【感想・ネタバレ】ドリーム NASAを支えた名もなき計算手たちのレビュー

あらすじ

山崎直子氏(宇宙飛行士)推薦「彼女たちの挑戦は、壁を超える勇気を与えてくれる」2017.9.29(金)全国ロードショー!アカデミー賞R作品賞ノミネート『ドリーム』原案。コンピューターのない時代に活躍した“黒人女性計算手”たちの物語。全米大ヒット映画原案、知られざる感動の実話!ニューヨークタイムズ・ベストセラーリスト第1位!『パブリッシャーズ・ウィークリー』誌 2016年ベストブック!『ウォール・ストリートジャーナル』紙が選ぶ、2016年最も期待の1冊!名作『ライトスタッフ』に匹敵!――『ボストン・グローブ』紙

1943年、人種隔離政策下のアメリカ。数学教師ドロシー・ヴォーンは、“黒人女性計算手”としてNASAの前身組織に採用される。コンピューターの誕生前夜、複雑な計算は人の手に委ねられ、彼らは“計算手(コンピューター)”と呼ばれていた。やがて彼らは宇宙開発の礎となり、アポロ計画の扉を開く――! 差別を乗り越え道を切り拓いた人々の姿を描く、感動の実話。映画『ドリーム』原作。

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Posted by ブクログ

「人種差別」を言葉として知っていても、実際の職場や生活においてどのように行われるものなのかよく分かっていませんでした。
日常のルール、会話、視線など、ありとあらゆる場面で行われる差別行為はされる側にとって理不尽で堪らなくプライドを傷つけられるのに対し、している側は生活に根付いており疑問にも思いません。あまりにも自然に差別という行為が行われていることにまず衝撃を受けます。
主人公であるNASAの黒人女性スタッフ3名もまた、仕事の業績や成果とは異なる次元で不当な扱いを受け、何度も悔しい想いをします。しかし彼女たちは不平不満をぐっと飲み込み、努力と実力で現状を打破していきます。その健気で真っ直ぐな姿勢は、読者を励ますほどの強さがありました。
先に観た映画も三者三様の個性が光り、脇を固める出演陣も素晴らしかったです。

他の方もレビューして下さっていますが、二転三転あったという邦題「ドリーム」は日本人受けを狙ったにしてもあまりにも安直というか…原題が最もこの作品を的確に表現していると思います。

・原題:『Hidden Figures』

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2018年04月08日

Posted by ブクログ

この本は、たぶん今まで、誰も焦点を当てたことがない人たちの物語だ。電子計算機(コンピューター)が登場する以前の計算手(コンピューター)、しかも黒人女性という当時では二重の差別と偏見の中で、活躍した人たちの物語だ。
もうそれだけで、読む価値は十分にある。

ただし、このどうしようもなくダメダメな邦題には文句を言いたい。なんじゃい、この「ドリーム」っていうのは? 素晴らしい中身と全然あっていないじゃないか。
たぶん、第22章に出てくるキング牧師の有名な演説"I Have A Dream"の"Dream"がこの陳腐な邦題の元なのかもしれないが、それもちょっと違うと思うのだ。
何がどう違うのかは、是非本書を読んで確かめてほしい。

一方、副題にある「名もなき」は意味深い。
計算手の彼女たちは、「ドロシー・ヴォーン」や「メアリー・ジャクソン」という立派な名前ある人間とみてもらえない。ジョン・グレンに"the girl"と呼ばれていたのが象徴的だ。原題の"Hidden Figures"の意図をよく表していると思う。

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2017年08月24日

Posted by ブクログ

アメリカの黒人の歴史と、宇宙開発の歴史にめちゃくちゃ興味が出たので類書を検索中。

登場人物がコミュニティ活動や教育活動に積極的なのが印象に残った。彼女らがとても進歩的だったのもあるだろうけど、それにしてもすごい。
当時のテクノロジー・インフラでは地域コミュニティが生活安定のために重要だった、勝ち取ってきた権利を拡大・継承していくことへの意識が高かった、という要因が思いついた。
仕事の話は簡単に共感できるけど、こうした私的活動への考え方は自分にはなかったので、興味深い。

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2018年11月22日

Posted by ブクログ

女性であり、黒人であったために、分厚い社会的な壁にぶつかり、それでも運命を切り開いた人々の物語。

映画がいかに脚色されていたのか。現実は淡々と、複雑に、進んだのだ。

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2017年12月29日

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