檜垣立哉のレビュー一覧

  • ドゥルーズ入門
    第3章までは何とかついていったものの、その後は集中力を失った。著者がNHK出版から出した入門書で理解できたこと以上のことは、あまりわからなかった。
  • 西田幾多郎の生命哲学
    ベルクソンやドゥルーズの生命の哲学を参照軸に、西田幾多郎の思想を読み解く試み。

    西田の「純粋経験」はあくまで現在の経験だが、ベルクソンの「純粋持続」と同様、異質的な連続性である一連の流れをも意味している。したがって、純粋経験は潜在的な体系であり、みずからを無限に発展させてゆく動的な全体だと理解しな...続きを読む
  • 西田幾多郎の生命哲学
    水野先生の課題図書

    まさか西田幾太郎さんの哲学を読むことになろうとは思わなかった。いつも水野先生には不意を衝かれる形になる。でもこれが自分の趣味嗜好から、私の脳の癖から抜け出す機会を作って戴けることになるのだからありがたい。それは水野先生に限らないだろう。すべて誰かに薦めて戴ける本はきっとそういう...続きを読む
  • 生と権力の哲学
    フーコーは「正義」に依拠する思考を徹底的に拒絶する。そうした「革命」の夢想が、実は管理=コントロール型権力が発揮される、もっとも格好の実例ですらあることを、理論的にも歴史的にも確認しようとする。フーコーの<生権力>論の一つの核は、排除されたもののルサンチマンに支えられた転覆の思考が、実際には権力の補...続きを読む
  • ドゥルーズ入門
    先端諸科学が描きだす、統一的でない諸学のメタ構造を考える。何かの経験や位相や時代に統合されえない、メタ的な場所を描きだす。これが、ドゥルーズやその世代の思想家に課されたテーマであったといえる。そのために、テクスト自身の、その読みの精度を高めていく。それはまさに、「超越論的経験論」を考えるという、そも...続きを読む
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる
    微妙な本。ドゥルーズのアウトラインというか、イメージとしてのドゥルーズを描くことだけを目指している本なので、カテゴリーとしては入門書なのだけれど、これ一冊では不十分。
    ただし、イメージだけを描こうとする試みは間違っていないし、副題の「解けない問いを生きる」というのもまさにドゥルーズ的で良いと思う。