樋口恭介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自認として、私は物事を深く考えるのが好きなタイプで、なにかの結論を出すために調べものをする時間に多くを費やしたりするし、取りこぼしがないようにWeb記事や本も結構隅々まで読んじゃう。好きでやっていることなのでまあええやんとも思うんですが、仕事という観点では時間は有限なので…
情報収集・要点抽出・アイデア出し…そんなもんはもうAIが数秒でやってくれるんだよね。
本書では「はみ出せる人材」という言葉がキーワードとして使われている。
AIが無難で中立な回答が得意分野なので、それは任せていき、今後は自分だけの視点の育て方が大事だと。
それには多彩な経験をしなさい、というメッセージが、著者の具体エピソードやビジネス書の名著を引用しながら書かれている。
そして仕事に生かすための組織での振る舞いについても言及されている(この辺はまあそうだよね、という感じ)。
はみ出すからには、はみ出しても話を聞いてくれる環境を自分で作れよ、と。
あとはコア業務を握っていく…というのは改めて自戒になりました。
日常を過ごしていく中で、自分だけの「視点」を育てるには、精神的な健康度合いが非常に大事になってくるなあと思いました。疲れていたり余裕がないときは、気づきって生まれないものですよね。 -
Posted by ブクログ
「面白い構成」だけど長い。
読み始めがとても詩的で…
「SFでも(この言葉自体好きではないが)厨二病っぽいのあるんだな…」
と言う印象を持つ。
階層構造で現実(L8)と物語の世界(L7)と自動増殖するその他の階層を用意して展開する話は好物で、あらすじを読み期待をしていた。
AIが出力したログのような物語のコードとして記述された文章が難解さだけを上げていき、陶酔するための文章のような印象を受ける。
スラスラと描写が入ってくる文章もあるため難解な箇所は自分の理解力の問題と、作者の意図したモノでありモノでないのであろう。
どうもこの「○○であり、○○で無い」と言う表現が多く出てきて読み解くのに苦労する。
言葉は不確かで、不確かだけども確かなものとしても残り続ける。だから伝えることを諦めるのではなく想いを持って伝えて欲しい。たとえそれが誤解でも良い。
冒頭の詩的なフレーズを読み、嫌な予感がしていた。
「物語についての物語」をテーマにした場合に良くあることなのだが、読み進めるうちにどうでも良くなってしまう。
中盤からはどこで終わらせても終わらせられたようにも思える。
最後に有耶無耶な詩的な文章を残せば終われるのでは無いか?といつも思う。
主人公の父親の遺した草稿に描かれた話とそこから展開される別の世界、IFや様々な記憶が混じった物語コード、それを読み物語が生成される体験を小説を読む自分も体感していて階層に取り込まれる。その構成に引き込まれるのだが…長く感じる。
その長さも物語が機械の中で一瞬で生成されて(永遠に生成された)長さの表現であれば作者はすごい。
でも余地がありすぎて読み手に委ねてるように思えて何とも言えない。
それでも、読書の誤解であっても
難解な長い文を読んだ後
あとがきで自分の小説について「失敗するとわかっていた」と言う言い方は何なのだろう…「言葉はそう言うモノ」なのはわかるけれどそんな言い方しなくても…
話に出てくる「0/1」「あり/ない」を両方を書いたり「わからないことがわからない人達」の話とか補完する要素が全て言い訳みたいに読めてしまうではないか…
私はこの物語を読んでいて
私はこの物語を読んでいない。
なのか…??
ひとまず付録やあとがきの部分はイライラするだけなので不要に感じた。
「執筆後に登場人物の一人と会う機会があった」という著者に白ける。
そこまでどんな人物なのかが描かれていなかったから…
良くわからないけど嫌いと好きが混在する不思議な感じ…
(言語のSFはこれからも読む、その時この物語も思い出すはず)
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Posted by ブクログ
ネタバレ「SFマガジン」で異常論文と題した特集が掲載されて一部の界隈で話題となり、書き下ろし作も追加して満を持して刊行された分厚い作品集。
編者の樋口恭介氏が語る「異常論文とは、生命そのものである。」のフレーズが帯に踊る、賑々しい一冊です。どんだけスゴいのか!?と、期待に満ち満ちて読み進めました。
・・・まぁ、論文ではない作品が、多いですね・・・(^_^;
当然ながら「論文」をどう定義づけるか、にもよりますが、鴨の印象では論文:凝った構成の小説:小説=2:5:3ぐらい。語弊を恐れずにいえば、衒学的なタームを次々と繰り出して読者を煙に巻く、または自己陶酔に酔いしれる、独りよがりな作品が少なくないと感じました。正直なところ、描かれる世界観に全くジャックインできず(鴨的に、作品の世界観に「ジャックイン」する感覚は、SF読みとして必須だと思っています)、適当に流し読みした作品もいくつかあります。
各作品の冒頭に、編者の樋口恭介氏が一言解説を付しているのですが、これがまた「危険なヴィジョン」におけるハーラン・エリスンなみに暑苦しくてですね(^_^; 相当楽しみながら編纂したんだろうなー、という熱気は確かに伝わってきます。が、それにどれだけ共感できるか、という点で、かなり読者を選ぶ作品集だと思いました。
他方、「これは!」と魂掴まれる作品も複数ありましたので、決してスルーして良い作品集とも思えませんでした。むしろ、その「これは!」と思えた作品がインパクトあり過ぎて、その数編のために永久保存しておきたいぐらい。
鴨のお気に入りは、柞刈湯葉 「裏アカシック・レコード」、酉島伝法「四海文書注解抄」、伴名練「解説ー最後のレナディアン語通訳」の3編。柞刈氏作品はすっとぼけた洒脱さが、酉島・伴名両氏の作品は独特な構成で描かれる圧倒的な世界観が、たいへん印象的でした。特に、酉島伝法「四海文書注解抄」の、注釈だけが淡々と並ぶ行間から立ち昇る、このエレガントな恐怖!ある登場人物が、他の主要な登場人物を指して呟く「いまはどうされているんでしょうね」という言葉についた注釈の先に、何も書かれていない空白の一行・・・その空白を目にした瞬間、背筋が総毛立つ寒さを覚えました。傑作ホラーと言って差し支えないのではと。
収録作品が玉石混交すぎて、鴨的な全体評価は星3つとさせていただきましたが、たぶんこれはもぅ本当に好みの問題なので、一つ二つは刺さる作品があることを期待して、手に取ってみるに損はないと思います。一つも刺さらなかったらスミマセン(^_^; -
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ネタバレ円城塔「決定論的自由意志利用改変攻撃について」★★★
青島もうじき「空間把握能力の欠如による次元拡張レウム語の再解釈およびその完全な言語的対称性」★★★
陸秋槎「インディアン・ロープ・トリックとヴァジュラナーガ」★★★
松崎有理「掃除と掃除用具の人類史」★★★
草野原々「世界の真理を表す五枚のスライドとその解説、および注釈」★★★
木澤佐登志「INTERNET2」★★
柞刈湯葉「裏アカシック・レコード」★★★
高野史緒「フランス革命最初期における大恐怖と緑の人々問題について」★★★
難波優輝「『多元宇宙的絶滅主義』と絶滅の遅延」★★★★
久我宗綱「『アブデエル記』断片」★★★
柴田勝家「火星環境下における宗教性原虫の適応と分布」★★★★
小川哲「SF作家の倒し方」★★★
飛浩隆「第一四五九五期〈異常SF創作講座〉最終課題講評」★★★
倉数茂「樋口一葉の多声的エクリチュール」★★
保坂和志「ベケット講解」★★
大滝瓶太「ザムザの羽」★★★
麦原遼「虫→……」★★★
青山新「オルガンのこと」★★★
酉島伝法「四海文書注解抄」★★★★★
笠井康平、樋口恭介「場所〈Spaces〉」★★
鈴木一平、山本浩貴「無断と土」★★★
伴名練「解説――最後のレナディアン語通訳」★★★★★