津野海太郎のレビュー一覧

  • 最後の読書(新潮文庫)

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    80歳まぎわ。視力、体力、脳力(とくに記憶力)の衰えを感じながら、本を読む日々。それにまつわる17章の連続エッセイ。とくに、瀬田貞二、山田稔、メー・サートンが登場する章が印象に残った。
    視力の章では、津野自身が編集した伝説の雑誌『ワンダーランド』の話が出てくる。当時はカッコよいと思い、小さな活字をぎっしり詰めた紙面にした。ところがいま読もうとしたら読めず、高齢者のことをまったく考えていなかったと反省している。そうなの?と思った私。『ワンダーランド』創刊号をトランクルームから引っ張り出してきてみた。あらま、ほんとうだ、紙面が霞にしか見えない!!
    津野が子どもの頃に身につけたのは、歩きながら本を読

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    2025年05月08日
  • 生きるための読書

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    #ヨンデルホン
    #生きるための読書 / #津野海太郎(#新潮社)
    #ドクリョウ #ヨミオワリ
    軽妙な語り口が読んでいて心地よい。
    『生きるための読書』の意味が分かり本を閉じる。表紙のイラストが、何体かの骸骨であることに気づく。(カバーを外すと、中の表紙にも骸骨。笑)こういうの、洒落てるなぁ。

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    2025年03月24日
  • 読書と日本人

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    20世紀読書、マンガ、視覚情報(テレビなど)の台頭、電子書籍元年2007
    読書型人間は視覚型人間より忍耐強い

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    2025年01月15日
  • 読書と日本人

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    津野海太郎の力作

    日本に読書史がないはまさにその通りで、活字離れを調べていると科学的または歴史的な文献が少ないことがよくわかると思います。この本に出会うまで日本人がなぜ識字率の高い民族として成り立ってきたのか、そもそも日本人で本が読まれたのっていつからといった起源に関することまでわからない人が多いのが現実だと思います。
    それらを文献を辿り調べるにあたり、たとえエッセイであったとしても、形にするのにどれだけの時間がかかっただろうかと考えると途轍もない力作であっただろうと感じます。
    これを書いた作者、津野海太郎にはただただ感謝します。
    ぜひ時間をかけて読んでいただきたいです。

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    2024年12月14日
  • 花森安治伝―日本の暮しをかえた男―

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    ずいぶん前に 途中まで読んで そのまま
    であった一冊です

    改めて 再読し始めたのですが
    いゃあ これは 凄い
    花森安治さんという
    一人の生きてきた軌跡から
    その時々の時代の様子、雰囲気が
    紙面から湧き上がってくる

    「風土」ではありませんが
    その時代であったからこそ
    その人物(安森さん)が行動したこと
    その時代があったからこそ
    その人物が次なる行動にのめりこんでいったこと

    その 一つ一つが
    ありありと 想像できてしまう

    改めて 津野海太郎さんの筆力に
    脱帽です

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    2024年02月15日
  • 読書と日本人

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    ネタバレ

    読書の方法として、小説読み と 学者読み のふたつの読み方がそれぞれどのように発展してきたのか。
    また、本の種類として、固い本 と 柔らかい本のふたつに分けて主に20世紀以降どのようにしてそれぞれの本が扱われてきたのか。
    日本の歴史に沿って日本人と読書の関係性に迫る本。

    筆者の謙虚な姿勢もあってか、読み進めやすい一冊でした。

    それにしても、二宮尊徳は街灯もない山道でどうやって本を読んでいたのか…。

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    2022年10月13日
  • 最後の読書(新潮文庫)

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    幼少期から本に親しみ、編集者として本を作り読み続けていた著者が、老い先短いと自覚する年齢に達した今現在の読書について考察するエッセイ集。自らの経験だけではなく、知己や読書を通じて知った人たちなどが、どのように読書に親しんでいたかを本の中に書かれたことから読み解き、また、それを自分の過去の経験と重ね、新しい発見をしてゆくという読書。まさに読書の醍醐味ですね。多くの本が紹介され、ブックガイドとしても楽しめます。

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    2022年08月20日
  • 読書と日本人

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    「出版と権力」を読んだ後、同じ本を読んだ友人から「なぜ、いま若い人は本を読まないのだろう?」という、おっさん臭い質問をされ、若い人=本を読まない、って決めつけについて異議申し立てをして、お互い主観的な噛み合ないディベートになったのですが、そういえば、NHK Eテレのswitchインタビュー、鈴木敏夫×津野海太郎の回で紹介されていた本書、積読のままだったな、と思い出して開いたら、まさにジャストミートでした。「出版と権力」も講談社110年の歴史で出版という産業を語る大きなモノサシでしたが、この本は九世紀の初めの菅原道真の「書斎記」、そして13歳の少女が「源氏物語」を読みふける様を記した十一世紀の「

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    2021年06月06日
  • 読書と日本人

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    平安時代から現代にかけての、日本の読書史。菅原道真と菅原孝標女との読書風景の対比が描かれた第1章から、引き込まれた。出版業界の構造不況が言われて久しいが、そもそも不況前の「読書の黄金時代」が、読書史全体の中でいかに特異な時期であったかがよくわかる。本のこれからを考える手がかりとなる1冊。

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    2020年01月07日
  • 読書と日本人

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    「読書」という文化が日本においてどのように育ってきたのかがよくわかる。

    文字は昔から中国でも貴族階級の特権であったが、日本もそのご多分に漏れず、読書はほとんど江戸時代までは貴族や武士のみで全てであった。

    一般大衆においては識字率字体は低く、働いて生きることで精一杯だったのだ。読書というのは、やはりある程度の余裕がないとできないようだ。

    そのうち下層武士や農民でも裕福な者や村を管理するような立場にある者にも読書が普及しはじめ、江戸時代からは民衆にも次第に読書が広がっていった。
    武士階級では「素読」といって音読をし、寺子屋の普及によってなどで、貧しい者でも勉学することで身を立てることができる

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    2019年01月20日
  • 生きるための読書

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    新聞の書評欄での紹介と、「私の履歴書」での連載記事のどちらも気になり、読んでみた本。手にとったら主に取り上げられた6冊の多くが私の積読本のでなおさら、読むべき!と。

    軽妙な語り口、けれど紹介される本はどれもなるほどな本ばかりで、内容の紹介と津野さんの個人的な語りが絶妙に混ざり合う。とり上げられた本はどれも読むべき!と感じられて、読書リストを増やしてくれた良書だった。

    「読めるけど書けないし話せない」
    人生の晩年に、そんな状態になっても私もまだ本を読んで生きたい。まだだいぶ先だけれど、そんな目標ができた良い読書案内だった。

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    2025年11月01日
  • 生きるための読書

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    84歳の著者があと何年生きられるかという気持ちから、もうじき死ぬ人、メキシコ人の死者のおまつりを連想し、死は怖くない→最後のお祭り読書として、6人の作家の評を記したのが本書。伊藤亜紗、斉藤幸平、小川さやか、森田真生、千葉雅也、藤原辰史。後半は鶴見俊輔のアナキズム論やブレイディみかこの著述からの国際情勢や思想に言及されている。大変勉強になる一冊。

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    2025年10月15日
  • 生きるための読書

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    前半で著者から見て非常に若い世代の著者の本を紹介していたが、小生も後期高齢者なので読破リストに登録しておいた.後半ではアナキズムについて面白い議論が続いた.「権力による強制なしに人びとが助け合って生きていく」がアナキズムの理想の由だが、60年代の安保闘争やベ平連の活動もアナキズムの実践だと評価できるとの論評.なんとなく理解できる.

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    2025年09月25日
  • 生きるための読書

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    書いてあることは難しかったけど、
    もうすぐ死ぬ人、過去と現在はあるけど未来のない人、付記のせん妄についての記載はぐさっと刺さった。
    高齢の方のストレートな言葉が詰まった貴重な本

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    2025年09月12日
  • かれが最後に書いた本

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    書名から勝手にいろんな人が最後に書いた本の評的なものをまとめたものと思っていたら違って、それはエッセイの一編の題だった。とはいえ、本にかかわる話は当然多い。全体的には著者のかかわった人々についての生病老死(特に病老死)の話がメインか。
    著者は私より11歳年上。勝手ながら老い方の手本(かく老いていきたい)と思っている(ま、こっちのほうが先にくたばる可能性も大きくなってきてはいるのだが)。とりあえず次の最近出された本も読んでいきたい。

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    2025年04月11日
  • かれが最後に書いた本

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    坪内祐三の逝去に関してなにか知るところがあるかとの期待から。
    それほど紙幅が割かれているわけでもなかったが、その他の彼との同時代の文筆家等について、知見を得る入口として楽しめた。

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    2025年02月16日
  • 最後の読書(新潮文庫)

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    本にまつわる
    素敵なエッセイはいい
    本を読む楽しみが
    しみじみと伝わってくる
    ましてや 
    あの「本読み」の
    津野海太郎さん

    登場する
    作家、書籍、エトセトラが
    ひとつひとつ
    興味深い

    一回目は初めから
    再読は 気になって付箋をつけたところから
    本を読む楽しみが満載です

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    2024年07月24日
  • 読書と日本人

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    読書と名付けられた営みの変遷について、土岐は平安時代「源氏物語」「更級日記」といったあたりからさかのぼり、現代そして未来にいたるまでを述べた一冊。
    ここまで日本人による読書の方法論と日本の読書の歴史について、詳しく述べられた本はないのではないかと思う。
    はじめに、平安時代あたりの読書の方法として実際に読み上げながら文字を追い、意味の解釈を加えないという、いわゆる素読と呼ばれる方法による読書が主流であったことを知った。そこから、明治維新などにより時代は近代に向かうことで、教養的読書として、人々は本を読むようになる。そこから、部屋で一人本を読むというスタイルが確立されたという。しかし、このスタイル

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    2024年05月01日
  • 読書と日本人

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    リアル『本好きの下剋上』。
    日本の読書の歴史に迫る本。音読か黙読か、“学者読み”か“小説読み”か。木版か活版か。そして、大量生産されるようになった本。電子書籍の登場。面白かったです。

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    2022年11月26日
  • かれが最後に書いた本

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    お年寄りのぼやきではなく、筆致が冴えています。体と折り合いをつけながら最後まで書いて頂きたいです。友人たちとの交友録や、コロナ下でのカミュ再読の件は面白かったです。

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    2022年05月31日