あらすじ
われわれは言語が自分の考え方や現実の情景などを忠実に描写・表現するものだと考えがちである。著者はそういった素朴な言語観を否定し、〈まことしやか〉に対する〈わざとらしさ〉のレトリックこそ言述(デイスクール)の本質的な姿だと説く。夏目漱石、小林秀雄、井上ひさし、筒井康隆、ロラン・バルトらの散文表現を素材に、著者独自の言語理論が自在に展開する佐藤レトリック学の〈実践篇〉の位置を占める会心作。
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Posted by ブクログ
評論なんだけど、佐藤信夫の書きぶりがなんかちょっと変わっていて、バルトを意識しているのか極端な断章形式かつ、砕けた語調に何かと脱線する話題と、読んでいて面白い。
Posted by ブクログ
後半部分に関してはまあ、
難易度がぐーーーーんとはねあがってくださります。
なんとなく文章にその兆候は
漂っているものの、要注意ですね。
言葉をこう表現するのって
人によってさまざまなプロセスがあったり
手法を用いていたりします。
たとえばど真面目だからこそ、
言葉で遊ぶ手法を用いた漱石。
もうすでに出ている事実を
さらに強調することをした
井上ひさし。
なんか似たような語呂合わせで
遊んでしまう筒井康隆。
個人的には井上ひさしの
解説が面白いように思いました。
くどいほどの表現って
まさにわざとらしいですし。
後半に関しては、
高度な解説になっています。
言葉とはなんぞ、という
ところに全てが向くせいなのかな。