時には落ち着きすぎていてこわく思えたり。でも読者の感情の動きはよそに静かに、浮世離れしているような設定の世界。それでも人間関係があり、善があり悪があり、好きな食べ物があり日々の仕事がある。不思議な空気でした。毎日の太陽の違いが面白かった。

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    2024年07月13日
  • 西瓜糖の日々

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    ネタバレ

    不思議な町、世界の話。

    斉藤壮馬のおススメ本第2弾。

    最初、西瓜糖ってなに?って思ってぐぐった。
    西瓜糖を原料としていろいろなもの(家とか)を作ってる世界の話。

    世界観は好きだったし、
    ブログみたいな感じでサブタイトルがあって、
    そのサブタイトルに対する文章が短くて区切りがいっぱいあって
    とても読みやすかった。

    最初は??が多かったけど、
    後々わかってく部類の小説か?と思ったら
    そんなにわからない部類の小説だった。

    インボイル率いる軍団が、
    集団自殺をした場面は、
    それまでの素敵な描写と相反してすごく際立ってたし
    グロテスクだった。

    村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の、
    世界の終わりの部分をもうちょっと現代風にした感じ。
    わたしの想像力がもっとあればもっとこの世界観を想像できたんだろうなぁと悔やまれる。
    想像力が試される小説。

    まだ続くんだろうな〜って思ってページをめくったら、
    めくる前のページが最終ページだったという。
    終わりがよくわからなかった。

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    2026年10月04日
  • ビッグ・サーの南軍将軍

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    長らく版が絶えたままになっていましたが、11月にようやく文庫化されました。めでたい。これを読んでから鈴木志保の「船を建てる」を読むと、3巻あたりで流す涙が2割増になる、かもしれない

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    2009年10月04日