檜垣立哉のレビュー一覧

  • 食べることの哲学

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    エッセイ的な題材選びの一方で、晦渋な哲学的考察は頭の体操として良い。一般読者の行動範囲としてはこれくらい。

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    2025年03月29日
  • ベルクソンの哲学 生成する実在の肯定

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    僕自身が抱えてる疑問とベルクソンの疑問がたぶんかなり近く共感できる部分も気付かされる部分も多かったおかげで、おそらく本来の難易度より楽に読めたと思う。1〜3章は割と順調で4章で急に共感できなくなったのだけれど、解説パートがちょうどそのもやもやに対応する内容だったのですっきり。総じて大満足でした。

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    2025年03月25日
  • 食べることの哲学

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    ネタバレ

    生きるために、生きるものを食べること。
    生きつづけることは、この矛盾をのみこむことである。
    ただ、そののみこみ方はさまざまだ。

    自分が動物の肉を食べないようになってから、
    『食べること』について考える事が多かったので、
    多方面からの『食』についての考察が本当に面白かった。ただ、哲学というだけあって、自分の気持ちにゆとりがある時に読まないと、考え過ぎてしまって疲れる…かも。

    というわけで、面白かったけど消化できていないので、もう一度、ゆっくり読みたい本になった。

    あと宮沢賢治の作品を、ちゃんと読んでみたくなった。
    特に『なめとこ山の熊』での食べる側と食べられる側の対峙が興味深かった。

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    2022年03月30日
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる

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    イメージの力に溢れた本。力強さも繊細さも、概念的厳密さも批判的な視点も、横溢している。ベルグソンという源。デリダという対照。フーコーとの共鳴。簡単ではないが難解でもない。個体という概念の魅力と射程の深さ。三つの時間も興味深い。

    現代における切実さと切れの良さではこのシリーズ最高作。

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    2016年05月09日
  • 生と権力の哲学

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    権力と主体をめぐって、フーコー、ドゥルーズ、ネグリ、アガンベンとその思考をたどっていく。問題設定が切実に感じられたために、記述の抽象性にもかかわらず、ぐいぐいと読み込むことができた。社会的存在としての私をどういう戦略で生きていくか、幾度も考えさせられた。

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    2016年04月16日
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる

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    あまり哲学に詳しくない人がドゥルーズを知りたいと思ったらまずこれ。
    高校で倫理をやっていた程度の知識量しかない私でも、なんとか読み進めることができた。
    過去の哲学者の思想をカットしないで丁寧に説明しており、また、哲学用語(たとえば、脱構築など)にも丁寧な注釈が入る。
    これを機にがんばって哲学を学んでみようという気にさせる本だ。

    薦めてくれた子に感謝。

    この次は同じく檜垣さんが著者であるちくま文庫の『ドゥルーズ入門』に手を出すつもりだ。

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    2011年05月23日
  • 生と権力の哲学

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    後期フーコーの生権力論の核心をこれほど明快に浮かび上がらせた論考は初めてである。ドゥルーズの生の形而上学にもとづく管理社会論との対質も興味深く、アガンベンの剥き出しの生や証言をめぐる議論や、ネグリの帝国論も示唆的である。むろん、生権力に対する抵抗の可能性を中心に、今一歩踏み込んだ議論を望む向きもあろうが、入門書としての議論の深さは充分すぎるほどである。

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    2011年01月15日
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる

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    ・何に対してであれ反対する書物は、いかなるものも重要ではない。何か新しいものに〈賛成する〉書物だけが大切である。それが新しいものを生みだすことができる。(「構造主義はなぜそう呼ばれるのか」)

    ・デリダの戦略とは、記号や言語、あるいはそれらを媒介とした解釈という仕方で世界に切り込むときに、結局は踏み入らざるを得ない方向ではないかと思われる。言語や記号によって世界を論じていくときに、世界は一義的に現れることはない。なぜならば、言語にはさまざまな解釈可能性が含まれるからだ。だから世界は、いつも複数の読まれかたを、どうしようもなくはらむからだ。そこでは、解釈を決定する現在はつねに不在であり、解釈の内

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    2017年08月31日
  • 子供の哲学 産まれるものとしての身体

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    「子供とは誰にとって何なのか」という、根源的な問いと向き合う。私たちが“自分”と呼ぶものの成立条件を揺さぶる本であり、読み進めるほどに、身体と他者の境界線が鮮明になる一方で、その境界をめぐる不確かさも浮かび上がる。子供は全くの他人に比べれば、私と大部分の利害を共有する。だが、それは自らの遺伝子を継承した子供だからなのか、家族という設定ゆえか、共同生活をしているからか。

    私にとって「私」とは、まず身体を媒介に成立する領域だ。怪我をして痛むのは“私”であり、恥ずかしさを感じるのも、お腹が空いて苛立つのも、“私”の身体が経験している出来事だ。身体という輪郭により、私は無条件に「自己」を認識する。そ

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    2025年11月19日
  • ドゥルーズ入門

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    これ一冊で入門書で成立してないというのはそうだろうだけど、一次文献との距離を埋めてくれるコメンタリー的なものは貴重だと思う。

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    2025年10月17日
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる

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    本文100ページくらいのドゥルーズの入門書。

    入門書と言っても、100ページなので、ある視点を設定して、切り込んでいく形になる。この本では、ベルクソンの批判的後継者という観点でのドゥルーズ解釈がなされている。

    で、その視点は、すごく説得力がありし、ナラティヴ・セラピー的なものを理論的な親和性が高い感じがした。

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    2023年12月11日
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる

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    何年も前に書店で、青い表紙とタイトルに一目惚れした本。満を持して(うそ)、ひもといてみた。周辺哲学の知識に乏しく、書かれた内容の多くは理解できてないが、潜在的な多様体(p28)という「卵(ラン)」の概念に、ワクワクが止まらない、、!

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    2023年01月25日
  • 食べることの哲学

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    われわれは何かを殺して食べているというフレーズに惹かれて読んだ

    カニバリズムからアンパンマンにつながって、臓器移植の話に続くところが面白かった

    ザ・コーヴは観たことがなくニュースで見たことがあるくらいだったけど、オリバーの悲しみのくだりは興味深かった(食べることとは直接関係のないような気もするが)

    宮沢賢治きちんと読んでみようと思った

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    2021年09月30日
  • 子供の哲学 産まれるものとしての身体

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    久しぶりに哲学書に手を出してみた。(笑)

    最近長女の性格、発言、容姿などが私に似ていると旦那含めあちこちで言われるようになったが、
    なんだかそうたびたび言われることに対して心の中でふつふつと苛立つものがあった。

    「長女は長女であって一人の人間で、私は私という人間である」
    と自分自身は思っているものの、
    なぜそんなにも周りは私と長女を同類化させようとするのか。

    他にももやもやしていたところはあって、
    そんなもやもやしていたところに見つけたのがこの本。

    「子供の哲学」とあるが、
    生殖し、妊娠し、生まれてきたいのちに対しての「哲学」である。
    (なのでここでは「子ども」表記でなく「子供」表記で

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    2020年05月09日
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる

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    ドゥルーズの思想の根っこの部分に焦点を当て、その一点を何とか伝えようとする入門書。ニーチェの「力への意志」とは結局何なのか。それをどれだけ厳密に、雲を掴むような話でなく語れるか。ドゥルーズの取り組んだことはそういうことだ、と理解したが、これでいいのだろうか。

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    2018年03月01日
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる

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    僕が数年前から言いたかったこと以上のことをドゥルーズがすでに語ってくれていることだけは理解した。個人の中の多様性を積極的に発現させようとするのは、ある程度狂気を含まざるをえないことなのかもしれない。

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    2014年12月25日
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる

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    そのもの自体を知ることができないという事態に対して、
    その時点の存在ではなく、
    生成変化するプロセスを中心にすえて考察、理解しようとする
    変化、流れ自体がリアルと考える。

    オートポエイシスの考え方につながっている?

    そのもの自体が分からないという事態に対する
    デリタとの戦略、方向性の対比が分かりやすい

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    2012年05月13日
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる

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    [ 内容 ]
    いま必要な哲学とは何か。
    「問いが解けない」という事態をどうとらえるか。
    生命科学の時代に対応するドゥルーズ哲学の核心をクリアに描く。

    [ 目次 ]
    1 はじめに―解けない問いがあらわになってくること(哲学とは何か;ドゥルーズと哲学;いまという時代 ほか)
    2 世界とは解けない問いである ―ドゥルーズの〈哲学〉素描(世界とは卵(ラン)である
    生成する流れの論理
    異質的な連続性 ほか)
    3 「私」ではない「個体」が生きること―結論に代えて(ドゥルーズの倫理;個体と生;個体には固有性も中心もない ほか)

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    2010年06月07日
  • ドゥルーズ入門

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    ミシェルフーコーが原型をつくり
    それをドゥルーズとガタリが地球規模にまで拡大したポストモダニズム、ポスト構造主義は

    地球市民学的見地からみても非常におもしろいですううう

    ちょっとPHPで出てる「ポスト構造主義はなんだったのか」
    ってのを読みなおしてみたい

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    2009年10月15日
  • 食べることの哲学

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    タイトル通りに食べることに関する哲学が繰り広げられる。全体的に論点は提示するし著者の主張も記載はあるものの議論はそれほど深まっていないか。わりと話が前後し、議論の軸が定まらない印象を受ける。豚のPちゃんの章は読み応えがあるかな。

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    2022年08月23日