津野海太郎のレビュー一覧

  • 花森安治伝―日本の暮しをかえた男―
    ずいぶん前に 途中まで読んで そのまま
    であった一冊です

    改めて 再読し始めたのですが
    いゃあ これは 凄い
    花森安治さんという
    一人の生きてきた軌跡から
    その時々の時代の様子、雰囲気が
    紙面から湧き上がってくる

    「風土」ではありませんが
    その時代であったからこそ
    その人物(安森さん)が行動した...続きを読む
  • 読書と日本人
    読書の方法として、小説読み と 学者読み のふたつの読み方がそれぞれどのように発展してきたのか。
    また、本の種類として、固い本 と 柔らかい本のふたつに分けて主に20世紀以降どのようにしてそれぞれの本が扱われてきたのか。
    日本の歴史に沿って日本人と読書の関係性に迫る本。

    筆者の謙虚な姿勢もあってか...続きを読む
  • 最後の読書(新潮文庫)
    幼少期から本に親しみ、編集者として本を作り読み続けていた著者が、老い先短いと自覚する年齢に達した今現在の読書について考察するエッセイ集。自らの経験だけではなく、知己や読書を通じて知った人たちなどが、どのように読書に親しんでいたかを本の中に書かれたことから読み解き、また、それを自分の過去の経験と重ね、...続きを読む
  • 読書と日本人
    「出版と権力」を読んだ後、同じ本を読んだ友人から「なぜ、いま若い人は本を読まないのだろう?」という、おっさん臭い質問をされ、若い人=本を読まない、って決めつけについて異議申し立てをして、お互い主観的な噛み合ないディベートになったのですが、そういえば、NHK Eテレのswitchインタビュー、鈴木敏夫...続きを読む
  • 読書と日本人
    平安時代から現代にかけての、日本の読書史。菅原道真と菅原孝標女との読書風景の対比が描かれた第1章から、引き込まれた。出版業界の構造不況が言われて久しいが、そもそも不況前の「読書の黄金時代」が、読書史全体の中でいかに特異な時期であったかがよくわかる。本のこれからを考える手がかりとなる1冊。
  • 読書と日本人
    「読書」という文化が日本においてどのように育ってきたのかがよくわかる。

    文字は昔から中国でも貴族階級の特権であったが、日本もそのご多分に漏れず、読書はほとんど江戸時代までは貴族や武士のみで全てであった。

    一般大衆においては識字率字体は低く、働いて生きることで精一杯だったのだ。読書というのは、やは...続きを読む
  • 読書と日本人
    読書と名付けられた営みの変遷について、土岐は平安時代「源氏物語」「更級日記」といったあたりからさかのぼり、現代そして未来にいたるまでを述べた一冊。
    ここまで日本人による読書の方法論と日本の読書の歴史について、詳しく述べられた本はないのではないかと思う。
    はじめに、平安時代あたりの読書の方法として実際...続きを読む
  • 読書と日本人
    リアル『本好きの下剋上』。
    日本の読書の歴史に迫る本。音読か黙読か、“学者読み”か“小説読み”か。木版か活版か。そして、大量生産されるようになった本。電子書籍の登場。面白かったです。
  • かれが最後に書いた本
    お年寄りのぼやきではなく、筆致が冴えています。体と折り合いをつけながら最後まで書いて頂きたいです。友人たちとの交友録や、コロナ下でのカミュ再読の件は面白かったです。
  • かれが最後に書いた本
    八十歳をこえると、老いというよりは、もうすぐ死ぬ人間として生きている――。世界をおおった未曾有の蟄居の日々、友だちはあっちの世界に仲間入り。でも、本を開けばまた会える。かれらとのつながりは、いまのほうがつよく感じられる。樹木希林、鶴見俊輔、池内紀、橋本治、和田誠、加藤典洋、古井由吉、坪内祐三、平野甲...続きを読む
  • 読書と日本人
    前半は、読書通史の空白を埋めるデッサンとして貴重な試み。
     後半は、出版の盛衰を振り返る取り組みとして。
  • 読書と日本人
    本来読み書きというのは、男性のみが行うことだった。
    「男もすなる日記を、女もしてみん」と書いたのは男である紀貫之だったけど、それでひらがなが広まったというよりも、「女が書くところのひらがなを、男も書いてみん」というところなのではないかと私は思っている。
    丸文字とかギャル文字など、若い女性は大昔もきっ...続きを読む
  • 読書と日本人
    ●→本文引用

    ●「じぶんの本棚に好きな本がならんでるのを見ていると、なんとなく安心するんです」「本って記憶ですよね。夕方、どこかの町の喫茶店の窓際の席であの本を読んだなとか、本にはそれを読んだときの記憶がくっついてるでしょ」なのにインターネット経由、ケータイやスマートフォンで読む本(つまり電子本)...続きを読む
  • 読書と日本人
    編集者、評論家出身、和光大学名誉教授の津野梅太郎(1938-)による、日本の読書史。

    【構成】
    Ⅰ 日本人の読書小史
    1 はじまりの読書
    2 乱世日本のルネサンス
    3 印刷革命と寺子屋
    4 新しい時代へ

    Ⅱ 読書の黄金時代
    5 二十世紀読書のはじまり
    6 われらの読書法
    7 焼け跡からの再出発
    ...続きを読む
  • 花森安治伝―日本の暮しをかえた男―
    「暮しの手帖」は常にそばにあった。小学生のころ、私は意味がよく分からないのに、母が購読していた雑誌を読んでいた。商品テスト、懐かしい。
  • 最後の読書(新潮文庫)
     今年最初の読書のタイトルが『最後の読書』というのは、もちろん狙ったところもある。ただ、それ以上に感じるところもあってさ。編集者、演劇人とのことだけど、齢80になろうとする時期に、読書周辺での年齢からくる苦労など、あれこれというのがね。なんとなく最近年取ってきたなぁという自分の親を観る視点と重なった...続きを読む
  • 最後の読書(新潮文庫)
    歳をとると、自然に体の各機能が衰えてくる。読書を呼吸することと同様に、当たり前のこととして生きてきた人間にとって視力の衰えはしんどい。記憶力も低下してくるというのも困りごとの一つになる。こんなこともありつつ、読書家の老年期をどう過ごすのかを思い綴った本。蔵書の行く末も悩みどころ。いずれは訪れるであろ...続きを読む
  • 読書と日本人
    前半は日本の読書史が書いてあり、本に対する読者や出版業界の成長の過程が良く分かった。しかし少し難しかったのでなかなか読み進められなかった。後半は現在の事になり、固い本や柔らかい本の地位の逆転や電子書籍との今後についての考察。為になったと思う。
  • 読書と日本人
    広く一般の読書というものが、例えば車なんかのように、20世紀の大量生産、大量消費のうえに成り立っていた一過性のもので、永らくは特権階級のものであったし、その黄金時代は既に過ぎた、というのが、とてもよくわかる

    読書の危機は100年前に映画によって既に始まってて、テレビの普及があって、ネット社会が今、...続きを読む
  • 読書と日本人
    最初の方はとってつけたもので借り物のような議論であったが、昭和になってきて俄然著者の主張が生きてきた。