あらすじ
夢を抱いて地方公務員になった志帆。しかし現実は病弱な同僚の仕事を押し付けられ、朝7時前に登庁、夜は深夜まで残業三昧の日々を送っていた。ところが、あるクレームをきっかけに、志帆は同僚に消えて欲しいと願うようになり――。仕事をしないことに全力で、ミスのフォローは周囲の役目、精を出すのは噂話と陰口。そんな同僚が辿った末路とは? 表題作「会社の裏に同僚埋めてくるけど何か質問ある?」、高まる自己愛が滅ぼしたのは……「あたしの幸せな生活」、社内いじめに耐えかねた新人社員が見た「夢」、縁切り神社のルーツに迫る「とある縁切り神社にて」の衝撃の全四編を収録。
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Posted by ブクログ
帯には「死ななくていい、消えてくれ。」とあり
話の冒頭には
【緊急!】誰にもナイショで、犬の死体を処分したいのですが、おすすめの方法はありますか?
というネット掲示板風の書き込みからこの本はスタートします。
衝撃的な書き出しから始まり無能な同僚へのストレスがたまっていく主人公。しかもその同僚は「わざと」仕事が出来ないふりをしてる節もあるから余計に読んでる自分も腹立たしい。主人公と共にイライラ度をあげていくことでしょう。
そんな中とある【縁切り神社】の噂を聞きます。効果絶大な神社で「アイツを殺して」みたいな怖い絵馬もあったり。
もしあなたなら困り果てて自分の仕事に影響を与えて暴行沙汰にまで巻き込まれて、その相手を恨まずにいられるのだろうか?
主人公の決断はいかに
もうひとつもう一つ【あたしの幸せな生活】という中編と「夢」という短編、そしてエピローグ的な「とある縁切り神社にて」も収録
夢って話に関しては二人のキャラの対比で進むけど、最初お互いの視点のイメージが結構違ってて「もう一人間に挟んでるのか?」みたいに思えたりするけど、徐々に片方のキャラの「ヤバさ」が現れてきてゾクッとする内容でした。
壊れてるといってもおかしくない感じでした。
シリーズ第三段で、一作目の今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います は読んでるけど二作目の神さま気取りの客はどこかでそっと死んでくださいはまだ未読・・・
Posted by ブクログ
社会派ブラック小説を第3弾。
表題作の
『会社の裏に同僚埋めてくるけど何か質問ある?』
を含む4作品が入っている。
共通しているのは、
ギスギスした人間関係、そして〝縁切り神社〟
表題作と『あたしの幸せな生活』が特に好み。
見ている人はしっかりと見てくれているし、
悪いことをしている人、嫌がらせをしている人には
それ相応のことがちゃんと自分に必ず返ってくる。
そんな怖さがこの物語にはあった。
仕事をする上で人間関係の悩みは尽きないし、
自分に合う人、合わない人がいるのは仕方がない。
その人とどのような付き合い方をするべきかを
考えることも必要。
でも……その考えや行動ができたら悩まないし、
苦労しないんだろうなと考えてしまったのも事実…。
Posted by ブクログ
おぉ、おぉ、相変わらずゾクゾクさせてくれる。
第一作を越える訳では無いけれど、やっぱりいいね。
分かるなぁと思いながら、怖いけど人間味があって、ただただの怖い話じゃなくてちゃんと考えさせる作品。
上司、客と来て、今回は同僚。
歳上とか、派遣とか形は違えど、その気持ち分かるわぁ〜。って。
今まさに、私自身も同僚を埋めてやりたい気持ちが物凄くある。
けど、そんなバカのために時間を費やすのがもったいない。
そして、本当はその人はめちゃくちゃ可哀想な人なんだよなぁ…と。
ぶっちゃけ、帯にあるように、消えてくれってのは拭い去れないよね。
そうすれば、見ることも無ければ、考える事も無いのにってさ。
どんな人にもさ、幸せにしたい、なってほしいって思う人がいるかもしれないからさ。
その人を不幸に陥れるのは違うかもしれないから。
僕はあなたの幸せを願う担当じゃないから、他の人の元へ行ってよって。
その程度の縁切りでいいから望みたいね。
まぁ、自分から離れるってのも一つなんだけどね。
Posted by ブクログ
★特長
シリーズ第三弾。
今回のテーマは「職場の同僚」
個別の4つの話を収録。
★魅力
共感しやすい職場でのトラブルや悩みが題材。
★感想
○会社の裏に同僚埋めてくるけど何か質問ある?
区役所の健康保険課での、わざと仕事ができないふりをして意図的にミスをする同僚宮村。
その尻拭いをする羽目になる主人公。
ミスをした後は決まって病欠。
市役所という巨大な輪の中で、宮村というトラブルの卵を回す爆弾ゲーム。
宮村の仕事やパソコン不得手な先輩の分もしわ寄せがあり、毎日夜遅くまで残業の日々。
ある時、宮村のやり残した仕事のフォローをしたところ、ミスをしてしまい、大クレームに。
市民に殴られて怪我をした上、懲戒処分を受けて殺意を抱くまでに。
憂さ晴らしに見ていたSNSでは、同じような問題同僚の話題で盛り上がっていた。
そんな頃、久しぶりに会った友人に聞いた効果絶大の縁切り神社にふらりと行ってみたら…。
人にある表面と裏面
実社会とネット社会
梶井基次郎の「檸檬」と「櫻の樹の下には」
それぞれにはギャップがある
そんなことを思わされました。
最後に何気なく明かされた叙述トリック。
ぼんやり読んでいると気付きません。
ラストに違和感は感じましたが、まんまとやられていました。笑
もう一度最初の部分を読み直して納得。
○あたしの幸せな生活
責める口調が怖くて厳しい先輩社員に悩む事務の派遣社員と、
その職場で一番力を持つ人間に取り入り、好き放題に振る舞う派遣社員に悩む先輩社員。
それぞれの立場から語られる職場での日常。
どちらが正しいのだろう?と思いつつ、
最初は派遣社員に同情的になるが、段々明らかになっていく真実。
モノの捉え方で、自責と他責という言葉があるが、
自分にとって都合の悪いことを全て他責にすると、
あらゆることが、こういうものの捉え方になるのか
とビックリ!!
人が苦境に立たされている時、邪魔な相手を消しても問題は解決せず、自分の心一つで前に進める場合もあるのに、誰かに責任を押し付けないと、気持ちのおさまりのつかないこともある。
だが、過剰に誰かを憎み、恨み、叩いてその相手が実際に酷い目にあったところで心は晴れない。
根本的な苦しみの原因があるとすれば、己の内側にしかないということ。
といったことを数々の事件を通して、教えてくれています。
○夢
作中、残酷な表現が出てくるので、苦手な方は注意。
新卒の大学事務職員、月々二万円もする非公式の互助会への入会を断ったことがきっかけで、嫌がらせが始まる。
ボスザル的社員をはじめとしてみんなで仕事を教えない、妨害する。
学歴コンプレックスによる学歴逆差別。
仕事の押し付けによる十二連勤、休日出勤。
私物を勝手に捨てられたり、作った書類を無茶苦茶な内容に改ざん、ハエの死骸入りコーヒーを無理やり飲まされる…
心配させたくないので親にも相談できず、視野がすっかり狭くなり、自分の身を守ることに考えが及ばない。
そんな彼女の唯一の楽しみは大好きなコスプレーヤーを応援すること。
ところがそんな楽しみも転売ヤーの出現により、奪われてしまう。
その転売ヤーの正体を知った時、ついに殺意が…。
夢の中での予行演習でもある復讐場面は、少しグロテスクですが、淡々と進んでいきます。
あくまで夢の中の話ですが…。
○とある縁切り神社にて
サークルの先輩の紹介で始めた「巫女さんバイト」
幼い頃におじいちゃんから聞かされていた戦時中の野戦病院での不思議な体験との因縁が…。
今シリーズのルーツとでも位置付けられそうな逸話。
★オススメの人
今シリーズのファンの方
Posted by ブクログ
厄介な同僚に消えてほしい人達の話。職場にストレスあるから読んでてめっっっちゃくちゃ同意出来る。この理不尽な感じ分かりすぎてしんどい、仕事せん奴、出来やん奴の開き直りまっじで何なん!私も縁切神社行きたい。