宮崎市定のレビュー一覧

  • 科挙 中国の試験地獄
    宮崎市定が書いた『科挙』という題の書籍には二つあり、一つは筆者が出征前に書いて、たまたま金庫に保管されていたのが戦災を免れ、前後に出版され、今は絶版しているもの。もう一つは、初代の内容に満足のいかない筆者が改めて執筆し直した内容で出版されたもので、即ち本書。後者には、区別するために副題「中国の試験地...続きを読む
  • 世界の歴史〈21〉帝国主義の開幕
    18世紀後半のビスマルク体制から第一次世界大戦後のヴェルサイユ・ワシントン体制までの国際情勢を中心に書かれた概説書。

    ドイツ帝国の宰相ビスマルクは、宿敵フランスを孤立させるとともにヨーロッパにおける戦争を防止するため、ドイツを中心とする一元的で複雑な外交関係の蜘蛛の巣を作り上げた。

    しかし、ビス...続きを読む
  • 科挙 中国の試験地獄
    貴族勢力を削ぐために遥か隋の時代から始まった科挙制度。受験資格にほぼ制限がなく、権力の世襲や軍部勢力の拡大も抑制できるこの制度がいかに当時優れていたかは、王朝が交代しつつも長年にわたって広大な土地に中央集権国家を持続できたことが証明している。
    しかし優れていたからこそ清代まで続いてしまい、近代化され...続きを読む
  • 科挙 中国の試験地獄
    中国の官吏登用試験であるあの科挙を論じたもの。清代後期の爛熟した科挙制度を中心に実態とその周辺の社会風俗、思想、さらに歴史におけるその得失を論じている。科挙のことを知りたいならこれ一冊で大体間に合うと思う。単に科挙制度そのものを論じるだけでなく、中国の一般社会における科挙と受験者、合格者の位置づけに...続きを読む
  • 世界の歴史〈21〉帝国主義の開幕
    この時代に関して必要十分かつ網羅的にも詳述されており、ベルリン会議からヴェルサイユ会議まで過不足なく描かれたこの時代の主にヨーロッパの通史で日本語で読める書籍の推奨書籍の一冊に上げることができる内容がある。
  • 世界の歴史〈23〉第二次世界大戦
    書かれた時期が第二次世界大戦終戦から30年と経過していないため、著者たちも慎重な書き方に終止している部分があり、近年のホロコースト研究書籍や、第二次世界大戦概説書などに比べれば些か精彩を欠く印象はあるが、全く第二次世界大戦の概説書籍を読んだことがなく最も入手しやすい状況であれば興味の深まりの始まりと...続きを読む
  • 世界の歴史〈16〉ヨーロッパの栄光
    近代ヨーロッパを貫く、征服者としてのヨーロッパと自由と人権、人間らしい扱いを全ての人に求める闘争の情熱、科学技術の進展、政治上の発展と紛争、世界的普遍性を獲得するに至るヨーロッパ芸術の源泉たる思想と衝動などが端的にまとめてある。現代に生きる市民にとって直近の近代史にふれるための最適な概説書の1冊とい...続きを読む
  • 科挙 中国の試験地獄
    試験制度と聞くと、やはり一番、科挙が有名じゃないかと思います。
    官使登用制度として1300年以上の歴史をもつ制度は、世界に類をみません。
    本書を私が読んだ理由としては、中国で現行実施されている大学入学試験(高考)を考察する上で、
    科挙制度が、どのように影響しているかという点を理解したいと思ったからで...続きを読む
  • 世界の歴史〈9〉ヨーロッパ中世
    タイトル通り、中世ヨーロッパの歴史、政治、経済、文化などを包括的かつコンパクトにまとめた一冊。高校世界史よりもう一歩踏み込みたい人にオススメしたい。
  • 科挙 中国の試験地獄
    高校時代に人から薦められて読んだ。科挙について書かれた名著である。科挙についての詳細が事細かに書かれている。驚いたのは当時のカンニング技術。命懸けのカンニングだね。
  • 世界の歴史〈10〉西域
    2016/12/23
    パミール高原を中心にした中国でもないヨーロッパでもない地域の歴史。中国とヨーロッパの資料をバランスよく扱っている。陸上交通の要所だけに、西からはアレクサンダーに東からは中国に征服され、北からはモンゴルに攻められるけど、したたかに生き抜くオアシスの人々。トルコ人はモンゴロイドだっ...続きを読む
  • 科挙 中国の試験地獄
    県試、府試、院師、歳試、科試、郷試、挙人覆試、会試、会試覆試、殿試

    世界一過酷な試験とされる科挙には、上記の試験が存在する。清時代にはすべて行われていた。試験地獄と言われるだけのことはある。

    殿試を首位で通過すると「状元」と称せられる。人生で最高の栄光を勝ち得たことになり、小説の主人公にもよく状...続きを読む
  • 科挙 中国の試験地獄
    あまりにも煩雑な試験、怪異現象など面白い話題が豊富に盛り込まれている。受験制度の功罪を考える上で必読。
  • 科挙 中国の試験地獄
    さすがに宮崎市定先生の著作である。巻頭で言っていたとおり、筆者の私情は極力避け、事実関係だけをたんたんとドキュメンタリー・タッチで書き進めている。
    そのため物語としても読み応えがあった。
    宮崎先生の著書はいたるところで引用されており信頼性の高さも伺い知ることができる。
    ぜひ宮崎先生の他の著書も見てみ...続きを読む
  • 科挙 中国の試験地獄
     中国の皇帝(天子)は天の命を受けて領土人民を統治する。だが一人でその仕事をすることは不可能なので,手足として官僚を用いる。古代には貴族が天子の補助者であって,王朝が交替しても古い家柄の人間は引き続き権力を握ることができた。それが六世紀に変わる。隋初代の文帝は,生意気な貴族を排し有能な人材を集めよう...続きを読む
  • 科挙 中国の試験地獄
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    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時...続きを読む
  • 科挙 中国の試験地獄
    学生時代、ゼミの課題で読んだ。日本でも受験地獄と言われていた時期があったが、それとは比べ物にならないほど過酷な試験制度であった。読みながらそれを実体験したような気になる。
  • 科挙 中国の試験地獄
    参考書として読んだのだが、
    かなり良い本。

    科挙の歴史からこぼれ話まで。
    科挙受験者に比べれば、私の受験体験なんて小さい、小さい。
    そういう話がたくさん出てくる。
    面白い。

    なにより
    硬質な文章が素敵。
    そこらへんの作文本読むよりは、この本を読んだらいいと思う。
    もしかしたら「日本語の作文技術」...続きを読む
  • 科挙 中国の試験地獄
    科挙が大変な試験だったということは知っていたが、こんなにたくさんの試験を積み重ねるとは知らなかった。色々なエピソードが挿入されていて予想したよりずっと面白かった。科挙制度が中国に与えた影響がもう少し書いてあればよかったけど、「もっと知りたい」と思わせるほど内容が良いってことなのだろうなあ。
  • 世界の歴史〈5〉ローマ帝国とキリスト教
    06'11'15アウグストゥスとイエス・キリストを巡る不思議な因縁を神秘的に綴ったプロローグ〜果たしてどちらが真の救世主か〜から始まり、一転してローマの歴史、共和制から帝政への移行、その支配と属州国の隷属の実態を語り明かす。また一転しユダヤの歴史とそれを導入にイエス・キリストの降臨、キリスト教とロー...続きを読む