佐藤信夫のレビュー一覧

  • わざとらしさのレトリック

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    ネタバレ

    後半部分に関してはまあ、
    難易度がぐーーーーんとはねあがってくださります。
    なんとなく文章にその兆候は
    漂っているものの、要注意ですね。

    言葉をこう表現するのって
    人によってさまざまなプロセスがあったり
    手法を用いていたりします。

    たとえばど真面目だからこそ、
    言葉で遊ぶ手法を用いた漱石。

    もうすでに出ている事実を
    さらに強調することをした
    井上ひさし。

    なんか似たような語呂合わせで
    遊んでしまう筒井康隆。

    個人的には井上ひさしの
    解説が面白いように思いました。
    くどいほどの表現って
    まさにわざとらしいですし。

    後半に関しては、
    高度な解説になっています。
    言葉とはなんぞ、という

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    2017年02月24日
  • レトリック感覚

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    レトリックは元来、表現の説得性を追求する技法および芸術性を追求する技法としてのみ重要視されてきた。それゆえ脚色を嫌う現代の科学的合理主義のもとで、レトリックは無意味かむしろ害悪なものとして葬られてしまった。しかし、それはレトリックの価値を大きく見誤っていると著者は嘆く。〈本当は、人を言い負かすためだけではなく、ことばを飾るためでもなく、私たちの認識をできるだけありのままに表現するためにこそレトリックの技術が必要だったのに。〉感覚や印象をありのままに表現し伝達するための技術として、レトリックに新たな側面から光を当てる意欲的な良書。

    「言語の弾力性」という言葉が印象的。言語が確かな質感を持つ生き

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    2016年11月30日
  • レトリック感覚

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    TwitterやBlogでかんたんに言葉を書き伝えることが出来る時代だからこそ、ちょっと小洒落た言葉のしくみを知っておくとなお楽しくなる。
    そんな本。古くなることのない良書。

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    2014年10月27日
  • レトリック感覚

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    第1章 直喩
    第2章 隠喩
    第3章 換喩
    第4章 提喩
    第5章 誇張法
    第6章 列叙法
    第7章 緩叙法
    という構成で、各レトリックを丁寧に解説している。

    ことばのレトリックは、説得術という実用的な機能と、芸術的あるいは文学的表現の技術という役割とを担っている。
    レトリックは笑いと切り離せないものだなと思う。この本で、佐藤信夫さんがさまざまな例を挙げて解説しているが、この著者自体、ユーモアがあり、解説も穏やかな笑いに包まれている。

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    2014年06月28日
  • レトリック感覚

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    レトリックは単に言葉を装飾するためのものでも、相手を説得するためのものではない。

    そうではなくて、自分自身の認識を正しく表現するために使うものである。
    本来言葉というのは圧倒的に足りないのであって、
    たかの知れた自分の一人の気持ちを正直に記述するためにも、
    できるだけありのままに表現するためには用意された言葉だけでは不十分。そこで必要となるのが、言葉のあやだ。

    「発見的認識の造形」というレトリック第三の機能に注目し、直喩・隠喩・換喩・・・と基本的なレトリック技法それぞれを解説していく。

    ことばって面白い。

    以下、メモ。
     ・コミュニケーションにおいて自分自身の表現したものが相手に正しく

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    2013年04月29日
  • レトリック感覚

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    比喩法を含むレトリックは物事の今まで見ていなかった点に注目させる。

    直喩法は新たな視点を創出。
    隠喩は意識しない見方を示唆。
    換喩は人が注意を向けがちな面へ誘導する。
    提喩は物事の注目させたい面へ注意を向けさせる。
    誇張法はあえて冗長な表現を行いユーモアを示す。
    列叙法は段階的に注意を向けさせたい部分に誘導する。
    緩叙法は否定によって存在しない物への注意を喚起する。

    言語という記号が持つ柔軟な表現方法をエッセイ風に紹介する良書。

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    2013年03月07日
  • レトリック感覚

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    文系の大学生は読んでおくべき本だと思う。通常なら「比喩」と呼ばれる言葉も、暗喩/転喩/風喩などと細かく特徴と手法が分かれることがわかった。逆にこれだけ表現方法が違うのに「比喩法」とひとくくりにしてしまえる人間の認識力はすごいと思う。

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    2011年08月29日
  • レトリック認識

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    抽象的だと思ってしばらく積ん読だったけど、読み直したら意外と読みやすかった。具体例が出ていて分かりやすい。

    世の中の「面白い」文章はレトリックが効果的に使われている事が分かった。

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    2011年08月29日
  • レトリック感覚

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    レトリックの役割は
    1. 人々を納得させる弁論術
    2.言葉に面白みを持たせる修辞術 の他に、
    3.既存の単語で表せないものを表現する想像的認識 があることを主張している。確かに言葉のあやによって、既存の表現では表すことのできない現象・事象を表現し伝えることができるし、言語とはそういうものであるといった主張はもっともである。このあたりのくだりは非常に興味深く読ませていただいた。
    しかし、その後各レトリックの詳細を説明していく部分がやや冗長であったように思われる。古典文学の教養がない小生には少々ハードルが高かったようだ。とはいえ、言語について、修辞について真剣に考えてみたくなった人にはお勧めできる

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    2011年03月06日
  • レトリック感覚

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    おもしろかった。
    が、定義の説明が延々と続いたりして辟易。
    レトリックに関しては別の本も読んでみようと思う。

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    2010年11月17日
  • レトリック感覚

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    直喩:ふたつのものの類似性を作り出す
    隠喩:埋もれている類似性を発掘する
    換喩:流動的な隣接関係を示す
    提喩:類と種の関係性を用いる
    誇張法:言語の性質である嘘と甘えに頼る
    列叙法:現実のサイズを表す列挙法とクライマックスへの漸層法
    緩叙法:肯定文にはない可能性を見出す

    先日読んだレトリック認識の前編。
    提喩の分析にびっくりした!
    全体と一部の関係だと思ってたのにむしろ換喩で表されるものだとは。
    提喩は人間=頭∪腹∪腕∪…という対等な意味概念での比喩ではなくて
    人間=霊長類∩二足歩行∩言語使用∩…という属性の比喩なんですって。
    これきっといろんな人が勘違いしてるんじゃないかなぁ。

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    2010年09月05日
  • レトリック認識

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    黙説あるいは中断:意味の産出を読者に分担させる
    ためらい:相対化し、印象づける
    転喩あるいは側写:相を転じて見せる
    対比:類義関係に対義を見出す
    対義結合と逆説:意味接続の常識に反逆する
    諷喩:ふたつのものがたりが並行する
    反語:意味を反転させる
    暗示引用:受け手を選別し、理解を求める

    ふだん何気なく読んでいる文章には
    こんなに技法が使われていたんだ!と目からウロコ。
    名前は知らないけれど浸透しているレトリックの多いこと。
    文章術みたいな感じで易しく読めます。
    「おなじ類義語の対が、コンテクストによって設定された対比的な席に座を占めたとたんに、臨時の対義語となる……。しかし、どちらのことばも

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    2010年09月05日
  • レトリック感覚

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    大学の推薦図書。
    主に比喩について学ぶために読んだ本。
    明喩、隠喩、換喩、提喩などについて西欧の考えと著者の考えが書かれている。
    提喩を換喩の下位分類と見なすのが西欧に多いようだが、
    著者はそれとは異なり、提喩に部分・全体だけではなくて
    種・類という考えを取り込んで換喩と同等の比喩であると分析している。
    比喩以外にもレトリックと呼ばれる表現の分析もなされている。

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    2009年11月02日
  • レトリックの記号論

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    言語全体において、言語学の研究対象から逸脱した言語を取り扱うレトリック、そしてその考え方を記号論にまで拡張して、日常に潜む非論理的・非連続的な言葉の使われ方を解明していく
    柔らかい書かれ方で読みやすいけど、内容はぎっしり詰まっていて満足

    時間の在り方や、「読む」ということについてまで射程を広げ言語とも共通する特徴や、言語の特異性をも描き尽くしていた
    一部首がちぎれるほど頷く箇所があったりと言葉を扱っているだけあって最後まで読みやすかった

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    2025年01月02日
  • レトリック感覚

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    「言葉のあや」について説明した本。
    文章の表現を有名な作家の文章を例に、
    分かりやすく解説してある。
    表現について少しは詳しくなった、かも

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    2019年09月21日
  • レトリック感覚

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    比喩表現について、ひたすら述べられている。確かにレトリックを用いる方が、表現が洗練され、伝達力が強まると感じる。言葉の力をあまり日本人は信用していないのか、それほど表現方法に留意していないケースが多いと思う。

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    2018年08月25日
  • レトリック感覚

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    夏目漱石やドンキホーテに感じた軽快な文章の面白さ、情景が浮かびやすさ は直喩のうまさ であることを実感

    太宰治やシェークスピアは 隠喩が多いから 読み手として、これは何を意図しているのか 迷うことが多い気がする

    もしかして、今まで 読み切れなかった本のうち、レトリックを知っていれば 楽しかった本があったかもしれない。本の読み方が変わりそう

    日本屈指のレトリシャン 石川淳の本を読んでみたい

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    2015年11月11日
  • レトリック認識

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    もう少したくさん佐藤氏に知識や発見を見せてほしい。
    ページ数?の問題か、足りない…!という読後感。

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    2009年10月04日
  • レトリック認識

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    私たちは普段、何気なく言葉を使っていますが、その中にはふんだんにレトリックが含まれています。そのレトリックがどのような仕組になっているのかを解説した本。非常に面白く、言語の世界へ引き込まれます。

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    2009年10月04日
  • レトリック感覚

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     う〜ん、これはすごい本である。初版は1978年で、手持ちの講談社学術文庫本は17刷で積ん読の1冊だったが、最近意味論でメタファーに興味をもつようになったのを機会に読んでみた。メタファーというと修辞法ということで、言語学とはあまり関係がないように思っていたし、たしかに、それは修辞的な文学的な問題もあつかってはいるが、隠喩、換喩、提喩の章は瀬戸さんたちの元になっていることがわかる。しかも、挙げる例も一つ一つが楽しい。

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    2009年10月07日