あらすじ
古来、心に残る名文句は、特異な表現である場合が多い。思考において論理がすべてではなく、言語も文法だけでは律しきれない。論理と文法の手にあまる言語表現の多彩な機能――黙説、転喩、逆説、反語、暗示など、レトリックのさまざまを具体例によって検討し、独創的な思考のための言語メカニズムの可能性を探る。在来の西欧的レトリック理論に新しい光をあてた『レトリック感覚』に続く注目の書。
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Posted by ブクログ
様々な文学書から実例をあげてレトリックの種類を列挙。ああ、そうなってるのか、と目からうろこ。レトリック研究の前からレトリックが存在したように、レトリックを学ばなくなってもレトリックは存在する。レトリックってなんなんだろうなぁ
黙説あるいは中断
ためらい
転喩(古川註:ほのめかし)
対比
逆説
諷喩(比喩の連想)
反語
暗示引用
Posted by ブクログ
「レトリック感覚」の続編にあたる著作で、こちらも学生の頃に読んで以来の再読。
読んで初めて知ることよりも、改めて見直すことのほうが多く、普段なんとなく触れ、使う言葉の中の“あや”が再構築される印象を受ける。
著作を読む、書くためには、書物などによって得られる知識がないと浅くなってしまうという当たり前の事実を再認識した。
Posted by ブクログ
抽象的だと思ってしばらく積ん読だったけど、読み直したら意外と読みやすかった。具体例が出ていて分かりやすい。
世の中の「面白い」文章はレトリックが効果的に使われている事が分かった。
Posted by ブクログ
黙説あるいは中断:意味の産出を読者に分担させる
ためらい:相対化し、印象づける
転喩あるいは側写:相を転じて見せる
対比:類義関係に対義を見出す
対義結合と逆説:意味接続の常識に反逆する
諷喩:ふたつのものがたりが並行する
反語:意味を反転させる
暗示引用:受け手を選別し、理解を求める
ふだん何気なく読んでいる文章には
こんなに技法が使われていたんだ!と目からウロコ。
名前は知らないけれど浸透しているレトリックの多いこと。
文章術みたいな感じで易しく読めます。
「おなじ類義語の対が、コンテクストによって設定された対比的な席に座を占めたとたんに、臨時の対義語となる……。しかし、どちらのことばも意味が変わりはてたというわけではない。ただ、着席する位置が、並んでいるかわりに、向かい合わせだったのである。」