あらすじ
フランスでは、ISのような過激派組織に洗脳される若者が増加し、大きな社会問題となっている。著者は、子どもを組織に取り込まれて苦悩する約400の家族に接し、その恐るべき実態を分析した。
第1部では、組織による洗脳や取り込みの手口が具体的に説明されている。イスラム系セクトのメッセージはインターネットによって流布され、段階を追って巧妙に若者を洗脳していく。食品・薬品やエコロジーへの批判、消費社会のスキャンダルなど、組織が作成する動画を通じて、若者は「世界は嘘だらけで退廃している」という思いを抱く。自室という安全な空間で、次々とパソコン画面をクリックしていくうちに、その思いは「世界をよくするために何かをしたい」「自分はそのために選ばれた人間なのだ」と変容し、より攻撃的で過激な思想へと飛躍していく。
第2部では、組織や洗脳から脱却させる方法を示す。いったん洗脳されてしまった若者を脱却させるためには、家族の協力が欠かせない。脱却に成功した人の体験談や感化防止センターの支援は大きな意味をもつ。
これらの事例は他人ごとではないはずだ。全世界に警鐘を鳴らす生々しい証言である。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
どきっとするタイトルだ。でも日本人だって人ごとじゃない。実際に、イスラム系に感化された大学生がジハードに参加しようとしたニュースがあった。そこまでいかなくても、ネット右翼のしていることや、ネット右翼の人たちの話を鵜呑みにしている人たちとイスラム系セクトに感化される人たちの間には共通点もあるんじゃないかな。
ISの目的は、かつての大日本帝国と同じだ。自分の外部と内部を「浄化」して、自分たちと意見を同じくしない人間を全滅させたい。自分たちに服従しない人全部を排除して、あらゆる権力を握りたい。
帰属感を持てないというのも役立つことがある。私はカルトとは無縁でいられるだろう。
Posted by ブクログ
フランスで実際にテロリストから家族を取り戻すための活動、カウンセリングに取り組んでいる方による本。いかにしてISなどのテロリストがフランスの若者の心を掴み仲間に仕立て上げるかを具体的に書いてある。