あらすじ
興味のない婚活パーティーに半ば強引に参加させられた、保育士の理緒。
そこで会社員の由弦と出会うが、些細な誤解から暴言を吐かれてしまう。
翌日、何故かふたりは「経歴も仕事も家族構成も同じだが自分たちの性別だけが逆転」してしまっていた。
これまでと同じ仕事をしていても、“男である”というだけでクレームが入り、 “女である”というだけでセクハラをされる。
今まで味わったことのない不自由さを感じる中で、ふたりは自分の無意識に潜んでいた性別への偏見にも気づき始め……
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仕方なく婚活パーティーに参加した二人。なぜか仕事などは以前のままなのに、性別が変わってしまった。
面白かった。女にならないと分からないこと男にならないと分からないこと。分かると世界が違って見える。
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性別でこんなにも環境や価値観が変わってくるものなのかぁと改めて考えさせられた。普段意識せずに口にしていることが、固定観念に囚われた時代錯誤で、迷惑なことなのかもしれない。それにしても凄い展開だった。
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世の中、「男とは」「女とは」にもう少ししっかり向き合い、考え、話し合い、理解しようとするべき、そんなふうに思えた本。
男性と女性の生きづらさを書いた作品。それぞれの立場からの生きづらさについて書かれた作品は数多くあると思うが、【性別逆転】してそれぞれの生きづらさに寄り添い理解しようとする観点は面白いなと感じた。
令和ならではの多様性、もちろんその観点も大事だが、もっと本質的な「肉体的な違い」「精神的な違い」
そしてそれらが要因としてうまれる環境の違い。それが真の意味で理解できると、恋愛や結婚に生じる悩みも解消できると思った。ただ、きっとそれが大人になってからではなかなかそう向き合えないこともあるので、もっと幼少期のうちに学校教育で学べるとまた変わるのかなと感じた。
ドラマ化しやすいんじゃないかと思うくらい、分かりやすくはいりこみすいドラマ制。そして、キャッチーな令和ならではの男女観。サクッと読みつつ、「違い」を理解することの大切さを教えてくれた。
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びっくりしました、自分が思った以上に固定概念に縛られて生きてきたことに。
それを何となく他人にも押しつけてきたことに。
痛みや理不尽は、我慢しなくていいんだな。
しあわせは、自分の気持ちひとつなんだな。
力強く背中を押してくれるような物語でした。
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性別に関することって、非常に難しい問題だな、と思う。一昔前は性別によって、学歴や職業を含む様々なことが決めつけられていたのではないか。今の時代は、性別による差別や偏見は減ったのだろう。男女平等が主張される世の中である。
性別によって、どうしても生物学的な違いがある。だからこそ、平等なんて実現しないだろう。そして、人生において、それぞれ性別によって理不尽な思いをすることがある。互いを理解することは難しい。平等を目指すことが正しいのか、そうではないのかすら分からない。
性別による差別や偏見は世の中に溢れている。自分自身も、無意識のうちに差別してしまっているだろう。性別でなくとも、見た目で決めつけてしまうことはたくさんある。結局、正解なんてものがあるのかわからない。
だが、この本は、もっと根本的で、もっと大切なことを教えてくれた気がする。
性別に縛られてしまっているのは自分自身。全てではないが、性別を言い訳に何かを諦めるのも自分の選択である。そもそも、全て自由だ。
性別にかかわらず、自分自身が、人としてどうありたいか。自分を見つめ直すきっかけをつくってくれる一冊だった。
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読み終わりこれはSFだと思ってしまった。男女逆転を扱った小説は何回か読んだことがありますがこの作品はその中でも最高傑作だと思います。入れ替わった時の周りの友達や家族、同僚などの反応がすんなり受け入れたところなどとても良かった。そして痴漢にあった時の対応が素晴らしいストーリー展開だと思った。ラストはとてもさわやかな感じがして感動しました。続きがあるといいなぁと思い続編を希望します。あなたもぜひ読んで元気をもらって下さい。
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久しぶりに性別逆転系の小説が目に入ったので購入しました。前半はこれからどうなるのか少しワクワクしてましたが、終わり方が個人的には少し後味が悪かったです。特にエピローグについては各登場人物の行末をもう少し見たいと感じました
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夕鷺さんといえばビーズログ文庫やオレンジ文庫の印象でしたので、ライトノベルではない作品も出されるんだとまず驚きました。
本作はいわゆる一般文芸だと思うのですが、非常にテンポよく読み進められました。
男女逆転ものはライトノベルによくみられる要素(?)だと思います。わたしは、入れ替わってしまったことによるハプニングを楽しく読むという印象がありました。しかし、本作は男女逆転したことによる、男性ならではの生きにくさ、女性ならではの不自由さが描かれている。
職業によって男性はちょっと…と言われてしまったり、ブラザーペナルティに気づく。
男だったら出世すると称賛されることがほとんどなのに、女性が出世すると僻まれる。
私は女なので、女性ならではの不自由さにはわかるわかると思いましたが、男性の生きにくさにはそういうこともあるのか…と興味深かったです。一般文芸になると男女逆転はこうなるのか…!と大変面白く感じました。
ライトノベルはよく読むけど、一般文芸はあまり読まないな…という人にこそ読んで欲しいと思います。一般文芸にも読みやすくて面白い作品があるんだよ!と知るきっかけになってほしい作品でした!