樋口恭介のレビュー一覧
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「加速と協働のあいだで、未来を扱う手つきを取り戻す」
AIやWeb3の話題は、知っているつもりでも、全体像を“体感”として掴める人は多くないと思います。ニュースは刺激的な断片で溢れ、熱狂と冷静の間で、未来だけが宙吊りになる。そんな状況を前提に、この本は「未来は突然来るのではなく、語られ、準備され、やがて“現実”に変わる。だから見誤らないために、いま未来がどう語られているかを見届けよう」と、まず土台を置きます。
本書の前半を貫く軸は、大きく二つです。
一つは「加速」——AIを中心に、社会の前提ごと書き換えていく推進力(加速主義)。e/accの熱狂だけでなく、d/accが示す「どの方向にアク -
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反逆の仕事論 AI時代を生き抜くための"はみ出す力"の鍛え方
著:樋口 恭介
近い将来必ず到来する「AIが人間の仕事を奪う時代」に、必要とされる人材であり続けるためにはどんなスキルが必要なのか。そして、そのスキルはどうすれば身につくのか。本書では、そんな実践的な話を「正しくはみ出せる人材」を根底として説明されている。
今後到来する本格的なAI時代に、自分の人材価値を保ち、会社で自分の居場所を保持し続けるためには、「はみ出せる力」を身につけておく必要がある。
構成は以下の5章から成る。
①マジメな社員から淘汰されていく
②今後生き残る「正しくはみ出せる人材」像とは
③上 -
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ネタバレ* テクノミュティス
円城塔とはいえ、最初にこれは心を折られるので、もっとわかりやすいやつを持ってくれば、と思ったが、異常論文というコンセプトとしては、読みやすいよりもむしろこういうやつだという気もするので難しい。
数式が出てくると、なんとか意味を理解しようとトライしてしまうので勘弁していただきたい。
予測と想像により存在そのものが上書きされるとかなんとか。
* レウム語
一番好きかもしれない。ただし、現実と虚構が混ざっており、複雑。ザグロス山脈が存在するのか調べないようにしている。
遺伝子に全員が聴覚異常を持つレウムという民族… 確かにそういうのは有り得そうではある。その民族は音声による会 -
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ネタバレ物によっては☆5もあり、☆3もあり、論文もあり、小説もあり…というごちゃ煮でした。試みとしては面白いと思うし、この形態であるが故に生まれた作品も多々あり、引き続き楽しみにしていますという感じ。
特に好きだった作品は以下
・「掃除と掃除用具の人類史」松崎有理
・「裏アカシック・レコード」柞刈湯葉
・「『多元宇宙的絶滅主義』と絶滅の遅延──静寂機械・遺伝子地雷・多元宇宙モビリティ」難波優輝
・「SF作家の倒し方」小川 哲
・「四海文書(注4)注解抄」酉島伝法
・「解説──最後のレナディアン語通訳」伴名 練
特に「四海文書(注4)注解抄」は読んでいる最中にどんどん面白くなって、これ続き読みたい! -
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コンサルとSF作家の2足のわらじを履く樋口恭介氏が、未来を創造するという思想について書いた本。
主旨は、未来は自分たちの行動が反映される余地があることから完全には予測できず、そして逆に言えば自分たちで創り出すことができる、ということを述べている。
コンサルではロジックが大事だが、そのロジックの出発点は各個人が実現したい未来のビジョンがもとになっているので、まずはそのビジョンを取り戻す。そしてそれを具体的にやる手段としてSFプロトタイピングがあると述べて、その具体例を説明していくという流れになっている。
文章のプロが書く文章なので非常にわかりやすく、すんなり読める「いい歯ごたえ」をもった本でした -
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しばらく前に買い、読み進めていたものの途中で挫折。ゴールデンウィークに時間があったため、ようやく読み終えることができた。
内容は本当に意味不明。巻頭言にもあったが、現実と虚構が入り混じりすぎている。登場している作家ですら現実なのか虚構なのか、実際にはいないんじゃないかと思ってしまうほどの異常さ。自分の知らないどこかで実際に起こっていそうな出来事や事件、それらの表現とリアルさ。理解しようにも理解できない。わかりたくてもわからない。不気味で脳内がぐちゃぐちゃになるのに読み進めたくなる作品。スペキュレイティブ・エンジン。
ここに評価を書きたくなったのも、異常論文が紛れもなく「強い小説」だったから -
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学術論文の体を取った虚構作品を”異常論文”という定義し、23本の作品を収めたSFアンソロジー。23本もあれば多様性も極めて高くなっており、質のバラつきはあるものの、数作品に関してはちょっと驚愕してしまうようなクオリティであり、アンソロジーとしてのレベルは非常に高い。
最も驚愕したのは、鈴木一平+山本浩貴による「無断と土」という作品。これは架空のVRホラーゲームの謎を解説した人文学の論文テイストの虚構であるが、その作品で引用される菅原文草なる20世紀前半の詩人にフォーカスする。実際のテクストなどの分析を元にしながら、このVRホラーゲームでなぜ彼の作品が引用されたのかを明らかにしていく体を取って