栗沢まりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子どもの貧困という言葉をニュースで見たことはありましたが、そこには私の想像以上の事があると思います。
フィクションですが、こうして小説で子どもたちの思いを疑似体験する事は、考えるきっかけの一つになりました。
作中にも出てきますが、まだまだ子どもの貧困って理解していない人が多いんだと思います。
私の職場にも、「一日中ご飯を食べない日がある」と言っている子が遊びに来ます。正直、体臭もキツイです。
その子が帰った後に、他の職員に、
「ご飯を食べてないって言ってたけど、貧困家庭なのかな?」と何気なく言ったら、笑いながら、
「貧困?今貧困って言った?wひどくないw?どんだけw」
と冗談のように受け止 -
購入済み
泣いたかな
泣いたかな。
現実的には身近にはなくて。ふるさと納税とかのプログラムで支援したりはするけど。この作家はSOS
を口に出せない子供達のそばにいたのかな。
主人公のその後を見たくなりました。 -
Posted by ブクログ
中二の時、気に入らないクラスメートをイジメていた『穂花』。でも、三年になったらクラス中から無視されるよになってまるで透明人間みたい・・・「友達なんかいない」小林深雪
クラスは違うけど仲の良い幼馴染の『加部慎太郎』。彼のクラスには顔に痣のあるいじめられっ子の男子生徒がいる。誰も名乗り出ないアンケートを取り続ける先生。でも、初めて✖がついた、そう加部慎太郎は言った・・・「これは加部慎太郎に送る手紙」戸森しるこ
「どうせ私なんて」その言葉を口にする度中学生にループしてしまう『詩織』。イジメている三人組から逃げて屋上でお弁当を食べていると、同じくイジメられている『弥生』と知り合う。『今』が終わりが -
Posted by ブクログ
経済的に困窮している家庭がいくつか出てくる。主人公の中学生の麻美の家庭もそんな家庭のひとつ。父と離婚した後、母親が精神的に病んでしまい、部屋が汚くて食べるものも着るものも欠いている。
フィクションだが、経済的にも精神的にも自立できていない家庭の子どもたちの現状がよくわかる。子どもを取り巻く先生や同級生や見ず知らずの大人たちは、貧困家庭に育つ子供たちの背景を理解しないで阻害したり批判的だ。
そんな中でも、無償の愛を注ぐ、学習支援塾のまなびーに出会うことで、麻美は変わっていく。
近年、子ども食堂が話題になっているが、この本を読んでその価値を改めて認識した。
私は大人として、自分の行動を振り返ったが -
Posted by ブクログ
貧困家庭の児童生徒が主人公の小説で、これまでに身近にはいなかった世帯の話題ですが、その置かれている状況の凄まじさに怯まされることが多々ありました。
片親でありながら、親は精神的な問題で働けず、家はゴミ屋敷、食事は学校での給食のみ。支援団体の取り組みは「哀れみで、ほどこそうとしているのでは」とプライドを傷つけられるように感じ、非行少年のグループでの「遊び」には道徳的な抵抗があって心から楽しむことはできず、あまりの生きづらさに、まるで「ぬけがら」のように心を殺して日々を過ごす彼女の姿に、やるせない気持ちを抱きます。
日本の平均的な世帯からは大きく乖離した状況であるが故に、その実態を想像するこ -
Posted by ブクログ
海外の作品はかなり果敢に厳しい問題に挑戦するけど、日本のYAは学校で読まれることを配慮してか、厳しい問題もソフトに描く傾向がある気がしているが(『カーネーション』『小やぎのかんむり』など。岩瀬成子は例外)、これは、日本の貧困家庭をかなりリアルに描いている。(一般向けなら厳しい現実を描いた作品はいくらでもあるが、この本は児童文学、つまり子どもに読まれる前提で書いている。)
主人公は両親が離婚し、母と暮らすが、母の精神状態が悪く、家事も仕事もできない状態。狭い家に男を連れ込むこともある。
貧困とネグレクトが一体化すると、とたんに大人社会の闇が接近する。女子は売春し、男子はチンピラになり、児童は