夕鷺かのうのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
表紙カバーの折り返し(そで)には、こう書かれています。
「女じゃなかったら、もっと楽しい人生だったのかもね」
そして、裏表紙から開いたそでには、こう書かれています。
「女であろうと、男になろうと。結局私は、どこまで行っても私。」
全体で373ページの本書には、いったいどんなお話が書かれているのでしょうか?
さて、このお話には、みのりさんという女性が出てきます。なので、わたしは少し親近感がありますw
ですが、このみのりさんは、実乃里という漢字で年齢は25歳なので、わたしとは全然違いますがw
実乃里さんは、この小説の主人公のひとりである理緒さんの中学以来の同級生です。実乃里さんは理緒さんにこう言います。
「理緒ってさあ、女捨ててるよね」
その意味は「だって仕事仕事ばっかりで、カレシ作る気配もゼロだし」ということなのだそうです。
実乃里さんは、生保レディで、早々に婚活を始め、すでに婚約をしています。
片や保育士の理緒さんは、こう思っています。
「そうまでして、結婚しなくてはいけないんだろうか?」
そんな理緒さんは、気の進まないまま婚活パーティーに参加させられ、あろうことか、冬村由弦(ふゆむら ゆづる)という男性にとても失礼なことを言われてしまいます。
そして、不愉快な思いを抱えながらベッドに入り、夢見悪く目覚めた翌朝、理緒さんは自身の身体に異変を感じます。
なんと、理緒さんは男性になっていたのでした!
名前も理(さとる)となっていて、そこは家族も会社の人も最初から理緒さんを理くんとして認識している世界だったのです。
男性の由弦さんも同様でした。目覚めると(ひらがなの)ゆずるさんという女性になっていました。
別に二人は神社の階段から転げ落ちたわけでもなく、学校のプールにもつれ合って落ちたわけでもありませんでしたw
「ある朝、なにか気がかりな夢から目をさますと、、、、」というカフカの作品のようでした。
この小説の本当の始まりはここ(66ページ)からです。
男女の立場が変わると周囲の出来事はこんなに異なるのか!
ふたりは驚嘆します。イン・ハー・シューズとは、よく言ったものです。
全~然、知らなかったことがふたりの身にそれぞれふりかかります。
居心地悪い!
さあ、ふたりはどうなってしまうのでしょうか?
373ページまでの結末に向けて、一味違う男女逆転劇をどうぞご賞味ください♡
果たしてあなたは、裏表紙の内側に書かれている、「女であろうと、男になろうと。結局私は、どこまで行っても私。」という気持ちになるでしょうか?
〔作品紹介・あらすじ〕
興味のない婚活パーティーに半ば強引に参加させられた、保育士の理緒。そこで会社員の由弦と出会うが、些細な誤解から暴言を吐かれてしまう。翌日、何故かふたりは「経歴も仕事も家族構成も同じだが自分たちの性別だけが逆転」してしまっていた。これまでと同じ仕事をしていても、“男である”というだけでクレームが入り、 “女である”というだけでセクハラをされる。今まで味わったことのない不自由さを感じる中で、ふたりは自分の無意識に潜んでいた性別への偏見にも気づき始め…… -
Posted by ブクログ
ネタバレ性別に関することって、非常に難しい問題だな、と思う。一昔前は性別によって、学歴や職業を含む様々なことが決めつけられていたのではないか。今の時代は、性別による差別や偏見は減ったのだろう。男女平等が主張される世の中である。
性別によって、どうしても生物学的な違いがある。だからこそ、平等なんて実現しないだろう。そして、人生において、それぞれ性別によって理不尽な思いをすることがある。互いを理解することは難しい。平等を目指すことが正しいのか、そうではないのかすら分からない。
性別による差別や偏見は世の中に溢れている。自分自身も、無意識のうちに差別してしまっているだろう。性別でなくとも、見た目で決めつけてしまうことはたくさんある。結局、正解なんてものがあるのかわからない。
だが、この本は、もっと根本的で、もっと大切なことを教えてくれた気がする。
性別に縛られてしまっているのは自分自身。全てではないが、性別を言い訳に何かを諦めるのも自分の選択である。そもそも、全て自由だ。
性別にかかわらず、自分自身が、人としてどうありたいか。自分を見つめ直すきっかけをつくってくれる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
社会派ブラック小説を第3弾。
表題作の
『会社の裏に同僚埋めてくるけど何か質問ある?』
を含む4作品が入っている。
共通しているのは、
ギスギスした人間関係、そして〝縁切り神社〟
表題作と『あたしの幸せな生活』が特に好み。
見ている人はしっかりと見てくれているし、
悪いことをしている人、嫌がらせをしている人には
それ相応のことがちゃんと自分に必ず返ってくる。
そんな怖さがこの物語にはあった。
仕事をする上で人間関係の悩みは尽きないし、
自分に合う人、合わない人がいるのは仕方がない。
その人とどのような付き合い方をするべきかを
考えることも必要。
でも……その考えや行動ができたら悩まないし、
苦労しないんだろうなと考えてしまったのも事実…。 -
Posted by ブクログ
お客様は神様ではありません。
意味をはき違えて、何をしてもいい、と思っている客。
給料のうち、と思って聞き流すのも大変です。
中編、短編、短編、の3作品。
結婚相談所は、すごく大変だな、と。
よりよい相手を選びたい、というのは分かりますが
言葉を選んで誘導せねばならない社員も大変。
毒というより、さくっと切ってやりたい、という現実に
ものすごく共感します。
な、不思議1話目から一転、な2話目ですが
これはこれで怖い。
その神社怖いですよ!? としか
言いようがない話でした。
その後の3話目ですから…まだ、マイルドなような
うんまぁそんな落ちですね、というべきか。
素晴らしかったです。