山北めぐみのレビュー一覧

  • マンソン・ファミリー 悪魔に捧げたわたしの22カ月

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    チャールズ・マンソンの「ファミリー」の一員として暮らしていた女性の話。カルトとか宗教とか、そういったものにハマる人の真理が知りたくて読んだ。
    読み終わってもカルトにハマる心理は全くわからなかった、理解することはできないな〜。
    でも、描写が濃厚なところと抜けてるところの差によって「実際の記憶」という感じがすごく出てた。リアルなことなんだろうな〜

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    2020年06月06日
  • ドリーム NASAを支えた名もなき計算手たち

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    「人種差別」を言葉として知っていても、実際の職場や生活においてどのように行われるものなのかよく分かっていませんでした。
    日常のルール、会話、視線など、ありとあらゆる場面で行われる差別行為はされる側にとって理不尽で堪らなくプライドを傷つけられるのに対し、している側は生活に根付いており疑問にも思いません。あまりにも自然に差別という行為が行われていることにまず衝撃を受けます。
    主人公であるNASAの黒人女性スタッフ3名もまた、仕事の業績や成果とは異なる次元で不当な扱いを受け、何度も悔しい想いをします。しかし彼女たちは不平不満をぐっと飲み込み、努力と実力で現状を打破していきます。その健気で真っ直ぐな姿

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    2018年04月08日
  • ドリーム NASAを支えた名もなき計算手たち

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    この本は、たぶん今まで、誰も焦点を当てたことがない人たちの物語だ。電子計算機(コンピューター)が登場する以前の計算手(コンピューター)、しかも黒人女性という当時では二重の差別と偏見の中で、活躍した人たちの物語だ。
    もうそれだけで、読む価値は十分にある。

    ただし、このどうしようもなくダメダメな邦題には文句を言いたい。なんじゃい、この「ドリーム」っていうのは? 素晴らしい中身と全然あっていないじゃないか。
    たぶん、第22章に出てくるキング牧師の有名な演説"I Have A Dream"の"Dream"がこの陳腐な邦題の元なのかもしれないが、それもちょっと違

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    2017年08月24日
  • マーリ・アルメイダの七つの月 下

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    ネタバレ

    二人称の語りや、マーリのキャラから繰り出される軽いノリに騙られてはいけない。つまり人間はこんなもんだよねという諦めと、それでもやらなければならないことがあるという頑固さの二つが並んでテーブルの上に載せられる。まるでカジノのポーカー台のように。
    ひさびさのスリランカもの、オンダーチェの『アニルの亡霊』を思い出した。

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    2025年04月18日
  • マーリ・アルメイダの七つの月 下

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    下巻は第3の月の続きから始まる。現在と過去が交錯し、マーリのこれまでにしてきたことが明らかになる。そして彼が大切に思う人達に危険が迫る。彼のやり残したことは叶えられても世界はなにも変わらなかった。ついに明かされる彼の死の真相は苦いものだったが、1990年という時代を考えればやむなしか。
    時間制限のあるゴーストストーリーに歴史や政治を盛り込み、さらには宗教や愛をトッピングしたなんとも豪勢なごった煮小説である。満足感は高い。
    2022年ブッカー賞受賞作。

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    2024年03月09日
  • マーリ・アルメイダの七つの月 上

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    マーリ・アルメイダ。
    戦場カメラマンにして、ギャンブラー、そしてヤリチン。
    物語の舞台は、1990年のスリランカ、内戦真っ只中のコロンボだが、その様子は全て死者であるマーリの目線から語られる。
    マーリは、気づくと冥界のカウンターにいた。周りは死者で渋滞。戦争の被害者である彼らは、死者になってもくだらない手続きのために列に並んでいた。そして42階で〈耳の検査〉を受けて〈光〉に行くよう案内される、、、
    しかし、途中不思議な雰囲気の若者の霊と会い、生者の世界に干渉するための力があることを告げられる。残された時間は月が7回昇るまで。腐敗した政府の闇を暴き内戦を終わらせようと、スクープ写真を残してきた友

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    2024年02月17日
  • ドリーム NASAを支えた名もなき計算手たち

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    アメリカの黒人の歴史と、宇宙開発の歴史にめちゃくちゃ興味が出たので類書を検索中。

    登場人物がコミュニティ活動や教育活動に積極的なのが印象に残った。彼女らがとても進歩的だったのもあるだろうけど、それにしてもすごい。
    当時のテクノロジー・インフラでは地域コミュニティが生活安定のために重要だった、勝ち取ってきた権利を拡大・継承していくことへの意識が高かった、という要因が思いついた。
    仕事の話は簡単に共感できるけど、こうした私的活動への考え方は自分にはなかったので、興味深い。

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    2018年11月22日
  • ドリーム NASAを支えた名もなき計算手たち

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    女性であり、黒人であったために、分厚い社会的な壁にぶつかり、それでも運命を切り開いた人々の物語。

    映画がいかに脚色されていたのか。現実は淡々と、複雑に、進んだのだ。

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    2017年12月29日
  • マーリ・アルメイダの七つの月 下

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    ネタバレ

    2022年 ブッカー賞受賞作
    スリランカ出身の著者が描く、1990年当時のスリランカ内戦の惨状、
    そして戦場を駆け抜けた主人公"マーリ アルメイダ"がさまよう死後の世界。

    現実と想像が激しく入れ乱れる中で主人公は現世で成し遂げることのできなかった、
    スリランカの平和への願いを叶えることができるのか。

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    エンタメを詰め込んだ海外文学、しかしそれはどれもパーフェクト・テン。

    作品が評価されている理由には、その豊富なエンタメ要素にある。
    まずは皮肉と比喩。
    特に洋楽や洋画に関するジョークも多く、知っ

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    2025年08月03日
  • マーリ・アルメイダの七つの月 上

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    全く知らなかったスリランカの厳しい内情を知ることができた。
    民族や思想による複雑な紛争が物語の背景だ。作者の意図も設定も素晴らしいのだが、なじみのない名称が多く、イメージを持ち続けて物語を進むのが私には難しかった。
    下巻まであることを思うと、辛くなり上巻7割のところで本を閉じた。

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    2024年07月07日
  • マーリ・アルメイダの七つの月 上

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    内戦下のスリランカで、戦場カメラマンのマーリ・アルメイダに起きた奇想天外な物語。
    冒頭、彼は冥界の受付にいる。そこで告げられたのは「7つの月が与えられる」だった。死者に残された時間は月が7回上るまで、つまり7日間。その間にマーリは自分の死の真相を突き止め、やり残した使命を完了させることを決意する。
    第1章はマーリ及び読者に死後の世界のルールやら時代背景やらを説明するため長く読みにくい。スリランカなんてまったく未知の国で、なんの知識もないから尚更だ。
    第2章からいよいよ物語が動き出し面白くなってくる。

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    2024年03月09日
  • マーリ・アルメイダの七つの月 下

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    スリランカと言えば、マイケル・オンダーチェ『アニルの亡霊』を思い浮かべるが、アプローチとしてはまるで真逆のようでありながら、これもありだなーと面白い。

    ヴォネガットを連想したけれど、作者はやはりヴォネガット好きのようだ。

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    2024年03月02日
  • マンソン・ファミリー 悪魔に捧げたわたしの22カ月

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    マンソンファミリーに2年近く居続けた少女の人生本です。

    実家族が生活に不満を抱いた結果、ヒッピーやドラッグに傾倒していき、健全な所属を得られる少女時代ではなかったようです。
    そのせいで頼る場所を固執していき、マンソンに疎まれてもなお居座ったのでしょうね。
    疎まれていたのは当時でもうっすらはわかっていたはずなのに固執したことに疑問を持てるのはまだ思考が健全だから?

    ただこの少女は当初からいたわりに殺人に関わっていたわけではないようです。
    だから「マンソンファミリー」の日常はわかっても「チャーリーマンソン」については雲を掴むような感想しか持てないかも。

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    2020年03月05日
  • マンソン・ファミリー 悪魔に捧げたわたしの22カ月

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    ダイアン・レイク、デボラ・ハーマン『マンソン・ファミリー 悪魔に捧げたわたしの22カ月』ハーパーBOOKS。

    14歳でチャールズ・マンソンが率いるファミリーの一員となったダイアン・レイクのドラッグとセックスにまみれた手記。カルト集団の内情も、シャロン・テート事件の真相も何も見えて来ない。

    面白くない。

    本体価格1,259円
    ★★★

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    2019年09月28日