鷹巣☆ヒロキのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【自由意志などない。人間とは機械である。それは自分に全て責任がある訳でもなく、この先であなたを大事にする人が待っているということでもある】
表紙に一目惚れし、ようやく読み切れました。
まず漫画なのですらすら読める。
厚さはありますが、絵も字も大きく、作品内では一貫して「人間は機械である」ことの根拠を示していきます。
しかし、機械である=自由意志などない、全て決まっているからといって、ただ受動的に過ごせということではありませんでした。
自分が弱いことも,至らなかったことも、全ては自分たちが機械であるがゆえ。
だからこそそれを片隅において、全てが自己責任ではない、その先で、必ず幸せになれることが決まっていると捉えられるのです。
自分がいなくなりたい、自分なんて何もできていやしない,と思った時に読み返して、「全部が自分でどうこうできるわけじゃないよな」と思い直したいと感じました。
読めてよかった! -
Posted by ブクログ
漫画でわかりやすく、人間とは何かを解説している。トウェインの主張は、一貫した人間機械論である。人間を特別視する人間には、到底受け入れられない思想だと思う。
これは人間は外的要因や情報をインプットして、あとは決められたアウトプットするだけの器に過ぎず、そこに自由意志などないというある種の過激な思想である。
僕はAIの仕組みを学ぶたびに、人間もただの機械だと思うことがある。要するに大量のデータを与えれば、AIだろうが人間同様の思考はできる。倫理観も膨大な教師データがあれば、パターン化できる。その中から最も尤もらしい選択をするだけだ。その選択基準は、環境に依存する。
人間の選択も機械のようなものと考えても、正直違和感はない。特に近年の生成AIの発展は、その思想を強める要因なのではないか。人間の仕事と思われてきた高度な仕事は、むしろAIで代替可能である。
この人間機械論は、だから人間に意味などないというニヒリズム的な思想ではなく、人間讃歌であると感じた。誰かの成功や失敗などを特別視することもなく、あくまでそれは機械的にプログラムされた人間の結果でしかない。だからこそ、そんなものを奢ることも卑下する必要はないという、逆境からの幸福論に近いと僕は感じた。 -
Posted by ブクログ
『とりあえず人間は機械』だということが書いてある。
様々な角度から書いてある。
そしてそれを理解できた時、自分は少し人間になれた気がした。
以下全てメモ。
人間は自らの承認を求めて動く単なる機械。
設計どおり作用する。生まれた環境、外的要因、遺伝、生息地から作られた存在で、あるのは質の違いだけ。行動や思考は集積によって生み出された自動作用。
事実として脳波は意志よりも先んじる。意志よりも先に脳。よって後付けの錯覚。外部からの刺激→意志でなく脳。機械と同じ。
心理学的決定論。
人間は環境に変化するカメレオン。
自分で自分を変えることはできない、あくまで外的要因で。ただ気質を教育で抹消することはできない。
人間は自己満足のためだけに行動する。
人間は自らの心もコントロールできない、独立した機関。
人間は経験したイメージを勝手に結合する機械、それがひらめきであり、発見である。よって人間が発明したものなどない。
いまAIにできず、人間にできることとは?
意識とは結局のところ情報の統合、生命の本質は情報。
本能とは、昔は考えて行動してたことが遺伝的に受け継がれ習慣化し考えなくても体が動くもの。いわゆる石化した思考。
動物や蟻も観察や推理もできる。人間は彼らより少し複雑な機械というだけ。
金も宝石も悪評も地位も名声も、誰かが価値があると思っているから価値がある。誰も見向きもしなくなったら一文の価値もなくなる。
人間は「わたし」が全てを支配している王のような存在だと思っている。しかし知性と感情は独立して動くし、心が悲しければ勝手に涙を流す。「わたし」とは至極あいまい。これを自動作用という。教育や環境から「知的プログラム」「道徳的プログラム」を設計している。「わたし」はその集合体。
機械とは「設計どおり作用するもの」つまり人間は機械。
良心は自己満足。反対に苦しむことも全て自分が悪いと背負い込むことも人間の驕り。
そして無力だと感じれば他者に自分にも寛容になれる。
気質。
人類は数多の人間の影響や偶然の発見を機械的に取り込み自動で繋ぎ合わせ、この世界を創り上げてきた。
心理学的決定論は弱者の救い。
成功者も犯罪者も自由意志でなく、環境からの刺激を受け起こした行動の帰結の享受者でしかない。 -
Posted by ブクログ
「人間は機械である」
人間は自らの心をコントロールすることはできず、全て気質と環境により受けた影響に自動作用で働いているに過ぎない。
他人を助けることはとても美しいことであるが、それも自己満足でしかない。
人間は自らで何かをすることのできない無力な存在である。しかし、無力を自覚した時、人間は他者にも自分にも寛容になれる。
現代においては、先人たちの発見により様々なものがより便利に変化している。そのため、環境も目まぐるしく変化していき、自動作用で生きづらさを感じるようになっている人も多くいると感じる。
しかし、どうしようもない絶望であってもそれは環境からくる自動作用である。死にたくなったとしても、そのことを自覚していればまた違った選択ができるかもしれない。
自己満足であったとしても自分の人生をより良くすることを大切にしていきたい。そう思える本であった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分の中で噛み砕くのに時間がかかっている。まだ発展途中の段階だが、感想を記しておきたい。
【要約】
・19世紀、『トム・ソーヤの冒険』で知られる著者が、妻と子どもに先立たれ晩年に、匿名で執筆。当時、彼の主張は受け入れられなかった。
・著者の主張とは『人間は機械である』。人間は、気質と教育、環境による影響の蓄積からなる集合体で、本人の欲求を満たすために自動で動く。そこに自由意志は存在しない。
・近年、著者の主張を裏付ける科学的な証明がされている。
【感想】
自己欲求を満たすために、人は他者を愛し、憎しみ、時には犠牲になる、は納得できる。興味深いのは、人間は意志が脳に命令して行動するのではなく、書籍や会話など何十年と積み重ねてきたものが欲求をつくり、それを満たすために身体が自動で動く、実は意志は介在していない、という主張だ。
だから、他人と比較したり、心無い言動に怒りを感じる必要はないのだと、私の心を軽くしてくれた。
本書の編集が、読者の理解をかなり助けてくれる。
最後に、編集側からの投げかけで『何も希望を抱かずに、努力せずに、流され続ければいいのか?』『答えは否だ。』とある。
私もそう思う。書籍や会話を沢山することを通じて、自分の望ましい方向を知り、そこへ進むための蓄積を自らしていきたい。
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Posted by ブクログ
人間は自己の満足感を最大化するようプログラミングされた機械にすぎないという主張は、かなりセンセーショナルではあるが、それは決して人間が無機質で思考力のないものと卑下しているわけではない。むしろ、キリスト教的価値観の中で当たり前とされていた物心二元論など、人間にあると思い込まれていた心の存在に疑問を呈し、大きな世界の中の一つの構成要素としての個人という新たな見方を提示しようとした作品に思える。こうした考え方は、特に日本人からすると馴染みやすいものだと思うが、キリスト教的価値観の強い欧米諸国に与えた影響は大きかったのではないかも思う。漫画であったが、深い解説などもあり、かなり考えさせられた。
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Posted by ブクログ
「トムソーヤの冒険」「ハックルベリーフィンの冒険」等、一度は聞いたことがある様な少年向けの冒険譚の著者、マーク・トウェイン。
その彼が「匿名」で残したとされる「人間とは何か?」が漫画化された本です。
『人間とは機械である。』
ある青年は人間には自由意志が存在すると主張し、ある老人は人間は機械であると主張する。それらの問答を通して、人間とは何なのかを考えていく物語です。
人間が持つ意志やそれに基づいた行動とは、それまでの環境や経験から蓄積されたものから導き出された自動的な行動であり、自己欲求を満たす為だけに弾き出された主衝動である、と本著では語られている。
それはつまり、人間は全て考えてから行動する生き物ではなく、過去の蓄積したデータを基に最適解を自動的に導き出す、機械だと述べている。
内容の哲学感の強さにも驚きだが、原作が書かれたのは今から100年以上前ということも驚きだった。
そして、本著は『人間とはどうあるべきか』を、AI化していく未来の人間に当てたメッセージの様に感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人間は自らの承認を求めて動く単なる機械に過ぎない
人間にはあいも憎しみもない、そんな名称をつけているから本質が見えなくなる、あるのは主衝動だけ、満足したいという機械的な心だけ
結局すべては主衝動だ、あくまでも自分の良心を満たしているに過ぎない
そしてその良心は教育できる、環境しつけ書物などから
人間は不愉快でなければ人の不幸などどうでもいい
愛も憎しみも慈悲も貪欲も善意もみんな自己陶酔、自己満足だけが私たちの原動力であり機械と変わらない
自由意思は幻覚
人間は環境からの刺激を受けて全自動的に体を動かしている
人間は自己満足のために行動しその欲望もまた外部からの影響 自分から生み出しているものなどなにもない 自分の心すらコントロールすることができない
君が自由だと思っているその心も気質と教育から自動で導き出されているだけなにも自由じゃない
金も宝石も悪評も地位も世界的名声も誰かが価値があると思っているから価値があると
誰もが見向きもしなくなったら一門の勝ちもなくなるんだよ
人間は善に向けて鍛練はできるがどんなに高水準になろうとも自己満足だ
それは心の満足が自動作用の動力になるよう設計されているからだ
自らの無力さを自覚したとき人間は他社にも自分にも寛容になれる
まずはいい鍛練を積める場に身をおいてみたらどうだ
五木寛之
人間は大河の一滴
人間が他人の援助を自己満足のために行っていたとしても人に喜ばれることで自らの心が満たされるのであればそれはむしろすばらしいこと
人間は過去からの寄せ集めのガラクタですべては気質と外的環境できまる
その前提に立てば自らを誇ることもなくまた他社を批判することもなくアリのままの自分を認められるのではないか
人間は機械であると主張したマークの本当の狙いはアリのままいきられない人間に対する許しの思想だったのかもしれない
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Posted by ブクログ
漫画だから読みやすかった。
人間は機械であるという主張、その理由は
・満足したいという機械的な心だけで人間は動いている。家族の愛や社会的称賛や自己犠牲をする人も結局はそのひとが何を優先してるかが違うだけで自己満足の奴隷である。
・人間の心は自分でコントロールできていると思いがちだが、実は経験したイメージを勝手に結合するだけの機械である。
・「私」とは私が全てを支配してると思いがちだが、実際は教育気質や環境の外的要因からプログラムを設計する内なる主人の満足を満たす自動作用である。
良心を持ってやったことも自動作用だが、逆に、苦しみや悲しみ、他人と比べたりプライドなども全ては自己満足であり設計通りに作用しているだけだと思えば他人にも自分にも寛容になれると言って最後を締めているのは救いがあるなと思った。
つい先日読んだ種の起源と同じような主張をしてるることも興味深かった。種の起源では人間は遺伝子の奴隷、この本では自己満足の奴隷。
時折で良いので、この考え方の引き出しを開けて世界を眺めてみることでより広い視点でモノを考えるできるのではないかと感じた。 -
Posted by ブクログ
『トム・ソーヤーの冒険』でお馴染みのマーク・トウェインさんの原作である『人間とは何か』を漫画化したもの。
九州大学准教授の妹尾武治さんの寄稿文が読める。妹尾さんは『未来は決まっており、自分の意志など存在しない。心理学的決定論』という書籍を書いているお方。
本書と併せて、読むことをお薦めする。妹尾さんの書籍の内容の一部は、本書の寄稿文でも知ることができる。最初に読んだ時には衝撃を受ける人もいるかと思う。ただ、同様の内容の書籍はいくつかあるので、気になる人は学びを深めることができる。
さて、本書では著者の卓越した人間観察眼と哲学から、人間は設計図通りに環境からの刺激で反応する機械であるという考えを知ることができる。この主張に反論したくなる人もいるだろうが、果たして著者を論破できるのだろうか?それほどにも説得力ある主張になっている。科学的にも、マーク・トウェインさんの思想を補強する実験結果が示されたりしている。
人間は機械だとしても、どう生きていけばよいかを考え行動できるのではないか?
というのが、本書のテーマだ。漫画は気軽に読めて、初心者にとってとっつきやすいものだ。岩波文庫の『人間とは何か』も読んでみたいと思った。