宮崎市定のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
タイトル通り科挙について扱った書。山内昌之先生が高校時代、友人に勧められた著作らしい。
科挙の内容が非常に詳細なのはもちろん、科挙が及ぼした影響、他の国との試験との国際比較(特に科挙と近代教育社会の比較)。また有名な科挙落第者の分析もされている。
封建主義から公平に民衆から官僚を選抜するという民主制へシフトさせるシステムが1400年以上も前に確立していた。そして弊害もあったが殿試や制科(優秀な老学者を取り立てるための制度)と改良を重ねる。けれども日本が学校教育を中心とした近代教育に目覚め、発展するのを目の当たりにし、清朝末期その制度は崩壊する。
西洋と比べ、日本や中国が学校よりも試験を重 -
Posted by ブクログ
宮崎市定『雍正帝ー中国の独裁君主』を読む。
本文はもちろんのことながら
併載論文「雍正硃批諭旨(ようせいしゅひゆし)解題
ーその史料的価値」が面白い。
解説を書いている宮崎の高弟・礪波護の発案で併載が実現した。
康煕帝、乾隆帝にはさまれ
中国史において目立たぬ存在であった雍正帝に宮崎は光を当てる。
雍正帝が発明した「奏摺(そうしょう)」という
コミュニケーションの仕組みに着目したい。
地方の文官武官223名に直属上司を通さず、
直接天子に報告を上げさせる仕組みだ。
彼らは本来であれば天子に直接上奏する立場にない。
だからこそ雍正帝は地方の事実を自分の耳目でつかみたかった。
鍵のついた小箱 -
Posted by ブクログ
中国中世は秦漢から始まるのではないという内藤湖南博士の説を冒頭に紹介して、巻末まで「中世の中国」を描きます。時代的には後漢末・三国・魏晋南北朝から唐まで。学者でありながら一般向けに描く文筆力に定評があるだけあって、読み物としても受け入れやすく仕上がっています。大学で東洋史でも専攻しなければ3秒で過ぎてゆく南北朝をはじめとして、おそらく1980年代前後くらいの日本人の常識を踏まえて丁寧に書いています。(例えば自分が習った高校の世界史の教科書には一言「劉祐の宋」とあるだけだったが、東晋の歩んだ歴史と滅亡の歴史も踏まえて、駄目な集団の中にひときわ輝く劉祐の姿をみることができる)。
ヨーロッパ、西アジ