児玉しおりのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレめちゃくちゃおもしろかったです。過去人類は様々な資源を活用してきました。土、石、青銅、鉄、石炭、石油。そしてこれからのデジタル化とクリーンエネルギーの中心になるのはレアアースであり、それを握っているのは中国を筆頭とした新興国であると。
過去に先進国が鉱山開発による汚染に対して近隣住民の反発があって、コストダウンも手伝って新興国に鉱山汚染を輸出してきた。さらにその輸出により資源の確保で先進国は弱い立場にある。
これから新興国でも生活レベルが上がれば地元住民からの反発も予想されるため、鉱山開発も自前主義になっていくのか。枯渇の問題に対して海底資源や宇宙資源開発競争がどう進むのか。今後数十年に渡って目が話せないテーマだと思います。 -
Posted by ブクログ
グリーン/デジタルテクノロジーの進展が、レアメタル需要を高め、中国の地政学的地位の向上、環境破壊を進める。
ジェレミー・リフキン「グローバル・グリーン・ニューディール」が指摘しない負の一面に対する指摘。
事実関係の確認が必要。
・レアメタル・レアアースの効用:磁石(動力)、電池、触媒、半導体、エネルギー効率向上等
環境負荷
・電気自動車製造時のCO2排出量はガソリン自動車よりも大きい?
・電子機器製品はライフサイクル全体で生じる廃棄物の2%?(2gのICチップを作るのに、約2kgの廃棄物が生じる)
・リサイクルはコスト面で採掘に勝てない(合金化されており分離・回収が困難(東京大学岡部徹)、増加する需要を賄えない?
・風力発電等、従来発電よりもベースメタルを大量に使用?
・トヨタ生産方式によるゼロ・ストックから産業界のメタルリスクに対する責任回避を助長
・欧米での鉱山再開(ただし十数年かかる)
→環境配慮への圧力
・宇宙にある天然資源の所有権(レアメタルを多量に含む隕石等) -
Posted by ブクログ
どきっとするタイトルだ。でも日本人だって人ごとじゃない。実際に、イスラム系に感化された大学生がジハードに参加しようとしたニュースがあった。そこまでいかなくても、ネット右翼のしていることや、ネット右翼の人たちの話を鵜呑みにしている人たちとイスラム系セクトに感化される人たちの間には共通点もあるんじゃないかな。
ISの目的は、かつての大日本帝国と同じだ。自分の外部と内部を「浄化」して、自分たちと意見を同じくしない人間を全滅させたい。自分たちに服従しない人全部を排除して、あらゆる権力を握りたい。
帰属感を持てないというのも役立つことがある。私はカルトとは無縁でいられるだろう。 -
Posted by ブクログ
なかなか気づきの多い本でした。
人間は、見えないもののことを考えるのが苦手だと思っていますが、この本は、見えないもののことを考えることの大切さについて、改めて気づかせてくれたと思います。
デジタル社会は、情報社会といっていいと思いますが、物質的にもエネルギー的にも消費が少なくなると思っていましたが、まったくそうではないのですね。
デジタル機器の製造には、多種類の希少な元素が必要であるゆえ、その採掘に、大量の物質の消費を伴っています。
そして当然、それには、大量のエネルギー消費を伴います。
また、情報のやりとりにおいても、現在の方法では、大量のエネルギー消費を伴い、さらには、情報の蓄積においても、大量のデータセンターが必要で、世界中のあちこちで、開発が進んでいます。
それから、情報のやりとりに関しては、実は無線が主流ではなく、世界中に張り巡らされたケーブルが主流で、このケーブルはどんどん増えています。
そんなわけで、今の方法では、デジタル社会が進むにつれ、物質もエネルギーも、ますます大量に消費することになってしまうので、持続不可能、というのが著者の主張です。
物質の消費も、エネルギーの消費も、ほとんどの消費者には見えないところで行われているだけに(著者によると、むしろ、事業者が隠そうとしている節すらある)、消費者側の意識や姿勢の大切さを痛感した一冊でした。 -
Posted by ブクログ
“Black Lives Matter”がメディアを賑わした際、「まだそんなこと言ってんの⁉︎」と思わず口をついて出てしまった。当たり前のように人種差別の愚かさを学校で習い、「人類みな兄弟」の風潮にどっぷり浸かってきたもんだから、不思議で仕方なかったのだ。
本書を知った時その出来事がフラッシュバックし、気づけば当時感じたモヤモヤもだいぶ大きくなっていた。
著者はブラック・アメリカを専門とするフランス人歴史家。フランスは移民大国で、著者の講義にもかつて領土だったアフリカやカリブ海出身の学生が目立つという。
「生物学的に人種は存在しない。しかし政治的、社会的現実として人種は存在する」
後者の忌まわしき概念が、ヨーロッパ人によってどのように形成・正当化されていったのかを本書は追う。
手間はかかったが、序文→(巻末にある)解説→本編 →再び解説の順で読むと、より理解が深まった。(プラス、各部の最後には結論がまとめられており、長い旅路を乗り切る良いアシストになる)
「こうして、ヨーロッパ全体が目をつむって悪夢のなかに飛び込んでいった」
第Ⅰ部 奴隷制と帝国
黒人の歴史を考える時にまず「奴隷制」を連想しがちだが、そもそも奴隷だったのは黒人だけではない!というところから第Ⅰ部は始まる。奴隷制は結婚と同じくらい古い制度で、起源はB.C.3000年のメソポタミアにまで遡る。奴隷に転ずるのは戦争捕虜だった。
アメリカ大陸の発見以降は先住民が、次第に黒人がターゲットに選ばれるようになる。この経緯まではあっという間だった…。
第Ⅱ部 ニグロの時代
「ヨーロッパ人はアフリカ人を奴隷にしたために人種主義者になった」
16世紀末-18世紀末。
18世紀の大西洋貿易を機に、「白人」「黒人」→「人種」の概念が誕生したようだ。
奴隷貿易はポルトガル商人の独断場と化し、アフリカ交易網の拡大にまで及んだ。1787年に出版された、元奴隷による自伝(!)の一部抜粋は本書で一番生々しい証言だった。
労働の強制及び反逆心を抑制するためにふるわれた暴力も、この頃は「善のための悪だ」と正当化されている…
第Ⅲ部 白人の支配
19世紀-20世紀中盤。
奴隷貿易と奴隷制が(公式に)廃止されるのに反比例して、植民地支配が活発に。「白人優位の物語」は加速し、人種の概念はいよいよ定着し始める。
ちなみに1899年の日英通商航海条約時、日本人は「文明化された国に属する国民」=「白人」として認定されていたらしい。さすがにこれは2-3度読みした。
白人とは、肌が白い人ではなく自分たちの支配的地位の自然さに同意するに至った人達のことだと著者は語る。そう考えると、上記日本人の白人認定も納得がいく。
同時に本書では、社会全体で共生していく関係を「親族性」と呼んでいる。しかし、それを許されない人達は確かにいたし、残念ながら今もいる模様。
「親族性」が人種概念根絶への鍵であるならば、「人類みな兄弟」は決して甘っちょろい考えではない。というか、甘っちょろくなくて良かった。 -
Posted by ブクログ
戦後すぐにユネスコによって否定された「人種」という概念が今なお根強く存在する。本書は人種の起源を奴隷制に置いてその本質を明らかにしていく。
奴隷制は人種差別によって生み出されたのではなく、奴隷制こそが人種概念を生み出した。すなわち、奴隷制が解体される中で支配のツールとして白人、黒人という区別を設けていった。筆者は、奴隷の本質は親族性の否定と言う。そして、黒人は家族や国家の構成員ではないという意味で親族性が否定された下位の人種であり、奴隷と概念的に連続している。
本書は本体の人種に入る前に壮大な奴隷の歴史について論じている。ヨーロッパ諸国が奴隷貿易に関わる前の奴隷制の歴史から始まっていて、直前に読んだ『人間狩り』の奴隷観が表層的だっただけに印象深かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ現在デジタル分野は、温室効果ガスの総排出量の4%弱。
携帯電話よりスマートフォンのほうが、より希少金属をより多く使っている。
エストニアは、行政サービスの99%はオンライン。
MIPS=物質集約度。身の回りのものは、環境負荷を考えると平均30倍の重さがある。テクノロジーが絡むとMIPSは大きくなる。レアメタルなどがあるため。
低資源から遠のく。
スマホを使うと、必ずデータセンターにつながる。
シェアリングキックボードは、赤字だが人々の行動データで収益を生み出せる。データは黒い金。
データが伴えば、赤字の事業も金のなる木になる。
アッシュバーンは世界のインターネットトラフィックの7割が通過するデータセンターがある。
データセンターは電気の無駄遣い。エネルギーはデータセンターの最大の支出項目。
オランダでは、排熱利用で暖房を賄える。が頼るのは危険。
北極圏にデータセンターが集中している。
ロボットは人間よりも環境を汚染する。指数関数的にデジタル活動を増加させるから。
海底には無数のケーブルが埋まっている。使われなくなったケーブルを引き上げるのは難工事。
伝送技術は、日々向上している。今後20年で伝送のないデータ伝送ができる。
ネットワークが多様化してアメリカの支配が低下。中国の一帯一路の影響。
北極海にケーブルを敷設する計画。
中国の宇宙シルクロード計画。 -
Posted by ブクログ
ネタバレEVはハイブリッド車はガソリン車の2倍≒10kgのレアメタルが使われている。
レアメタルの採掘は「汚い」。
1980~90年代レアアースはアメリカやフランスがトップ生産国だった。汚染とともに。環境保護法案で規制しつつ、廃棄物を輸出し、レアメタル採掘を外注。
USGS調査 生産量
中国 インジウム44% オアナジウム55% 蛍石65% グラフィト65%
アンチモン77% ゲルマニウム71% チタン50%
レアアース95%(OPEC石油の41%)
コンゴ コバルトの64%
南アフリカ プラチナ、イリジウム、ルテニウム83%
ブラジル ニオブ90%
アメリカ ベリリウム90%
中国 「現地化改革」
世界の工業用金属の45%を消費
低価格戦略で他国の鉱山を破滅させ、周辺企業も呼ぶ、技術を買収、産業を支配。
想像する自由を抑制する国が創意工夫を促せるか?
世界のエネルギーの7~8%をレアメタル生産に消費する。
海底鉱物競争
フランス 南太平洋
1967年 宇宙条約 オゾン層の外側は共有財産
2015年アメリカ宇宙法 宇宙の資源の所有する権利